たぶち まさふみ オフィシャルブログ

日本消化器内視鏡学会指導医 元東大医学部講師による、医療・政治ブログ

講演

In 2010 National Conference on Therapy of stem cell & Diagnosis and Treatment of Endoscopy in Digestive Disease, I made a lecture on Nucleus pattern diagnosis  

 

 中国東北区の瀋陽軍総合病院の消化器内科の郭教授の主催する学会に招かれて、拡大内視鏡診断とくに「核パターン診断」の講演してきた。5月の北京の講演が好評であったので、呼ばれたようだ。聴衆は食い入るように話を聞いてくれた。新鮮な話であったらしい。

 

 

 しかし、このテーマの組み合わせは、いささか驚いた。消化器内視鏡と幹細胞治療はあまり関係のない分野であるからだ。ところが、なんと、来月開催されるヨーロッパのUEGWの学会のテーマもこれとそっくりなのである。郭教授は長年、スイスに留学して、幹細胞治療の研究もしていたらしい。「幹細胞を骨髄から取り出して、肝臓に入れると肝硬変が治る」とか言っていた。中国では幹細胞治療は、いままさに「地下から地上に出る」段階なのだそうだ。

 夜に歓迎交歓会が開かれたが、現役の看護婦さんたちが、14-15人ほど、素晴らしい表情で玄人はだしの踊りを踊ったのにはびっくり。通訳さんに言うには、患者さんに見せる最高の笑顔の練習なのだそうだ。

 

 

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北京大学で講演。テーマは・・・

1)拡大内視鏡による[optical biopsy]の可能性(ピットパターン診断と核パターン診断) 
2)5mm以下の微小ポリープの取り扱いについて


 5月14日から5月16日まで、北京に出かけてきた。北京大学第3医院(=病院)消化器病中心(=センター)林三仁教授が主宰する学会に呼ばれて、約一時間の招待講演を行ってきた。2年ぶりの北京は相変わらず、晴れても空が白かった。依然きたときには気がつかなかったが、空が白いのは、単に車排ガスによる大気汚染だけでなく、ポプラの綿毛のせいだった。マスクをしないと、危うく吸い込んでしまうほど、綿毛が舞っていた。

 学会の会場は、オリンピックスタジアム、鳥巣のすぐ間近であった。1300人ほど消化器医が、中国全土、とくに中国北部を中心として、集まっていた。テーマは拡大内視鏡と決めていたが、前日の打ち合わせで、中国でも5mm以下の小ポリープの取り扱いについては、中国でも議論があるとのこと。以前、日本消化管学会で発表した「5mm以下の微小ポリープの取り扱いに関する検討」を追加することにした。

 当日の講演には約1000名が集まり、会場の中に入りきらずに、立ち見や通路座りが出るほどであった。翌日、学会のライブデモを見学させていただいたが、中国の消化器内視鏡のレベルは、国力の増大とともに、年々、よくなっていて、最先端のレベルは日本と遜色なし程度までになっているようだ。

 

 

 

講演後は、北京の町に繰り出して、王府井と天台に行ったが、大変賑やかであった。

 

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Chicago DDW 2009 第6日目に参加 再生と癌治療の新しいパラダイム

    シカゴは昨日と打って変わって快晴。だが気温は3月上旬並み。

 

   朝一番で、幹細胞のセッションに参加。京都大学医学部消化器内科学教授の千葉勉先生の講演を聴く。山中先生のiPLのその後の展開についての話であった。ポイントは、基の細胞を繊維細胞から、胃の細胞や肝臓の細胞に変えてみると、より質の良いiPL細胞が得られたということ。iPL細胞の中に残存するc-myc遺伝子の量が減って、腫瘍生成のリスクが低くなったうえに、遺伝子の状態がより、生殖幹細胞に近づいた。iPL細胞の腫瘍生成性は、c-mycにのみ依存し、レトロウィルスには関係しないこと。元の細胞が分化したものであるほど、c-mycの取り込みが低いこと。などを強調しておられた。



講演後質問に答える千葉勉教授。

ちなみに今回、偶然にも同じホテルに宿泊。エレベーターで遭遇し、互いに驚いた。

 

 朝二番目は、miRNAのセッションに参加。特定のmiRNAを用いた試験管レベルの癌治療の研究が発表されていたが、話を聞いていると、10年のうちに、進行状態でも原理的に癌が治る時代が来そうな気がしてきた。

 午後はIBDの癌化のシンポに参加。それにて、今年のDDWは終了。

 

 35年前に山陽放送の巽社長や延原部長、野﨑敏生さんなどなどに連れられて、シカゴの街を訪れた際は、黒いすすけた町であったが、今はそんな印象はない。ハイブリッドバスが走り空気はきれいだ。2016年、今から7年後、この町と東京  どっちがオリンピックを開くのだろうか?

宿泊したトランプタワーホテル、92階建てでシカゴ第2の高さ。ここで、バットマン3のロケが行われた。

 

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第95回 日本消化器病学会総会に参加。大腸癌の予防法

 2009年5月7日から5月9日までの3日間、第95回日本消化器病学会総会が桜満開の札幌で開催されている。連休から続いての3日間で、休みが長くなり、休み明けが怖い。会長は、浅香正博北海道大学教授である。もう20年ぐらい前だが、氏がまだ講師の時、彼に招かれて、北大で「大腸病変のピットパターン診断と内視鏡挿入法」の講演をしたことがある。思えば、あれからずいぶんと年月が経ったものだ。


 

 

今学会では、氏の発案で「がんの予防」ということがテーマとなっている。学会では、たくさんのセッションがあり、どれに参加するかいつも迷う。会長の考えに従い、午前は、「大腸がんの予防」に参加した。「大腸癌はポリープを全部とると、癌の芽が摘まれ、がんの発生のほとんどが予防できる」(2次予防)のである。てっきりその事かと思っていたら、今回は、「どんなことが大腸癌の発生と関係あるか」といった(一次予防)と、がんの発生を予防する薬やサプリメント(1.5次予防)が話題の中心であった。


 大腸癌は、大腸腺腫や大腸
ACFaberrant crypt foci)(微小な大腸腺腫や大腸過形成結節や、化生性ポリープのこと)を前がん病変とする。そのため、研究対象を大腸がんそのものから、それらの前がん病変に対象を取り換えた発表が、ほぼ全部であった。ちょっと、物足らない。大腸癌と大腸腺腫は完全に同じではない。ちょっと違うものであり、次回のときには、この点も考慮に入れた企画を考えてほしいものだ。


 大腸腫瘍発生と関連した生活上の因子として、年齢、飲酒、たばこ、家族歴、野菜不足、運動不足、高脂血症などが指摘されていた。nが1000を超えた発表は川崎医科大学から出た1演題のみで、私も出しておけばよかったと後悔した。
n=9000ぐらいはコンピューターの中でデータベースになっているはず。しかし、大昔に発表したときと、変わらない内容になりそうだ。


 大腸腫瘍発生を抑制する薬やサプリメント(
chemoprevention)として、話題に上ったものは、効果の強そうなものから順に、スリンダック、緑茶ポリヘノール、エトドラッグ、アスピリン、ブロッコリーの芽(スルフォラファン)、機能性乳酸菌製剤、葉酸、グルタチオン、ω3脂肪酸、オリーブオイルなどであるが、私の経験に基づいて考えると、最初の2つぐらいしか、効果は実感されない。目新しいところでは、アディポネクチン、メトフォルミン、TACEinhibitorTAPI-2(TACEADAM17EGFRのリガンドamphiregulinを放出し、EGFRを刺激する)、イソ酪酸などが、発表されていた。また、大腸腫瘍発生を抑制する分子メカニズムとしては、AMPkinaseなどが紹介されていた。逆に、大腸腫瘍発生を促進するものは、牛脂、ω6脂肪酸、また、分子メカニズムとしては、従来のCox2以外に、jnk、mTORADAM17、βcatenin、などが紹介されていた。


 

薬やサプリメントでの大腸腫瘍発生抑制を希望の方は、受診してくだされば、個人の体質に合わせた薬を処方します。(社会保険が利かない薬やサプリメントの場合、自由診療になる場合もあります。)

 

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UEGW(ヨーロッパ消化器週間)2007 in Paris 第一日目

 2007年10月29日からUEGW in Parisに参加。ヨーロッパはIBD先進国なので、初日はIBDを中心に講演を聴いた。日本では、インフリキシマブしか、認められていないが、こちらではそれに加えて、CZP(セルトリズマブ・ペゴル)やADA(アダリブマブ)が使用できる。


 そのクローン病に対する臨床試験の結果を聞いていたが、トップダウン「はじめに強い薬すなわち坑TNF-α製剤を使い、次に、アザチオプリンを使う」方法のほうが、ボトムアップ「はじめに弱い薬を使い、効果がなければ、強い薬を使う」方法よりも、2年後の緩解率が大幅に高かった。

日本では、クローン病に対して、ボトムアップしか、保険診療では認められていない。この結果を踏まえて、坑TNF-α抗体の使い方を検討する必要があろう。

ヨーロッパ消化器病週間でオリジナルの核パターンによる大腸癌・大腸ポリープの内視鏡診断を発表

10月14日から10月19日まで、ヨーロッパ消化器病週間がデンマークのコペンハーゲンで開かれた。8月28日のトピックで書いたように、最新の拡大内視鏡は7μmの解像度を持ち、核も見える。今回はその内視鏡で見える核のパターンを分類して、その臨床的有用性を検討した講演発表をおこなった。内視鏡診断が、また一歩、組織診断に近づいた。詳細スライドショウ

第二回芳医会で陥凹型大腸癌の講演をしてきました

 2005/07/16に、第二回芳医会が岡山で開かれました。芳医会とは、私の母校である岡山芳泉高校を卒業した医師の会です。専門分野を超えての情報交換と同窓生の親睦を目的としています。今回は、第一期の卒業生である私に講演のお鉢が回ってきて、「陥凹型早期大腸癌」について約90分、講演しました。要旨は、「陥凹型早期大腸癌は、発見しづらく転移の早い癌で、臨床的に重要である」ということでした。質問も多く、結構盛り上がりました。専門分野外の先生方にも、わかりやすかったと結構好評で、ほっとしました。


 その二次会では、「冠動脈ステントは何本入れるのかという話(
9本ぐらいまで入れることあり)から、死体のペースメーカーを取り出しの話(火葬場の温度が高い電気炉だと燃えてしまうので取り出さなくて良いが、低い石油炉だと燃えないので取り出さないといけない)になり、さらに火葬場の温度から、焼いた骨のDNA鑑定は可能か」といったように多彩な話題が、飛び出しました。専門外の疑問をそれぞれの専門家にいろいろと尋ねて、大変面白い会でした。ちなみに、現場の法医いわく、「私の教室では焼いた骨のDNA鑑定はできないと考えています。」とのことでした。北朝鮮から提出された骨が、その人でないと判定された科学的プロセスを、帝京大学法医学教室に公表してもらいたいものです。大学同級の野上誠先生(助教授)よろしくお願いします。

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