バレンタインデイの2月14日から2日間、第10回日本消化管学会が福島で開催されている。関東は、本州南岸をゆっくりと通過する低気圧のため、大雪が降るなか、8:00に、中目黒を出発して、10:33に新幹線で福島についた。
 福島駅の周りは、空き地が目立つ。
 午後4:00から、「福島原発事故と健康リスク管理」(山下俊一長崎大学副学長の講演」を聞いた。
私か注目したのは次の3点である。
1)放射性ヨード( I )による甲状腺癌の発生
2)放射性セシウム(Cs)による今後の癌発生
3)福島でつくった食材の放射線レベルについて

1)子供の全県調査を行い、見つかって「甲状腺がん」は、平成23年度14人、平成24年度20人、
平成25年度(現在進行形)で1人であった。
 チェルノブイリ事故で発生した子供の甲状腺がんは約5000人なので、約140分の1のレベルだ。
ただ、山下先生は、この程度の数字は、スクリーニングバイアスではないかと見解を述べておられたが、今年度の数字が低いので、事故による発癌だった可能性も否定できない。
 スクリーニングバイアスであったか、それとも、原発事故による発癌であったかは、同じ基準で同じ調査を続ければ、今後結論が出るであろう。ただし、放射性ヨードの半減期が短いことを考えると、ピークが去ったことは間違いないであろう。

2「放射性セシウムによる内部被ばくの増加は、自然界に存在する放射性カリウム(カリウム40)の100分の1程度だった。したがって、放射性セシウムによる内部被ばくによるガンの増加は、ほとんどないだろうと予想される。現に、もっと多くの放射性セシウムがばら撒かれた、チェルノブイリ事故でも、がんの増加は今のところない。」そうである。
 (セシウムはナトリウムやカリウムと同じ一価の陽イオンになりやすい金属元素で、生体内の動態はカリウムとほぼ同等である)

3)いろんな対策をとり、全例調査により、国際的な放射能の基準をクリアとしている。放射能を理由にした、中国や韓国の輸入規制は理由のないことだ。