たぶち まさふみ オフィシャルブログ

日本消化器内視鏡学会指導医 元東大医学部講師による、医療・政治ブログ

拡大内視鏡

拡大内視鏡 内視鏡的、核パターン観察の新工夫を発見  

  内視鏡下に核を観察する場合、核は透明なので、染色する必要がある。これまで、核染色に用いられていたのは、メチレンブルーである。メチレンブルーで、核を染色するには、2-3分かかっていた。この2-3分という時間は、内視鏡をしている場合、結構長い時間である。どうやって、この時間を短縮するか?これが、核パターン診断の一つの大きな臨床的課題であった。偶然、ある薬をまいた後であると、時間ほぼ0で核が染まることに気がついた。データをまとめて、今後の学会で発表します。


 下の図は、腫瘍にメチレンブルーを吹き付けた直後の写真である。腺管の辺縁に付着して、層をなしている核層が瞬間で明瞭に見えた。ちなみに、この核パターンはn2である。腺管口の形態は、大小不動で、異型がかなり強いが、核所見は比較的おとなしい。毛細血管のパターンは腫瘍のパターンである。異型性は結構強い。

 

 

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微小癌と拡大内視鏡 NBIだけでなくFICEにも保険点数を認めるべきだ。 

  小さな癌を見つけるには、拡大内視鏡が欠かせない。下の図は最近見つけた微小胃癌である。1.5mmの発赤を拡大してみて、異常血管が見えるので癌だとわかる。私が卒業したころは、内視鏡ではせいぜい6mmぐらいまでしか、確実に胃癌を見つけることは出来なかったが、現在は、この毛細血管を観察することで、1mmでも、胃癌とわかるようになった。


 この4月の診療報酬改定で、オリンパスのNBI(狭帯域画像)に保険点数200点が付けるべきという中医協の答申は、早期癌の発見を日常の仕事としているものにとっては、大変うれしいことだ。ただ、同等の観察技術のFICE(富士フィルム)は、どうなのであろうか?ちなみに、下の図はFICEによる画像である。NBIだけでなくFICEにも 、癌の発見能を向上させたとする論文がすでにいくつも発表されており、実地の画像でも遜色はない。NBIだけでなくFICEにも保険点数をつけるという公平な取り扱いが 、国民の早期がん発見に寄与することは間違いないと思う。NBIだけでなくFICEにも保険点数を認めるべきだ。

 



画面中央の異常毛細血管と腺管構造の乱れで胃癌の範囲が正確にわかる。病理結果は高分化型腺癌。深達度m 大きさは1mm未満。

 

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JDDW2009 第17回日本消化器関連学会週間で、拡大内視鏡による核パターン診断を発表

  京都の国際会議会館でJDDWが開催された。初日の10月14日から参加。15日はシンポジウムで超・拡大内視鏡の最前線で、「拡大内視鏡による核パターン診断の臨床病理学的検討」を発表した。5年前にアメリカのDDWで発表していた内容に、少し追加した内容であったが、日本で発表するのは初めてで、日本人では知らない人が多かったためか、結構反響があった。4年前に論文にまとめておくべきであった。しかし、この世界は妙に面白い。自分の考えていることを誰にも話していないのに、まったく同じアイデアを思い付いているひとがいるのである。(ただし、ちょっとは違うことも多いが・・・・)。学会でそういうことを何度も経験してきたが、今回は何回目だっただろうか?


 今回の拡大内視鏡による核パターン診断の発表ポイントは、簡単にいえば核パターンが「バラバラで大きな丸なら癌」。(核パターン3型=癌)。下の写真は左が拡大内視鏡像で、右がそのあたりの顕微鏡像である。内視鏡的病理診断は実現可能まで、あとわずか。


 この技術で何がわかるのか?拡大内視鏡を見るだけでその病変に癌があるのかないのかが、ほぼ100%わかるのである。その場で正しい治療方針を立てることができる。

 

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第73回日本消化器内視鏡学会総会報告   カプセル内視鏡・経鼻内視鏡・ダブルバルーン式小腸内視鏡・拡大内視鏡・特殊光内視鏡・超拡大内視鏡・レーザー共焦点式内視鏡

 5月9日から11日まで、新緑薫る、東京のグランドプリンスホテル新高輪と国際館パミールで、東邦大学医学部消化器内科教授 三木一正先生会長のもと、第73回日本消化器内視鏡学会総会が開催された。いろいろと勉強になったが、個人的には、特別講演2の愛知癌センター腫瘍病理部長、立松正衞先生の話が面白かった。ピロリ菌には梅エキスの中のリグナンという成分がよく効くと発表していた。実験室レベルでのデータだったが、臨床的にはどうなのだろうか、引き続きの研究発表が期待される。また、系統発生のはなしで、鳥には大腸がないとか、胃の酸と消化酵素が別々の細胞から分泌されるのは、脊椎動物の中でも哺乳類だけ?!だとか、大腸腺管は腺管ごとにmonoclonalだとか・・・結構面白い話を教えてもらった。話題の主体は、胃の腸上皮化成のはなしで、sox2,cdx1,cdx2やmuc5ac,muc2+mac5ac,muc2・・・といったものとの胃癌発生母地である腸上皮化成の絡みや、胃癌は幹細胞レベルからではなく、もう一歩進んだ前駆細胞レベルででてくるとかといったことであったが、脇のほうが面白かった。


 経鼻内視鏡・拡大内視鏡・特殊光内視鏡・超拡大内視鏡・レーザー共焦点式内視鏡など
各種の内視鏡がこの10年ほどの間に、開発され臨床応用されている。これらのスコープ開発の方向性は大きく3つあり、より簡単に、楽に検査をおこなうという第一の方向性と、より正確により精密にという第二の方向性と、見えなかったもところ(小腸)をなくすという第3の方向性である。第一の代表が経鼻内視鏡・カプセル内視鏡である。第二の方向性が拡大内視鏡・特殊光内視鏡・超拡大内視鏡・レーザー共焦点式内視鏡である。第3の方向性がカプセル内視鏡・ダブルバルーン式小腸内視鏡だ。それぞれの方向に、臨床的な経験やアイデアが積み重なって、発展していく経過を見るのは、楽しいことだ。オリンパスからモノバルーン式小腸内視鏡が新たに発売されていた。内視鏡の分野はすべて、わが社でやるぞ!というオリンパス社の気概を感じた。

ヨーロッパ消化器病週間でオリジナルの核パターンによる大腸癌・大腸ポリープの内視鏡診断を発表

10月14日から10月19日まで、ヨーロッパ消化器病週間がデンマークのコペンハーゲンで開かれた。8月28日のトピックで書いたように、最新の拡大内視鏡は7μmの解像度を持ち、核も見える。今回はその内視鏡で見える核のパターンを分類して、その臨床的有用性を検討した講演発表をおこなった。内視鏡診断が、また一歩、組織診断に近づいた。詳細スライドショウ

高性能拡大内視鏡 解像度7ミクロンの世界 

当院で現在使用している拡大内視鏡は、解像度が7ミクロン。画素数130万。顕微鏡でいうと約200倍の画像に匹敵する。毛細血管が鮮明に見える。小腸絨毛のなかのループ状の毛細血管も鮮明に見える。赤血球の流れが見えることもある。ループを通過する時間は、0.2秒程度である。ただし、条件により、見えたり見えなかったり、早かったり遅かったりする。また、特殊な色素を使うと核の形態も見える。大腸癌の核の形は特徴的で、良性に比べて大きくなり、散在する。癌の種類により、核の形態も異なるようだ。高性能の拡大内視鏡が切り開いた世界は、今後、病態・生体機能の解明や内視鏡診断の助けになりそうである。
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