ホームぺージの読者の皆様の健康と安全、仕事の発展と子孫の繁栄をお祈り申し上げます。本年もよろしくお願い申し上げます。


今年の干支は、猪です。猪にたっぷりとえさを与えて食用に家禽化したものが、豚です。ちなみに、鴨を家禽化したものがアヒル(この皮のところを食べるのが北京ダック)。雁を家禽化したものが、ガチョウ(十分なえさを与えて太らせて脂肪たっぷりにした肝臓がフォアグラ)です。脂肪摂取量と大腸癌の発生には、正の相関関係が有ります。美食の集団に大腸癌が発生しやすいという疫学的データも数多くあります。ただし、その相関関係はゆるいもので、肥満の人に大腸癌が出やすい傾向があるのは事実ですが、肥満でない人にも大腸癌は出ます。さて、大腸癌死を100%ブロックするにはどうしたらよいのでしょうか?


 現在、企業や地域で広く行われている大腸癌検診は、便潜血反応です。約10年ほど前の厚生省の武藤徹一郎班会議(私もメンバーの一人でした)のデータですが、便潜血を契機に発見した進行大腸癌の5年生存率は約70%、症状を契機に発見した進行大腸癌の5年生存率は約30%でした。ちなみに、進行大腸癌と診断されて、外科に入院してきた患者の便潜血反応の、陽性率は約70%で、約30%は陰性でした。便潜血反応だけでは進行大腸癌でも見逃される場合が約三分の一もあるのです。以上のデータから考えると、100%予防を目指すなら、便潜血による大腸癌検診だけでは不十分といわざるを得ません。現に、私の臨床経験でも、便潜血による検診を受けていたにもかかわらず、進行大腸癌になってしまい、挙句の果てには死んでしまった人が何人もいました。


 一方、定期的に大腸内視鏡を行い、腺腫等の前癌性病変の全切除を行う集団における、進行大腸癌の発生はごくまれです、死亡する例は有りません。こういう事情を考慮して、アメリカ合衆国では、大腸癌を自己責任の病気もしくは自分次第の病気と呼んでいます。 40才以上になったら、症状のないうちに、内視鏡による大腸ドックを受けて、腺腫などの前癌性病変をすべて切除しておくことをお勧めします。「転ばぬ先の杖」・「後悔先に立たず」です。


 100%がん予防を目指したい方は、当院でも内視鏡による大腸癌ドックを行っていますので、メールか電話でお申し込みください。詳しくは無痛消化管ドックのページへ。