たぶち まさふみ オフィシャルブログ

日本消化器内視鏡学会指導医 元東大医学部講師による、医療・政治ブログ

大腸内視鏡

ラジオNIKKEI「医学講座」に出演 テーマ 大腸内視鏡による前がん病変からの治療


本日(2017年4月27日) 午後8:40-9:00に ラジオNIKKEI「医学講座」で放送した内容です

medical.radionikkei.jp/premium/ から入ってお聞きください


   こんばんは、田渕正文です。

本日、私に与えられたテーマは、「大腸内視鏡による前がん病変からの治療」です。

まず、本題に入る前に、すこし、自己紹介をしたいと思います。私、田渕正文は、1984年に東京大学を卒業して、医師免許試験に通り、内科系研修医としてスタートしました。1986年には東大内科に入局して消化器内科グループに入りました。そして、1986年から約30年間、大腸内視鏡診療を行ってきました。これまで、約5万例の大腸内視鏡検査を行い、昨日までで約168000個の大腸病変を切除しました。1991年から、中目黒消化器クリニックの院長を務める一方、東京大学医学部腫瘍外科の講師を1996年から17年、獨協大学消化器内科教授を2015年から2年にわたって務めて来ました。
  業績としては、無痛の水浸下大腸内視鏡挿入法の開発、世界初の臨床使用できる拡大電子内視鏡の開発、大腸腫瘍のピットパターン診断法の開発、EMRの大腸への応用、平坦陥凹型大腸腫瘍を発見と臨床病理学的特徴の解析、内視鏡による腸管縫合術の世界初の成功、拡大内視鏡による核パターン診断法の開発、内視鏡的全層性消化管切除術、飲まない腸管洗浄法などなど、いろいろとあります。

中でも、今回のテーマとの関連としては、「平坦陥凹型大腸腫瘍は、Kras変異がない」ということを世界で初めて明らかにして、1994gutに論文を載せたことでしょうか。以上のような経歴ですので、今回のテーマ「大腸内視鏡による前がん病変からの治療」について、最新のことも含めて、皆様のお役に立つお話しができるものと思います。

さて、そろそろ、本題にはいって行きたいと思います。大腸がんはどのようにして、正常上皮から発生してくるのでしょうか?それは、がん遺伝子の変異により、起こってきます。2017年現在、がん遺伝子の変異のルートは、大きく3つ知られています。

大腸癌発生遺伝子メカニズム
 

第一のルートは、まずAPC遺伝子やβカテニン関連遺伝子の異常が起こって、過形成結節となり、次にKras遺伝子の異常がおこり、隆起型の腺腫となり、最後にp53関連遺伝子の異常が起こって、隆起型の早期癌となるものです。このルートは1983年にVOGEL steinらによって提唱されました。いわゆる、隆起型ルートです。

第二のルートは、まず、APC遺伝子やβカテニン関連遺伝子の異常が起こって、過形成結節となるところまでは、同じですが、次に変異するのは、krasではなく、EGFR関連遺伝子です。そのEGFR関連変異で、平坦陥凹型腺腫になります。そして、最後にp53関連遺伝子が変異して、平坦陥凹型大腸癌になります。これがいわゆる平坦陥凹型ルートです。先ほども言いましたように、1994年に私が世界で初めて提唱したルートです。

3のルートは、SSAPルートです。これもまた、APC遺伝子やβカテニン関連遺伝子の異常が起こって、過形成結節となるところまでは、同じですが、次に変異するのは、krasでもなく、EGFR関連でもなく、変異するのはBrafです。Brafが変異すると、化生性ポリープになります。さらに何らかの遺伝子の変異が重なり起こって、SSAPになり、さらに癌に進展していきます。この辺りは、まだ十分解明されていません。しかし、ここ10年くらい、研究が盛んに行われていますので、近い将来わからないこともわかってくるでしょう。

ところで、私たちが提唱した第二の平坦陥凹型ルートは、アメリカではなかなか認められませんでした。1994年に載った雑誌はGUT、ヨーロッパ最高の消化器病雑誌です。アメリカではありません。アメリカの先生方は、平坦型陥凹型の病変が見つけられず、その存在を強く疑っていたのです。私たちの研究成果は、すぐには世界で認められなかったのです。

ところが、その12年後、2006年にセツキシマブ(商品名アービタックス)という抗EGFR抗体薬が、進行大腸癌の約半数に効果があるがわかりました。解析してみると、効果があったのは、すべて、Kras陰性でした。この事実が判明して、Krasが変異するVogelSteinルート以外の大腸がんルートが存在することに、アメリカの先生方は気がついたのです。2006年ごろのGastro Enterologyというアメリカの雑誌に、editorが、「昔、日本人が提唱していた、平坦陥凹型ルートは確かに存在していた。」と書きました。私たちの先駆的な業績は発表後12年を経て、やっと世界で認められたのでした。

さて、第3のルートが見つかったのも、この抗EGFR抗体薬、セツキシマブ(アービタックス)やパニツムマブ(ベクティヴィックス)がきっかけでした。K-ras陰性群の中にも、これらの抗EGFR抗体が効かない一群があり、それらを解析すると、Brafが変異していたということがわかったのです。化生性ポリープと言えば、かつては非腫瘍性ポリープに分類されていて、取らなくてもいいと言われていたのですが、この研究が明らかになってからは、Braf変異のある化生性ポリープは釣るべきだという意見が強くなっていて、私もそう考えています。

ところで、話がそれますが、皆さんは、過形成ポリープ・過形成結節、化生性ポリープの違いをご存知でしょうか?これまで、これらの病変は非腫瘍と判断されていたので、軽く考えてきた方も多いと思いますので、ちょっと整理しておきたいと思います。

過形成ポリープという範疇には、過形成結節と化生性ポリープが含まれます。過形成結節は、腺管の内部の腺管細胞が、ストレートに並び鋸歯状に波打っていないもの、化生性ポリープは腺管の内部の腺管細胞が、鋸歯状に波打っているものです。この鋸歯状の変化は、拡大内視鏡で明瞭に観察できます。ですから、過形成ポリープだから、取らなくていいということではなくなっていますので、ご注意ください。拡大観察して鋸歯状変化が認められて、化生性ポリープと判断されたら、取るべきなのです。

さて、進行大腸がんに至るルートの割合について述べてみたいと思います。第一の隆起型ルートが進行大腸がんの約45%、第二の平坦陥凹型ルートが約45%、第三のSSAPルートが約10%です。

 つぎに、これら3ルートの臨床的特徴について、述べたいと思います。

 隆起型ルートに比べて、平坦陥凹型ルートは、大変早く進展します。約5倍のスピードでsm浸潤します。隆起型ルートでは、がん化した腫瘍が、smに浸潤する大きさは平均12.5mmですが、平坦陥凹型ルートでは、平均7.5mmです。SSAPルートでは、sm浸潤は平均20mm以上です。

また、腺腫はどれくらいの確率で癌化してくるのでしょうか?なかなか難しい課題なのでが、1996年に「胃と腸」という雑誌で、述べたように、5mm未満の腺腫は年間約1.3%ぐらいのがん化率ではないかと推計しています。また、粘膜内大腸腫瘍の発育スピードは腺腫では概ね年に1ミリ、がん化すると月に1ミリ大きくなりました。

 ところで、5mm未満のポリープは腺腫でも取らなくてもいいという意見が大腸ポリープ取り扱いのガイドラインに書いてありますが、実は正確に言うと、隆起型ルートの腺腫についての話なのです。良く読むと、ガイドラインにちゃんと書いてあります。

平坦陥凹型ルートでは、7.5mmがsm浸潤平均サイズなのですから、5mmや4mmでもsm浸潤することは稀ならずあるので、5mm未満は取らなくてもいいと言うのは平坦陥凹型腫瘍では明らかに間違っているのです。「5mm未満は取らなくてもいい」と主張する先生方も、ピットパターンを拡大内視鏡でしっかりと見て、平坦陥凹型と隆起型を鑑別して、平坦陥凹型なら5mm未満でも切除すべきと述べています。また、隆起型の微小腺腫はすぐには取らなくてもいいが経過観察は必要であるとも述べていますので、注意してください。

私個人としては、隆起型であろうと腺腫なら切除すべきと考えていますが、ハイボリュームセンターなどの時間のひっ迫している施設では、いかに効率良くするかということから、遺憾なことに、このような手抜きともいうべき取り扱い方を推奨しています。このような手抜きを推奨しているのは、恥ずかしながら、日本だけで外国にはありません。   

取るべき対象について、これまで述べて来ました。ピットパターンについて詳細に述べるべきでしょうが、今日は時間の都合もあり、割愛します。

次に、取り方について、少し述べておきたいと思います。従来のスネアによる通電切除とホットバイオプシ―、EMRに加えて、ESDやコールドスネア法や、鉗子による全切除などの切除方法が最近加わりました。ESDは、大きな病変が遺残なく切除できることが特徴です。しかし、難しい手技なので、修練が必要です。コールドスネア法やコールド鉗子法は、穿孔や後出血のリスクが激減します。また、クリップ縫縮による穿孔や出血のリスク回避も有効です。これらの詳細については、ラジオなので割愛します。

さて、大腸内視鏡による前癌性病変切除の臨床的効果について、述べたいと思います。2009年に、私自身のデータをまとめたところ、腺腫以上の病変をすべて切除してクリーンコロンにして、以後定期的に1ないし3年に1回の定期的な切除を繰り返した場合、3万人年にわたって進行大腸癌が一つもできませんでした。1000人を30年にわたって見ても、一つも大腸癌が出なかったという意味です。

私の施設ばかりでなく、同様の報告が多数あります。大腸内視鏡で前がん病変をすべて取ることは、がん予防には極めて効果があるといえます。

食事の欧米化、油脂の摂取量の増加に伴い、わが国では、大腸癌がうなぎ上りに増えています。大腸がんの罹患数は、今や年間約20万人、死亡数は約5万人です。大腸癌を予防することは、日本にとって、大きな課題です。

ステージ4の進行大腸がんは30年前、1年以内に死んでいました。先に述べたセツキシマブ(アービタックス)や、パニツムマブ(ベクティヴィックス)、ベバシズマブ(アバスチン)のなどなどの分子標的薬剤の開発により、大腸がんの生存期間は大幅に改善されて、同様の進行大腸がんでも平均4-5年生きられるようになりました。これは、大変素晴らしいことなのですが、反面、分子標的薬剤は高価なので、医療費が高騰していることも否めません。さらに、これらの薬で100%完治できるわけでもありません。やはり、今でも、前癌性病変からの早期治療の臨床的効果は抗ガン剤に比べてはるかに安価で、効果があります。

 ところで、視聴者の皆さん、この20年アメリカでは、大腸癌の発生数、死亡数ともに半減したことをご存知だったでしょうか?30年前、大腸がんと言えばアメリカということでしたが、アメリカは大腸がんを克服しているのです。アメリカでは、大腸がんのことをself-dependent-diseaseと呼びます。「自分で気をつけて、内視鏡を行って、大腸ポリープを取っていれば、がんにならない、だから、自分さえ気をつければ、ならずに済むのが大腸がんだ」ということなのです。進行癌になると年間1500万円程度の診療費がかかり5年ほど続いて、結局お亡くなり死亡保険金も出すというコースは、保険会社にとって大変な赤字負担になるのです。ですから、アメリカの保険会社は、加入者に3ないし5年に一度の大腸内視鏡検診と、ポリープ切除を義務付けているのです。

その結果、対象年齢のなんと75%の人が大腸内視鏡検診を受けてポリープを取っているのです。そのため、大腸癌の罹患率、死亡率ともに、この20年で劇的に下がったのです。

かたや、日本ではこの20年で、罹患数は8万から20万に、死亡者数は4万から5万になりました。大腸内視鏡による前がん病変の切除は、大腸癌予防に極めて有効なのに、わが国では、この30年間、大腸のポリープ切除は、冷遇され続けています。

1992年の保険改訂では、大腸ポリープ切除は9000点でしたが、以降、下がりっぱなしです。2016年の保険改訂では、5000点と、ほぼ半減しています。これほどのがん予防効果があるのに、正しく評価されていません。また、前癌性病変を1個取っても10個取っても同じ値段なのも問題です。1個につきいくらとして、正しいインセンティブを医療機関に提示する必要があるでしょう。さらに、ESDは診療所では保険で行えず病院のみで認められています。私を含め、病院で活躍した内視鏡医が数多く開業している現状を考えると、診慮所でもESDの保険適用はみとめるべきではないでしょうか

 2025年問題を前にして、医療費の高騰が懸念されています。うなぎのぼりに増える大腸癌を予防することは、単に患者の健康というだけでなく、医療費削減の面からも喫緊の課題です。大腸内視鏡による前がん病変の切除は、大腸がん予防に大変な効果があり、海の向こうのアメリカでは大腸がん予防に大変な成果を上げ、保険会社を潤しています。日本でも、大腸内視鏡による前がん病変の切除の価値を正しく評価して、大腸がんの予防がきちんとできるように制度設計をするべきではないでしょうか。

米国DDW サンディエゴで開催される 

 5/19午後0:00に学会場に到着。ポスター、主に工藤進英教授の教室の一連のポスター発表を見て、4:00から
New Technology for the Therapeutic Endoscopy
に参加したところで、珍事は起きた。これまで何回も、いろんな国で学会には出ていたが、こんなことは初めての出来事であった。最後から2人目のプレゼンター(Endoscopic Visualization of the Entire Small Intestine in 27 Consecutive Patient Using Novel Motorized Spiral Endoscope | 285 |  Paul A. Akerman)が螺旋型小腸内視鏡を発表を初めて5分ぐらいのとき、がっしりとした感じのアフリカ系アメリカ人(真黒な黒人)が、演台につかつかと歩み寄って発表者に何やらぶつぶつと迫った。ちょうど、新しくバージョンアップした螺旋型の内視鏡を人体に初めて適用した結果を述べているときだったので、その実験台にされてトラブルが起きたのかととも思った。そして、Akermanがアフリカ系アメリカ人(真黒な黒人)に対して「yes」と言ったかと思うと 、黒い人はよくわからない英語で演説を始めた。すぐに若い白人の女性のスタッフが駆け付けたが、演説は3-4分続いた。若い白人の女性のスタッフはアフリカ系アメリカ人を興奮させないように注意しながら、「出て行きましょう」と促していた。しかし、アフリカ系黒人はその場にとどまり、ついに、「もう時間がありません。私は90ドル払わなければ、牢屋に入れられる。」この言葉を何回も繰り返しはじめた。


 物乞いだったのだ。


 次の発表者(Gastrointestinal Tissue Sampling With Endoscopically Deployed and Retrieved Sub-Millimeter Wireless Microtools 5:00 | 286 | )  Florin M. Selaru1が、いくらか渡した。かえると思いきや、さらに数分粘った。結局それ以上暴れなかったので、警察も呼ばれず、終わったが、セッションの時間が短くなって、2人の演題の質問と討論の時間が省略された。日本でもアメリカでもヨーロッパでも、中国でもタイでも韓国でも台湾でもチェコでもロシアでも、こんなことはなかった。ちなみに、サンディエゴの町には物乞いがあふれていた。アメリカはプロテスタントの国(労働で生きる国)とおもっていたが、カトリック的な国(施しで生きる国)に変貌しているようだ。


 ちなみに、螺旋形内視鏡は、バージョンアップして、ドライブ部分をモーターにして分離していた。約半分の症例で、平均20-30分でほぼすべての小腸が観察できたと報告していた。発表に誇大がなければ、現在のバルーン小腸内視鏡は半分見るにも90分ぐらいかかるので、ひょっとすると螺旋形小腸内視鏡は今のバルーン型小腸内視鏡を凌駕するかもしれない。

 

 5/20 今日から企業の展示ブースが開いた。アメリカでも Fujinon の名前が消えて、今年は、Fuji Film となっていた。1998年に私が撮ったEC485ZWによる色素拡大内視鏡の写真が今年もブースに使われていた。当時の担当者は誰も残っていないけれど、この2枚の写真、よっぽど気に入られているようだ。クリスタルバイオレットとメチレンブルーの二重染色であるのだが、この画像当時は何を意味するのかよくわからなかった。しかし、今の目で見ると、腺管の形や核層の厚さが明瞭に観察され、間質に浸潤している白血球と思われる細胞の核も明瞭に見えている。また、焦点深度が今のEC590zwシリーズより深いので、全体的な拡大観察にも成功している。たしかに素晴らしい画像だ。


 ちなみに、画素数は85万画素(画像解析で130万画素表示)で史上最大の画素数を搭載した内視鏡であった。14年前は記録媒体も乏しく、この画像と動画を残すのに、画像を4台のコンピューターに分けて記録し、さらに再合成をするという手間がかかった。プロセッサーの処理能力は当時は低かったので、画像は15秒に一こま。したがって、ちらついて、臨床的には辛かった。この内視鏡があまり売れなくて、当時のM社長が突然解任されて、このスコープの次もなくなったのであるが、最近のプロセッサーで見るとちらつきもとれていて、すばらしい絵が出る。

 

 5/21 10:00からのAGA Presidential Plenary に参加。冒頭のPresident's Announcement (by Prof C. Richard Boland) を聞いていると、アメリカで行われている医療改革に、現場の医師は反対のようである。会場の大画面に氷山に向かうタイタニック号のスライドを表示しながら、Prof C. Richard Boland会長は「医療は危機に向かっている。この改革は涙なしでは語れない。危機に向かっている中で、われわれは一致団結しなければならない。団結してわれわれの意見をワシントンに届けよう。」と訴えていた。


 また、同じPresidential Plenaryセッション How will we prevent colorectal cancer in the future  において、Prof Dennis J. Ahnen はここ20年ぐらい、アメリカでは大腸癌の死亡者数は減ったが、これは、われわれが大腸内視鏡を行いポリープをとってきたからだと述べた。


いいニュースです。(つべこべいわないで)私たちがすること(大腸内視鏡検査)はよくみえるでしょう。


 確かに、このスライドは説得力がある。1975年にくらべて2010年では大腸癌の訂正死亡率は約半分となっている。また、大腸内視鏡によるスクリーニングの実施割合が、対象年齢のなんと65%もあるのだ。スクリーニング法として、日本ではずっと便潜血が採用されてきた。国立癌研究センターの疫学部門のお偉いさんは、免疫学的便潜血反応の開発者で、この間も日本の学会で大腸内視鏡検査は大腸癌死亡者数を減らすには無効で、大腸癌死亡者数を減らすには便潜血しかないようなことを言っていたが、彼はこういうデータをまったく勉強していないのであろうか。


 私は、便潜血陰性なのに進行大腸癌で死んだ人や便潜血反応が陽性となって大腸癌が見つかったが病状が進み過ぎていて、死んだ人々を何人も見てきた。私は1996年の厚生省の班会議のメンバーの一人であったが、その時、既に便潜血反応の限界は指摘されていたはずだ。大腸内視鏡検査にもっと重きを置いていれば、日本の大腸がんの死亡者数も今の半分になっていただろうと思われる。二万人/年×20年÷2=二十万人。これが、政策間違いによる大腸癌死亡者数のおおよその数字である。

「ポリープ(平坦陥凹型腫瘍も含む)を取れば大腸癌は発生しない。」「大腸ポリープ(平坦陥凹型腫瘍も含む)をすべて取るべきだ。」


 この理念を捨てて、私に社会的圧力を加え始めたときに、厚生労働省の役人は二十万人を密かに殺しはじめていたのだ。このことが、このアメリカのデータをみれば、明らかにわかる。世界に冠たる医療体制と、野田首相は胸を張る。しかし、「癌の罹患者が65万人で死亡者が34~35万人」という日本の現実は、とても世界に冠たるなどという言葉は使えず、知識と知恵に基づいた、不断の改善努力を迫っているのである。

 

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田淵正文院長の業績消化器疾患について超音波による前立腺がん治療:HIFU | E-mail |

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女優 坂口良子さん(57歳)大腸癌で逝く

 女優、坂口良子さんが27日午前3時40分に横行結腸がん(大腸がん)による肺炎のため、死去した。57歳だった。美人で明るい女優さんであったが、大腸癌で死ぬとは、何ともかわいそうである。症状のないうちに、内視鏡検査さえ受けていれば、こんなことにはならなかった。大腸がんの予防には、大腸内視鏡によるポリープ切除が効果抜群である。国をあげての検診体制の拡充が求められている。


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HIFUの合併症、尿道直腸漏を大腸内視鏡で縫合閉鎖

 昨年の11月末に、他院でHIFUを行い、遅発性の尿道直腸漏になった患者さんについて、同僚の鈴木誠先生から相談された。「人工肛門にして外科的に縫合を勧めているのだが、人工肛門はどうしても嫌だといっている。どうしたらいいだろう?」「1996年から何例も大腸壁を内視鏡で縫合している。一度みせてくれないか、縫合できるかどうか検討してよう。」ということで、患者さんがやってきた。左図のごとく、すぽんと孔が開いていた。

いつものとおり、内視鏡で縫い合わせて(成功する縫い方にはこつがある)、便が尿道口から出るのは治った。右図は、縫ってから、23日目の画像である。その後、今日まで78日経過したが、経過良好である。


 

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大腸内視鏡挿入困難例に対する対策。ダブルバルーン大腸内視鏡は役立つか? 

 小腸内視鏡として開発されたダブルバルーン内視鏡は、挿入困難な大腸にも応用できる。そこで、FTS(フジノン東芝システム)から、大腸用のダブルバルーンが開発されている。今週は、その試作機(EC450B15)を借りる機会を得たので、毎年、挿入の難しい症例2例を呼び出して、試してみた。また、たまたま、診察に来た、大腸内視鏡の草分け的名手、新谷弘美先生が、挿入できなかった症例にも、使用してみた。

 

 大腸内視鏡が盲腸、終末回腸まで挿入される率というのは、内視鏡医の技術を評価するひとつの目安である。私の評価基準は95%の挿入率で、初心者終了。98%の挿入率で、並みの大腸内視鏡医、99%で上手な大腸内視鏡医、99.75%で、大腸内視鏡の準名人クラス。99.9%で、大腸内視鏡の名人クラスと考えている。ちなみに、私の最近の挿入率は99.83%ぐらいである。

 

 大腸内視鏡挿入困難な症例は、昔(現在の80~90歳代)は、結核による腹膜癒着症例が多かったが、最近(現在の60~70歳代)は、大概、手術後の癒着による、腸管の不都合な癒着によるものである。その他には、腸管回転異常による、先天性奇形というのもある。

 

 今週集まった、大腸内視鏡挿入困難例は、すべて、術後の癒着症例である。胃癌による胃切除例が一例。この例は、横行結腸の中央部が周囲と強く癒着している。二例目は、3回開腹した症例で、s状結腸と横行結腸と盲腸が広い範囲で癒着している。また、新谷弘美先生が挿入できなかった第3の症例は、s状結腸が長い上に、胆嚢切除を行っていて、横行結腸の右半分と上行結腸が強く癒着していた症例である。

 

 1例目、通常の大腸内視鏡(EC590ZW5)を用いると、例年、ぎりぎり入ったり、入らなかったりであった。盲腸まで挿入されても、癒着のため、スコープが固定されて、観察がかなり障害されていた。この症例は、ダブルバルーン内視鏡を用いても、挿入はきわめて難しかったが、何とか挿入には成功した。観察は、ダブルバルーンのほうがうまくできた印象があった。

 

 また、第2例目は通常内視鏡でも、ほとんど、挿入できていたのだが、かなり時間がかかっていた症例である。ダブルバルーンで挑戦してみたところ、理屈どおりに、すいすいとは進まず。引いての直線化ができないので、結局、オーバーチューブをスライディングチューブのように使用して盲腸まで挿入成功。残念ながら、かなり時間を要した。

 

 最後の、新谷弘美先生挿入断念例であるが、まずは、通常のスコープでトライ。肝わん曲部での癒着が強力。一日多数例を行う忙しい新谷先生が断念したのも理解できた。そこで、件のダブルバルーン大腸内視鏡を使用。しかし、残念ながら、やはり、癒着が強力で、引いても直線化ぜず、腰が弱くてダブルバルーンでは挿入できなかった。

 

 そこで、腰の強いプッシュ式の小腸内視鏡EN410CWを取り出して、挿入を試みた。EN410cwは長い上に、先端周辺の腰が強く、アングル捜査の追随性が優れている。いわば、私の秘蔵の内視鏡である。この挿入困難例でも、アングル操作で、癒着部を見事に突破できた。ちなみに、この小腸内視鏡EN410cwは、FTS社がダブルバルーン小腸内視鏡を開発する前に、私のアドバイスで作成された内視鏡で、私にしか売れなかったようで、世界に一台だけらしい。

 

 大腸内視鏡挿入困難例3例中、2例に成功したものの、ダブルバルーンの操作は煩雑で、手にかかる力も強く、疲れるので、私は好きでない。また、画像も焦点が近接ではなくピットパターンが見えないので嫌いだ。ちなみにEN410CWはピットが見えます。洗練された挿入システムの開発の必要性を痛感した一週間であった。

 

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UEGW(ヨーロッパ消化器週間)2007 in Paris 第三日目 最終日

 朝早く行われた、新しい大腸内視鏡のセッションに参加。内視鏡をカバーして、汚さないシステムが紹介されていた。確かに、洗う手間が省ける。午前中は、NOTESのセッションに参加。腹腔内に入った穴、3-4cm大の穴をどう塞ぐか、いろいろな方法が討論されていた。ヨーロッパには、NOTESトレイニングセンターがあって、そこに、各地の先生が集まって、豚相手に技術が磨かれている。日本にもそういう トレーニングセンターが必要だろう。


 その次は、NBIとかFICE(ヨーロッパではCVCと呼ばれていた)、とか、日本では、多くの聴衆を集めていたテーマのセッションに参加。日本ほど聴衆はいなかった。今回の学会は、NOTESがメインテーマであったようだ。


 午後からは学会上を抜け出して、修復なったベルサイユ宮殿の鏡の間を見学 。2年前、チェコの学会の帰り立ち寄ったら、工事中で見学できなかったリベンジである。鏡の間は 、スペイン人、イタリア人、中国人、韓国人、日本人、などなど、世界各地の人を大勢集めていた。


 内視鏡販売会社の人から聞いた話によると、ヨーロッパは、東ヨーロッパを中心に内視鏡の売り上げも年50%の上昇だそうである。今回別件で訪れたオルレアンでも子供をよく見かけ、1989年のベルリンの壁解消以後始まったヨーロッパの繁栄は、ますます、続きそうと感じた。ルイ14世の時代のような強いヨーロッパが戻ってきそうだ。


改装なった2007年10月31日のベルサイユ宮殿鏡の間

大腸内視鏡挿入時の大腸穿孔事故の回避方法

 先ごろ、知り合いの先生の病院で、大腸内視鏡挿入時の大腸穿孔事故が2件立て続けに起こったそうだ。一例は、S状結腸の大きな憩室を大腸の管腔と勘違いしたのが、原因。また、一例は卵巣部の癒着により挿入が困難な症例であったそうだ。それぞれ、大腸内視鏡を始めて、約500例目の先生と、約1500例目の先生が起こしたそうだ。昨日、その病院に用件があって出向いたとき、知り合いの先生から、どうすれば、大腸内視鏡挿入時の大腸内視鏡穿孔事故を回避できるのかと尋ねられた。

 大腸内視鏡挿入は、簡単な症例もあるが、難しいときは本当に難しい。だいたいベテランの私でも、400例に1例くらいは困難、1000例に1例は超困難と感じる症例がある。難しくなったとき、内視鏡が進まなくなると、内視鏡医師はあせり、いらつく。その感情が理性に勝って、無理な操作をすると穿孔につながる。感情が高ぶると無意識に手に力が入ってしまうものだ。手にかかる力は、作用・反作用の法則で、まさに、腸壁にかかっている力だということを忘れないようにしてほしい。

 内視鏡医師は感情が高ぶったら、それを自覚して認識して、冷静に自己コントロールを図る必要がある。急ぐのをやめ、内視鏡から手を離し、鉗子挿入口を全開にして10分ぐらい休むとよい。お茶でも飲んで気分をかえる。腸管から空気が抜けて、大腸の形が変わり、突然、入りやすくなるということもある。また、体型にあったスコープに代えるのも手だ。やせた人なら、細いスコープに、太った人なら、太いスコープというぐあいに。もちろん、やっぱり、入らないということもある。500例目ぐらいだと、回盲部までの全大腸の挿入率は90ないし95%ぐらい(10ないし20件に1件は入らない)、1500例では、97ないし98%ぐらい(40件に1件くらい入らない)が平均的だから、入りにくいものは無理をせず、それ以上の挿入を諦め る。穴を開けるよりはマシだ。そして、日を変えて再トライするなり、更なる上級者にお願いするのが良いと思う。

 私は、これまで、約4万件の大腸内視鏡検査を行ってきたが、「やさしい操作」と「熱くなったら一休みの精神」を心がけることで、幸いにして、大腸内視鏡挿入時には大腸穿孔を起こしたことはないが、それでも、油断はしていない。

謹賀新年


 ホームぺージの読者の皆様の健康と安全、仕事の発展と子孫の繁栄をお祈り申し上げます。本年もよろしくお願い申し上げます。


今年の干支は、猪です。猪にたっぷりとえさを与えて食用に家禽化したものが、豚です。ちなみに、鴨を家禽化したものがアヒル(この皮のところを食べるのが北京ダック)。雁を家禽化したものが、ガチョウ(十分なえさを与えて太らせて脂肪たっぷりにした肝臓がフォアグラ)です。脂肪摂取量と大腸癌の発生には、正の相関関係が有ります。美食の集団に大腸癌が発生しやすいという疫学的データも数多くあります。ただし、その相関関係はゆるいもので、肥満の人に大腸癌が出やすい傾向があるのは事実ですが、肥満でない人にも大腸癌は出ます。さて、大腸癌死を100%ブロックするにはどうしたらよいのでしょうか?


 現在、企業や地域で広く行われている大腸癌検診は、便潜血反応です。約10年ほど前の厚生省の武藤徹一郎班会議(私もメンバーの一人でした)のデータですが、便潜血を契機に発見した進行大腸癌の5年生存率は約70%、症状を契機に発見した進行大腸癌の5年生存率は約30%でした。ちなみに、進行大腸癌と診断されて、外科に入院してきた患者の便潜血反応の、陽性率は約70%で、約30%は陰性でした。便潜血反応だけでは進行大腸癌でも見逃される場合が約三分の一もあるのです。以上のデータから考えると、100%予防を目指すなら、便潜血による大腸癌検診だけでは不十分といわざるを得ません。現に、私の臨床経験でも、便潜血による検診を受けていたにもかかわらず、進行大腸癌になってしまい、挙句の果てには死んでしまった人が何人もいました。


 一方、定期的に大腸内視鏡を行い、腺腫等の前癌性病変の全切除を行う集団における、進行大腸癌の発生はごくまれです、死亡する例は有りません。こういう事情を考慮して、アメリカ合衆国では、大腸癌を自己責任の病気もしくは自分次第の病気と呼んでいます。 40才以上になったら、症状のないうちに、内視鏡による大腸ドックを受けて、腺腫などの前癌性病変をすべて切除しておくことをお勧めします。「転ばぬ先の杖」・「後悔先に立たず」です。


 100%がん予防を目指したい方は、当院でも内視鏡による大腸癌ドックを行っていますので、メールか電話でお申し込みください。詳しくは無痛消化管ドックのページへ。

欧州消化器病週間・学会報告 その2

 今回は知人のつてもあって、ベルリンに入る前に2006年10月20日から2日間、モスクワに立ち寄った。ついでに、モスクワの国立がんセンターの内視鏡部門を訪れて、大腸内視鏡の技術指導を行った。大腸内視鏡検査のデモを2例行った。がんセンターというだけあって、2例とも進行直腸癌であった。モスクワの医療事情を現地の医師から直接聞いたが、レベルは発展途上国並みの寒さであった。政府が全国の病院に配る内視鏡は未だにファイバースコープなのである。私が行ったがんセンターは、17年前の最新型の電子内視鏡であったが、それでも、ロシア全土から見れば、最高レベルなのだそうだ。しかし、医師の向上意欲は強く、 原油、天然ガスなどの経済力があり、ロシアの医療は早晩、急速に改善をするだろうと感じた。

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見落とされる表面・平坦型癌・腫瘍 

 先週、他の病院で、大腸内視鏡を行い、ポリープが見つかった患者が来院した。患者いわく「便潜血反応で、2回のうち1回が陽性になり、大腸内視鏡をしたところ、痛くて大変だった。終わったら先生から、「ポリープが1個だけS状結腸にあります。日にちを変えて、入院し、もう一度内視鏡をして、ポリープを取りましょう」といわれた。でも、あんなに辛くて痛い内視鏡は二度と嫌だと思い、兄弟から評判を聞いていた私のところに来た。」とのこと。本日、大腸内視鏡検査をしたところ、ポリープは全部で12個以上あり、内一番大きな病変は、横行結腸の、15mmの平坦型腫瘍であった。この事実を知った患者は、「この前の大腸内視鏡検査はいったい何だったのでしょう。怖い話ですね」とコメント。前医は、若い先生だったとのこと。内視鏡の技術が未熟で、落ち着いてじっくりと内視鏡観察ができないレベルなのであろう。大腸内視鏡は、熟練するまで、みっちり2年はかかる。先生によりレベルの差が大きな検査である。実は、このような「腫瘍や癌」見落とし話は、よくある話なのである。5mmぐらいまでなら、罪も軽めだが、10mmを超える腫瘍や癌では罪は重い。命が飛んでしまうこともあろう。大きくても特に平坦型は簡単に見落とされやすい。他院で見落とされた最近の二例の写真を掲載するので、発展途上の先生は特によく勉強していただきたい。

他院の見落とし症例1: 横行結腸20mm表面型早期大腸癌
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他院見落とし症例2: 横行結腸15mm平坦型大腸腫瘍
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私は現在、東京大学腫瘍外科の講師で、学生や初学の医者相手に、内視鏡の講義をしているが、平坦型癌や腫瘍の発見のこつを以下のように述べている。1)腸管を過進展しない。つまり、空気を入れすぎない。 2)色素を散布する。メチレンブルーを大腸全部に散布して見落とさないようにしている。 3)丁寧にみる。 4)前処置をきれいにする。汚れているときは洗いながら行う 5)拡大内視鏡でピットパターンを必ず確認する。


中目黒消化器クリニック ご挨拶

世界トップレベルの完璧な無痛内視鏡検査と
手術をあなたに提供します

The best quality of endoscopic examination and surgery will be given to you

田淵正文院長

Director Dr Masafumi Tabuchi
院長 田渕正文

ex-Associate Professor of Tokyo University
東京大学医学部腫瘍外科講師

20130529日本がん撲滅トラサイ宣言

従来のピットパターン診断、縫合技術に加えて、
新たに核パターン診断と毛細血管パターン診断により 

より精緻で正確でリスクの低い診断と治療をあなたに提供します。(2010年8月)

クリニックの近辺の放射線濃度を知りたいときはここをクリック 
click here to know the radiation level around our clinic

クリニックのある関東平野の風向きを知りたいときはここをクリック 
click here to know the wind direction in the Kantou Plain

〒153-0043 東京都目黒区東山1-10-13    TEL 03-3714-0422

We will give you more definite more safe and more precise endoscopic diagnosis and treatment

with the novel system of nucleus-pattern diagnosis and capillary-pattern diagnosis,

adding to the previous pit-pattern diagnosis system and suturing method. (Aug 2010)



クリニックの案内・地図(ポリープ切除付)無痛内視鏡消化管ドック田渕正文院長の履歴

田淵正文院長の業績 | 消化器疾患について超音波による前立腺がん治療 | E-mail

中目黒消化器クリニックの第2ホームページ | 職員募集 | 20130529日本がん撲滅トラサイ宣言


第1ホームページ



ご挨拶



 高齢化社会、食生活の欧米化等に伴い我国においても大腸癌の発生件数が増大しております。特に女性の死因のトップは大腸癌です。また、潰瘍性大腸炎やクローン病といった大腸疾患も急増しております。

 今までの大腸の内視鏡検査は苦痛を伴うものとされてまいりましたが、1987年に私が開発した内視鏡挿入システム(ストレイト法、別名、無挿気浸水挿入法)クリックすると1994年秋に日本消化器内視鏡学会で教育用に発表した挿入法のビデオの一部を御覧いただけます(画像がうまく出ないときは右クリックで 動画を保存してからご覧ください)ではほとんど痛みがなく無痛で、楽に大腸内視鏡検査が受けられると患者の皆様に大変好評をいただいております。後輩の後小路世士夫君や後藤利夫君、草場元樹君や鈴木雄久君、その他おおくの先生がたが、私からこの方法を学び、いまや大腸内視鏡の名医として活躍されています。その現状をみると、この方法がいかに優れていたかがわかるというものです。 1988年には、フジノンと協力してスコープを開発して、大腸ポリープのピットパターン診断の臨床応用・ルーチン化に世界で始めて成功しました。現在、ピットパターン診断は大腸内視鏡診断に必須のものとして定着しています。

 これまでに(2003年8月現在)約33,000例の内視鏡検査、約2,250個の大腸癌、約127,000個の大腸ポリープを切除してまいりました。これらは1人の医師としては全世界的にもトップレベルと自負しております。また、発見しにくい平坦陥凹型腫瘍を、自ら開発した近接型深焦点深度型高解像電子内視鏡と色素二重染色法を用いて、他院ではあまり発見できなかった時代からずっと多数発見してきました。陥凹型腫瘍が、隆起型腫瘍とは異なる遺伝子変化のパターンを持つことを、1992年に共同研究者と世界で始めて証明しました。また、1994年厚生省からの研究補助金を頂いて、コンピュータによるデータ解析から、陥凹型癌が隆起型癌よりずっとすばやく浸潤することも証明しました。1996年から、破れた腸を内視鏡で縫いあわせる治療を行い、国際的にも大変注目されました。この縫合技術が基礎となって、内視鏡的粘膜剥離術といったかなり危険だった内視鏡手術も安全に施行することができるようになりました。

 さらに、大腸ポリ―プ患者の長年にわたる経過観察から、「大腸に腺腫のできる方は他の臓器にも癌が発生しやすい」こともわかってきました。特に、食道癌、胃癌、肺癌、前立腺癌などは注意が必要です。初期のころは、私は大腸のみ診ていましたが、大腸ポリープ切除後の患者が食道癌や胃癌に倒れる姿を多数みて、7-8年前より、上部消化管にも重点を置き、胃癌予防のためピロリ菌退治や、拡大色素内視鏡による食道癌の早期発見も積極的におこなってきました。上部消化管内視鏡検査は約2万例、ピロリ菌除菌療法は約2500例の経験を積んでいます。1999年ごろに、大腸で磨いた色素二重染色法を食道に応用して、欧米で近年急激に増加したバレット腺癌の早期発見法を開発しました。その方法は、米国のスタンフォード大学のヴァンダム教授やオランダのアムステルダムのティトガット教授により広く紹介されて、現在、国際的に大変注目されています。業績詳細参照

 「楽に検査を行い、正しい治療に至る」という信条より、医療法人を「至楽正会」と名付けました。患者の皆様の不安を少しでも早く、楽に取り除き、癌を予防することが私の使命だと考えております。1例1例十分な時間をかけて、丁寧に内視鏡をおこなってきました。私の指示通りに当院で内視鏡検査をお受けになっている方で、大腸癌、胃癌、食道癌でお亡くなりになった方は1人もいません。皆様の信頼に応えるため、これからも全力をつくしてまいります。ハイレベルで無痛の精密な消化器内視鏡診療をお望みの方は、どうぞ御来院ください。クリニックの案内・地図

 2003年夏には、招かれてチェコとドイツに出かけて、陥凹型大腸腫瘍の見つけ方や、拡大色素内視鏡検査のやり方を教えてきました。関連記事1)関連記事2)関連記事3)。 テレビの出演(61MB約5分)も依頼されて、大腸癌予防には、便潜血反応や内視鏡による検診が重要であることをチェコの皆さんに呼びかけてきました。チェコは食事が脂っぽくて、ヨーロッパの中でもとりわけ、大腸癌の頻度が高く、人口1000万人で、毎年7500人ぐらいの方が大腸癌に苦しめられています。ちなみに、日本は人口12000万人ぐらいで、毎年約8万ないし10万人が大腸癌になり、3万5000人から4万人が大腸癌で死亡しています。 大腸癌は小さなうちに早期発見すれば、内視鏡でとって簡単に治ります。症状が出てからでは死ぬ確率が7割以上になりますので、癌年齢に達している人や、家族に癌のある人は、症状のないうちに内視鏡検査をお受けください。そうすれば、前癌病変のポリープ・腺腫を内視鏡的に切除して、大腸癌死は100%近く予防できます。

 2006年3月から、友人の鈴木誠先生に協力して、泌尿器科、超音波による前立腺がん治療HIFUを始めました。詳細  



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