たぶち まさふみ オフィシャルブログ

日本消化器内視鏡学会指導医 元東大医学部講師による、医療・政治ブログ

たぶちまさふみ

岡山芳泉高校の開校記念アイテムを発見4

     お盆で岡山に帰ってきました。タンスの引き出しから出てきたビックリアイテム

    一期生に配られた「 竹に笹の葉 」の校章が 入った 日本手拭いです。

     母のおかげで、44年4ケ月前にしては 保存状態は良好でした。力強い字体に開校当時の熱い雰囲気が偲ばれます。

    今も進学校として生き残っている岡山芳泉高校。がんばれ 岡山芳泉高校!がんばれ 岡山芳泉高校 卒業生!

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世界初のオリジナルの術式で「内視鏡的」直腸尿道瘻閉鎖術に成功5

   前立腺がんの治療法のひとつに、超音波で「がん」を焼く HIFU という治療法がある。特徴は、切らずに治し、勃起機能が7割以上温存されることだ。その合併症の1つに直腸尿道瘻がある。これはHIFU 100例に1例ぐらいの頻度で発生する。
    7-8年前「内視鏡的」に治そうとしたが、今、一歩で成功しなかった。その後、どうやって それを治すか という課題を 常に意識していた。世界各地の学会に行くと、関連のセッションには 必ず 参加して 新たな方法が発表されていないか チェックしていた。

今回、久しぶりに症例が出てきた。
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直腸尿道瘻の超音波内視鏡像 直径2mmの深い穴が直腸前壁に認められる。


    前回の反省を元に 各種方法を参考にして、新たな方法を考案した。そして、見事に成功。多分、世界で初めてのオリジナルの方法だ。
     本日 2年ぶりに尿道カテーテルが抜けて 患者さんは治癒退院となった。
   おめでとうございます㊗️㊗️㊗️。
   直腸尿道瘻で悩んでいる方は、中目黒消化器クリニック(電話予約03-3714-0422)まで相談に来てください。この新しい方法で、長年悩んでいる直腸尿道瘻が 内視鏡的に治せるかもしれません。

アメリカDDW2018

   今年は主に内視鏡関連の発表を見ました。ルーメンオポージングステントを使った発表が今年の大きな流れでした。ルーメンオポージングステントを使って十二指腸から胆嚢に内視鏡を入れて胆石を取ったり、胃から肝臓に内視鏡を入れて肝内胆管に発生した癌を治療したり、世界中のドクターがこのルーメンオポージングステントを使って、新しい試みを行っていました。ここ数年は、このルーメンオポージングステントの発表が続くと思われます。
   ちなみに. このルーメンオポージングステント日本では今年5月にボストンサイエンティック社から発売されているそうです。今後、日本でもこのような臨床的な試みが広く行われ、内視鏡の活躍の場面がますます広がることと考えられます。
   私が初めてアメリカDDWに来たのは1999年のことでした。1999年、私は「破れた腸管をクリップで縫う技術」を世界で初めて発表しました。当時のアメリカの内視鏡レベルは低くて、何も学ぶ事はありませんでした。 2014年ぐらいまでは、拡大内視鏡やESDなどを開発して、消化器内視鏡の分野では、日本が、世界のトップでした。
    しかし、このルーメンオポージングステントはアメリカが開発したもので、今やアメリカが内視鏡分野でも流れを作ってるといっても過言ではありません。
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  これがルーメンオポージングステントです

不正な減額査定 情報公開で医療を守ろう

平成29年7月22日の28歳男性クローン病の患者さん(TT)の医療について
緊急の下血・下痢・腹痛の患者を治すために行った医療が、症状詳記の質問もなく、大きく減点審査されたのは遺憾だ。下記のような症状詳記を加えて再審査請求を出すことにした。

7月21日に下血と病勢の悪化で来院した、同日に、胃と腸の内視鏡検査を行った。クローン病の悪化で大腸には活動性の縦走潰瘍をみとめた。終末回腸にはアフタ性潰瘍を認めた。さらに、大腸ポリープと食道腫瘍を認めて切除した。出血源は不明瞭であった。7月22日、ロゼワイン状の下血が増悪したため、カプセル型小腸内視鏡と上下の緊急内視鏡を行った。まず、上部消化管検査では、内服していたカプセル内視鏡が胃内に滞留していたので、内視鏡的に小腸に入れた。
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胃体上部後壁に小潰瘍を認めた。潰瘍底から滲むような出血が認められた。Deurafoi 潰瘍と考えて、クリップにて止血した。
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カプセル型小腸内視鏡では、空腸にはび慢性のリング状的な発赤を認めた。
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回腸では、散在性にアフタ性の潰瘍を認めたが、明らかな出血源はなかった。
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大腸内視鏡を行ったところ、直腸には、ロゼワイン色の血液が貯まっていた。
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回盲部にはカプセル内視鏡とダミーカプセルがあった。
前日、大腸ポリープを取ったあとの潰瘍から滲むような出血を認めた。

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クリップを用いて止血した。
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その他、大腸広範に縦走潰瘍を認めて、クローン病の病勢はかなり強かった。
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以上から、胃潰瘍、小腸潰瘍、大腸潰瘍、各場所からの滲むような出血が、下血の原因と判断した。
主な治療は、上部内視鏡による胃の止血術、下部内視鏡による大腸の止血術、クローン病に対するレミケードの点滴だった。これらの治療により、下血・下痢・腹痛は止まり、退院できた。

 以上を決められた通りに、保険請求した結果、下部内視鏡による止血術と、カプセル型小腸内視鏡が理由Cにて減点された。上記の通り、難しい症例をきちんと検査して、きちんと治したのだから、症状詳記も求めずに、問答無用で20万円も査定するのはやめてほしい
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 現行の制度では審査官は無記名で、誰が審査しているのかわからない。担当の審査官の名前は公表すべきだ。以前、国保の審査委員会に担当審査官の名前の公表を請求したところ、「個人的な恨みや犯罪の手がかりになるので発表しない」と回答された。裁判官は実名を公表している。公正なことをしている自信があれば、公表できるはずである。ブラックボックスは許されない。ここにも、情報公開で正すべき、行政制度がある。

 医療保険の審査制度は、私ばかりでなく多くの人たちから、いろいろと問題が指摘されている。

 前月の衆院選で自民党が大勝してから、政府は来年の保険点数の切り下げを宣言しているし、審査委員会は以前は問題にしていなかったような細かなところも指摘してくる。高齢大国というのに、このままでは、病人や高齢者の健康は守れそうにない。
  
 政府は財源不足を、医療費削減、高齢者・病人切り捨ての理由としているが、政府と中央銀行を一体としてみる統合政府という観点からは、政府の財政はここ数年で大きく改善していて、統合政府の借金はかつて1100兆円あったが、ここ数年、日銀が毎月8兆円前後、通貨を市場に投入して国債を回収しまくったので、もう500兆円ぐらいしかないはずである。

 国民のニーズが経済のエネルギーである。超高齢社会を迎えている今の日本では、「健康に暮らす」ということはもっとも大きなニーズである。健康に暮らすことに医療は欠かせない。これを財政悪化という詭弁を用いて、抑制することは、実経済にもマイナスになることが、どうして分からないのだろう。




私が実現したい医療関連政策 その1 がん撲滅


1)がん撲滅

   皆さん ご存じでしょうか?今、日本では、年間100万人もの人々が新たに癌を患い、年間37万 人もの方が癌で死んでいっています。そして、その数は益々増えています。それは、老人が増えているからだけでなく、小林真央さんが若くして乳癌でお亡くなりになったように、若い人も癌で死んでいるのです。がん死亡の平均年齢は66歳です。
   国民が元気でいきいきと、癌で死なずに暮らしていけるように、「がん撲滅」政策をとることこそ、国民の緊急な課題の一つではないでしょうか!

   癌予防政策の柱は、

1)がんに関する啓蒙活動

2)検診体制の合理的強化

3)進行がん治療方法の強化

です。

   健康に関する啓蒙活動をおこない、どういう生活スタイルが 癌になりにくいか広く啓蒙します。そして、がん検診体制の合理的な強化を行います。

   胃癌の原因はピロリ菌だとわかりましたが、今でも胃がん検診は、ピロリ菌を無視した旧態然たるバリウム胃癌検診体制が主流です。この改革をまず行います。

   次に、発癌パピローマウィルスに関する研究を 促進して、適切な子宮がん対策を打ち立てます。

   そして、患者さんが治る技術や新薬も、政府が認めなければ、医師は使えま せん。治る治療は素早く認めて、多くの国民が簡単にアクセスできるように制度改革します。

   最後に大腸がんについて

「ポリープは癌化しない、小さなポリープは癌化しないからほって おいてよい」というのは真実ではありません。この学説に従ってしまった日本では一向に大腸癌死が減りません。この20年で年間当たりの 大腸がん死数は35%増えています。 

一方、アメリカでは、「大腸ポリープは小さくても必ず取る」社会的体制ができているので、 この20年で大腸がん死は半分に減りました。もし、日本がアメリ カと同じような政策制度を取っていれば、 この20年で30‐40万人は死なずに済んだはずです。 

 日本のがん予防対策は 残念ながら もうすでに小池代表のいう 「茹でガエル」「世界のガラパゴス」状態なのです。科学を無視した政策をとり続ければ、日本人の無駄死には続くでしょう。

しがらみにとらわれて、真理を無視してはいけません。
しがらみ政治をなんとか 変えなければなりません。
日本国民を助けなければなりません。

皆さんの一票を国民ファーストの改革保守
「希望の党」にお願いします。

詳しいことは拙書「がんで死なないために」をお読みください。


衆議院選挙東京比例区 出馬への思い


私は、2013年、がん撲滅の志に燃えて、「自民党健康増進支部長」  兼 「自民党がん撲滅専門アドバイザー」に就任しました。それから3年間、二階派に参与として参加して、政治を学んできました。なぜ、そうしたかというと、医療は政治と密接に結びついているこ とを、長年、医療に携わるうちに、身にしみて思い知らされたから です。
この20年、ピロリ菌治療の保険採用が遅れたため、死なずにすん だ約60-70万人が胃癌で死にました。
また、徹底した大腸ポリープ切除方針が1996年から崩れたため、死なずに済ん だ約30-40万人が大腸癌で死にました。
科学的真実を無視した政治は、国民に大変な悲劇をもたらします。詳しくは拙書「がんで死なないために」をご一読ください
「しがらみ政治が日本を悪くしている。このままでは、日本は東洋 の小さな島国になってしまう。情報公開を行い、日本をリセットしましょう」という希望の党 小池百合子代 表の言葉は、私の心に響きました。
みなさん、国民ファーストの「希望の党」を応援してください。どうぞ、よろしくお願い します。



衆議院比例区(東京ブロック)に希望の党から立候補

  このたびの衆議院比例区(東京ブロック)に希望の党から、立候補しました。
2013年から、自民党の健康増進支部長として活動してまいりましたが、思うところあって、今回は希望の党から、立候補しました。
 わたしが政治を志した一番の目的は、「がんを減らすこと・国民の健康を守ること」でした。
   医学が進歩しても、政治的な制度が整わなければ、医師は国民を救うことができません。医学の進歩を国民が広く享受できるように、今の政治の仕組みを整えなければなりません。

  自民党の健康増進支部長として、3年努力してきました。高度な放射線治療を広く安全に行うために、医学物理士の国家資格化を努力しましたが、党内のしがらみに阻まれました。また、先の国会で受動喫煙防止法が可決されませんでした。「たばこ」を守りたい先生方が、国際標準のたばこ政策を阻んだのです。
  さらに、安倍首相が、今回の選挙にあったって、「子供を大切にする財源を老人福祉(医療や年金)の切り捨てに求める」を公言したのは、大変残念でした。子供を大切にするのは大賛成ですが、その財源を老人医療の切り捨てに求めることには、正直 落胆しました。
 「国家の財政は火の車だから、老人を切り捨てろ」というのは、問題があります。まず、第一に、老人は先の大戦から日本を復興した立役者なのです。感謝して大切にすることは人として当たり前のことで、切り捨てるなどという発想はどうかしています。
 また、今、日本の財政は、財務省がいうほど、火の車ではありません。統合政府(政府や日銀などをひとまとめにみる考え方)としてみると、この数年で債権は大きく減少していて、1100兆円から、300兆円ぐらいに減っています。世界の経済成長とリンクすることによって、日本は金融立国として成功しています。 

   ですから、老人を切り捨てる必要はないのです。

「元気になりたい、健康に暮らしたい」という人々の「希望」が少しでも多くかなえられるように、日本をリセットすべきだと思います。

  希望の党代表、小池百合子さんが言うように、しがらみ政治・お友達優先政治を打ち破るべきです。しがらみ政治やお友達優先政治では、日本は国際的に「東洋のちっちゃな島国」になってしまいます。そうならないように、ここでリセットすべきです。


  希望の党を応援してください。

どうぞ、よろしくお願いします。


希望の党 東京比例区候補26位 

たぶち正文

早期胃がん研究会に参加

   今日は 早期胃がん研究会。今年は今のところ 皆勤だ。この会の特徴は、画像が出て診断を当てて行くのだが、有名な先生でも、大きく間違うこともあり、結構厳しい会である。ただ、間違うポイントがわかるので、為になる。
  1例目は、空腸の小腸粘膜下腫瘍NET-G2。2例目は十二指腸のカルチノイド。9月は白壁賞と村上賞の発表月。今年は 愛媛がんセンターの 小腸狭窄における小腸造影の有効性 と 九州の 家族性大腸腺腫症における十二指腸腫瘍について、だった。それぞれの論文のショート講演があった。内容は症例蓄積の手堅いものだった。
    3例目は、胃底腺ポリープの多発する胃に出た胃底腺ポリープから出た早期胃がん。(普通 胃底腺ポリープがあると胃がんは出にくいとされているので、珍しい症例)。4例目は、サルコイドーシスの胃病変。5例目は、40歳代同性愛者「男」の胃梅毒。
   佐久の小山先生が司会。できる先生なので、「サクサク」とこぎみよく会が進行して、今日は大変おもしろかった。

ニューヨーク 行政府の強力 禁煙広告

 タバコの健康被害は 強烈だ。私も長年 内科医として タバコにやられた多くの患者を見て来た。つい先日もタバコと酒で、50才で進行食道がんになった患者さんが、やって来た。物が詰まって、食べられない。内視鏡で拡げて ステント入れてなんとか 食べられるようになった。タバコを吸わなければ、こんなことにはならなかった。

 今回のアメリカ旅行で、一番びっくりしたのは、地下鉄にあったこの広告
行政府のこの姿勢を日本も見習いたい

ニューヨークの禁煙ポスター2



Smoking is an addiction that is eating away at your brain
タバコは、あなたの脳に侵食する中毒です

Medicaid and your health care provider can help you quit
地方自治体や保険組合は、あなたの禁煙を助けます

New York State Department of Health
ニューヨーク州厚生局

  タバコはさきの食道癌だけでなく、肺がん、喉頭がん、咽頭癌、口腔癌、胃癌、膵臓がんなどなどの各種癌の原因となる。また、肺気腫、慢性気管支炎など呼吸器系にも深刻な障害を引き起こす。さらに、心臓にも悪影響があり、心筋梗塞や動脈硬化の増悪因子でもある。タバコなくなれば、医療費が15%下がるという推計もある。
  今、日本は2020年問題を抱えている。団塊の世代の後期高齢世代突入で、2020年から、健康を維持するお金が足らなくなる。

  タバコに今よりも多く課税して、価格を3倍にして、年間約6兆円の財源を生んで、赤字で苦しんでいる保険組合や自治体に分け与えるべきだ。アメリカや中国、それに多くのヨーロッパ諸国はすでにこのような政策をとっている。日本も、この政策を実行してこそ、先進国というものでしょう。

 日本の政治家の中にはタバコを吸っている人が多い。特に、ストレスを抱える出来る政治家はタバコを吸う傾向がある。今、厚労省は塩崎大臣のもと、オリンピックを控えて、分煙活動に一生懸命になっている。素晴らしいことだが、一部の愛煙政治家は反対して、厚労省は苦戦しているようだ。残念なことである。

 日本の行政府もタバコの害とタバコのやめ方をしっかりと国民に伝えるために、地下鉄やバス、鉄道など公共機関に広告を出すべきではないでしょうか?!






シカゴDDW2017に参加

 シカゴで開かれているアメリカ消化器病週間に来て 日本では聴けないような技術や研究を勉強しています。今回は内視鏡を始めた長男と一緒に来ています。アメリカでもESDが広く始まっているようですが、時代はESDからEFTR(内視鏡的全層切除術)と動いているようです。

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 アフリカやアジアの開発と途上国では、B型肝炎が、かつての日本のように蔓延しています。B型肝炎ワクチンは織田敏次教授が40年前に開発しました。開発に成功した時の先生の高揚した講義を思い出しました。
 これらの国々のB型肝炎の撲滅に貢献することは日本の責務だと思います。



また、lumen-apposing-stentを用いた、胆のうと小腸、小腸と胃の吻合術はすごいと思いました。

熊本地震 車中泊のエコノミー症候群の緊急対策 アスピリンや鎮痛剤の内服を! 

熊本では地震後の健康問題として、今、エコノミー症候群が社会問題化している。

地震で傷んだ家に住めなくなって、車中泊している方が、数多くいらっしゃいます。
車中では、ずっと同じ姿勢のため、エコノミー症候群が起きています。同じ姿勢のために
一部の血液が固まってしまうのです。固まった血液が、血管に詰まって、血流が途絶し、
心臓や、脳、肺などの重要臓器をおかして、症状が出ます。
ときには、死にいたることもあります。急に死んでしまいます。

アルコールを飲んでいると血液が固まりやすくなるので要注意です。
タバコも血管が細くなったり傷んだりするのでやめたほうがいいです。

一般には、50代以降の方に多く出ますが、結構、若い30代後半の人にも
でるので要注意です。

緊急の対策としては、アスピリン100mgを一日一回飲むことです。
バッファリンという商品名です。
アスピリンは頭痛薬とか、鎮痛薬とか、生理痛の薬にも含まれています。
成分表示をみてアスピリンと書いてあれば、ミリ数を計算して、量を調整して飲んでください。


手元に、アスピリンが見当たらないときは、普通の鎮痛薬でも構いません。
鎮痛薬は、一般に血液をサラサラにする傾向がありますので、おおざっぱにいって、
とりあえず、鎮痛薬を指定量の半分を飲んでおいてください。緊急避難としての対策です。

薬をもらっている方は、かかりつけのお医者さんによく相談してください。
血液サラサラの薬をもらっている方は、加えて飲む必要はありません。
血液サラサラの薬をもらっていない場合は、緊急避難として、飲んでおいたほうがよいです。
薬の飲み合わせで禁忌になるものは少ないです。
あとで、かかりつけの先生によく相談してください。
血液をサラサラにする薬はさまざまありますので、
体調や生活スタイルに合わせた薬が処方してもらえるはずです。

副作用として、消化管の潰瘍があります。胃が痛くなったり、黒い便が出たりします。
ただ、アスピリンの100mg程度では、激烈な症状が出ることは極めて稀です。
消化性の潰瘍で急死することがほとんどありません。エコノミー症候群では急死することが
稀ならずありますので、車中泊する方は、緊急避難として、血が固まりにくくする薬を飲んだほうがよい
と思います。


緊急時の対策はやはり、普段からの知識の積み重ねが必要です。
私、たぶち正文は、今回の京都3区の補欠選挙に無所属として立候補していますが、
有権者の方々には、個人の資質も考慮して選んでもらいたいと思います。

たぶち正文の外交政策:外交の目標は平和の維持。戦争絶対反対です。

街頭で演説をしたあと、一人の若者が質問に来ました
「タブチノミクス」はわかりました。
ところで、外交政策はどう考えているのですか?
ときかれました。、

以下が私の答えた内容です。


私は、戦争絶対反対です。

その信念は揺らぐことはありません。
300万人もの方の尊い命が犠牲になった
先の戦争は大変悲惨なものでした。

日本の外交は、戦争をせずに、我が国の利益を最大にするように、
他の国とどう折り合いをつけるか、これが大変大事です。

ところで、日本は、なかなか難しい場所に位置しています。
右を向けば、大国アメリカ、
左を向けば、これまた大国になってきた中国
そして上を向けば、ロシア。
世界の3大大国にはさまれています。

アメリカとの間には、日米安保条約があります。
日本の安定と平和のため、これは、今後も堅持する必要があります。

中国は、近年、海洋国家宣言をして、太平洋に乗り出してきました。
我が国との軋轢も生じています。
この問題をどう解決するか?
私は、互いによく話し合って解決すべきだと思います。
ほしいものは何か、譲れるものは何か、互いによく話し合うことが大切です。
中国とは、お隣同士ですので、武力による解決はいけません。
互いになかなか納得できる解決策がないとしても、武力を用いず、
話し合いを続けること、粘り強くしていくことが大切です。

ロシアとの関係も同様だと思います。

ただし、大国に挟まれた中くらいの国として、アメリカと連携して、
「くれば、たたくぞ 」との意気込みと準備は示さなければなりません。
ですから、自衛隊は必要です。
そして、
アメリカが望むなら、不本意ではありますが、仕方なく、地球の裏側に自衛隊を派遣しなければ
ならないこともあるでしょう。しかし、自衛隊の隊員を危険にさらすような
任務は、お断りしなければならないと思います。


外交の目的は平和です。平和を何としても維持しなければなりません。

写真は昨日の夜立ちです。頑張っています。
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高台寺参詣


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3月31日は高台寺を支援者とともに訪問しました。ご住職に京都のさまざまな事情について、2時間もお説教をしていただけました。大変為になりました。桜が咲き始めていて、お庭のしだれ桜はとくに濃い綺麗なピンク色でした。二百万人の戦没者を慰霊する霊山観音さんが温かい一日でした。戦争はいけません。

去年最大のサプライズ 週刊誌(週刊現代)に掲載されたこと 

「先生 載っていたねぇ」とずいぶん多くの方から声をかけられました。わたしは2頁くらいの記事かと思っていたら、なんと8ページもありました。取材料としてヨックモックをいただいたのに、またびっくり。アップしておきます。こんなになるとは知らなかったので、取材をほとんど徹夜明けに受けてしまった。顔も服もよたよたで残念やら恥ずかしいやら・・・・。
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パリでテロ。France vs IS in Paris

  日本時間土曜日の午前5時ごろ、現地時間の13日の金曜日深夜10時ごろ、ネットのニュースがパリのテロを伝えた。現地での報道規制がひかれて、国境が閉鎖され、外出するなという命令がでたらしい。ただ事ではない。2日たって、事態が沈静化し、報道規制が解かれて伝わってきたことは、パリに潜入していたISの組織が、20名~30名程度の部隊を動かして、パリ市内8か所で銃の乱射や自爆といった市民を対象にしたテロ行為を同時多発で行ったということである。132人が死亡して99名が重症、352人の方が負傷した。フランス大統領は、戦争だと宣言した。フランス政府機関は国内のIS組織を根絶するために、今も必死の捜査をしている。
  復讐の連鎖のもと、今回のテロでお亡くなりになったフランスの方々に心からお悔やみを申し上げたい。また一方、同じく復讐の連鎖のもと、祖国と生活を失った亡命難民の方々にも、同情を禁じ得ない。
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   さて、今後どうなるのか?毎日新聞の伝えるところによると、ISはNATO諸国とイスラエルとロシアの空爆で、劣勢となったようだ。弱まったISをクルドの陸軍が追い込んでいる。ISはシリアの国境の町とイラク内の根拠地モスルの隣町も放棄した。
 今トルコで開かれているG20では、イラクとシリアの今後について、アメリカ、ロシア、イギリスの間で、いろいろと話し合われているだろう。「平和への道筋は民族自決と刀狩りである。」 当面は、ISのような極端な集団は軍事的に排除することで一致するだろう。しかし、問題はそのあと。大国がほんとうに、アラブの和平を追求する気があるかどうかだ。
 和平を追求する気なら、テロ根絶・石油利権・アラブ分割・宗派対立・武器消費といったキーワードの中から、イラク分割論、シリア分割論が話題になってくると予想する。つまり、「穏健」スンニ派の国を許すかどうかだ。
 人が殺されるのは嫌いだ。暴力の前に、粘り強く話し合ってほしい。 

第31回 がん撲滅の会 講演会 in 京都

 がん撲滅の会の講演会は、今日で31回目。今回は晩秋の京都にやってきた。SODOHという竹内栖鳳画伯ゆかりのレストランは入り口から花崗岩の岩畳。大きな木の梁をむき出しにして風情のある館だ。お着物でいらっしゃった方も多くいて華やかな会となった。いつもの講演を1時間行った。「いまの日本は一日2500人の方が新たに、がんに罹り、一日1000人の方が癌が体内で爆発してお亡くなりになっている。しかも、罹患する方はうなぎのぼり。この癌爆弾の嵐を逃れるシェルターはあるのか?あるとすればどこにあるのか?・・・・・・」といった調子で、癌の予防策を述べてきた。「わかりやすかった」「知らなかったことがいっぱいあった」「大変勉強になった」と口々に言っていただいき、今回も講演は成功したようだ。
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潰瘍性大腸炎 日常生活の注意事項

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 写真は、潰瘍性大腸炎に使う薬たちです。プレドニゾロンは一錠9.6円、レミケードは1バイアル89536円、アサコールは一錠88.6円です。レミケードは一回に3-5バイアル、2か月に1週程度使います。

 潰瘍性大腸炎とは20歳のころから37年間、患者として、不本意ながらお付き合いしています。25歳からは、医師として、自分自身も含めて、ずいぶん多くの患者さんを診てきました。今日は、普段、潰瘍性大腸炎の患者さんに説明している日常生活の注意事項を紹介します。特に、はじめて発病した方は、「どんなふうに日常を過ごせばいいのか」 分からないかたも多いと思います。独断の事項もありますが、患者さんのご参考になればと思い、列挙します。

#1  からだを冷やさない、厚着をする。
#2  唐辛子をたべない 調味料には唐辛子が入っていないかどうか気をつける。
#3  だいこんとしょうがを食べる。
#4  お酒をのまない。とくにからだの冷えるビールはのまない。
#5  便秘に効くお茶は飲まない。ふつうのお茶をのむように。
#6  食べて悪くなるものは控えるように。食べたものを覚えておけないときは、写真に撮っておきましょう
#7  古くなったり、悪くなったりしたものを食べて、下痢することがないようにしましょう。
#8  風邪をひかないようにしましょう。かぜの治りかけに、潰瘍性大腸炎が悪化します。
#9  ワクチン接種は、いつも見てもらっているお医者さんと相談してきめましょう。
#10 病気が活動期のときは妊娠しにくい。
#11 妊娠すると悪くなるといわれていたが、必ずしもそうではない。
#12 運動は、活動期には激しい運動を控える。
#13 プールには入ってもよいが、ともかくからだを冷やさないように
#14 温泉は問題ない
#15 コーヒーは下痢になるのでやめた方がよい。
#16 なになにしなければならないと考えるのではなくて、なになにしようと考えて行動しよう。
#17 薬は忘れず、まめに飲もう。
#18 外食のカレーは要注意、食べないほうがよい。

世界のレオナルドが、日本のがん撲滅の応援に来ます!

J1鹿島アントラーズ

元ブラジル代表MF(ワールドカップ優勝)

ACmilan背番号10   元インテル・ミラノ監督

そして・・Jクロニクルベストゴール受賞

レ オ ナ ル ド


田淵正文(たぶち まさふみ)

レオナルド顔写真たぶち正文ポスター写真


来 日 共 同 会 見 ・ トークショー の お 知 ら せ

ブラジル代表、J1鹿島アントラーズなどでプレーし、ACミラン、インテル・ミラノで監督も務めた「レオナルド・ナシメント・ジ・アラウージョ」氏が12日、がん撲滅の応援のために来日します。レオナルド自身が展開している「レオナルド基金」と私たち「がん撲滅の会」(理事長 田淵正文)がコラボして、東京都、岡山県、そして第二の故郷でもある茨城県鹿嶋市で、チャリティトークショーなどを展開、「難病克服、がん撲滅」への協力を呼びかけます。レオ自身の近況やサッカーに関する質問も受け付けますので、みなさま、おいでください。



【 記 】

会見日時   10月12日(月)午後2時~ 約30分の予定

         ※会見受付は、午後1時半ごろ~

トークショー日時  10月12日(月)午後3時~午後5時 約2時間の予定

         ※会見受付は、午後1時半ごろ~

お問合せ       一般社団法人「がん撲滅の会」

         東京都目黒区青葉台1-27-10アーベイン青葉台ビル3F

   TEL03-6303-3357  FAX03-6303-3344  Mailinfo@ganbokumetsu.com

担当 はらだ・わたなべ

※会見に参加ご希望をされる報道機関さまは、10日(土)までに ①御社名 ②会見参加人数 ③ご連絡先(TELFAX) ④ご希望、ご要望 などを明記し、FAXにてご連絡ください。




 

会場      ANAインターコンチネンタルホテル東京 
         地下1階プロミネンス No3  東京都港区赤坂1-12-33

会 見 人         レオナルド & 田淵正文(たぶち・まさふみ)

胃癌のリスクを劇的に減らす方法

胃癌のリスクを劇的に減らす方法

<副題 バリウム検診に代わる胃癌撲滅の最新理論と技術>


田淵正文


 近年の日本では、胃がんの発生数は減少してきたとは言え、以前、多くのお方が胃癌でお亡くなりになっている。先日もNさんという53才の女性が胃の痛みで、来院された。上部内視鏡とエコー検査で転移をともなう進行胃癌と判明。手を尽くす暇も体力もなく、わずか3カ月であっという間にお亡くなりになった。内視鏡で見ると、Nさんの胃にはピロリ菌がうようよしていた。ピロリ菌が胃がんの原因と分かった今でも、ピロリ菌退治の体制確立が遅れている。そのため、このような悲劇が毎日約150人、日本の各所で起こっていると思うと、おもわず、涙が出てくる。

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 胃癌のリスクを劇的に減らす方法が開発されている。それは、ピロリ菌退治だ。ピロリ菌退治をすると、退治して3年以上たつと、胃癌の発生率が約8割も減少するという臨床実験結果が、10数年前から全国の多数の研究施設から報告されているのだ。一方、ピロリ菌に一度も感染したことがない人には胃癌が発生しないという衝撃的な研究結果も複数の施設から報告されている。日本全国で毎年約5万人~5万5千人の死亡者がでる胃癌、その罹患者数を激減させる道筋が明らかになってきた。


 さて、ピロリ菌とは何か?どういう生態なのか?


ピロリ菌は胃の中で繁殖する細菌である。胃の中というと、胃酸がある。胃は塩酸を分泌し。その酸の濃度はPH1~2ときわめて強酸である。したがって、胃の中ではどんな細菌も死滅するだろうと考えられてきた。事実、大腸菌、ビフィズス菌など、ほとんどの細菌は、強酸の分泌する胃のなかで生きてはいけない。


ところが、1983年、胃の中で繁殖し、胃炎を引き起こす細菌がオーストラリアで発見された。発見者はマーシャル先生とウォーレン先生(後の2005年この功績でお二人はノーベル賞を受賞)。胃の出口のことを、ラテン語でピロリということから、この細菌は「ピロリ菌」と命名された。調べてみると、このピロリ菌、ウレアーゼという酵素を持っていて自らアンモニアを産生して、胃酸を中和するという特殊能力をもっていた。そのため、強酸の胃の中で生きて繁殖していけるのだ。逆に、酸性の環境以外では、自ら産生するアンモニアのため、繁殖できない。生物にとって、アンモニアは猛毒だからだ。


ピロリ菌の生態や感染経路は、どうなっているのか?胃の中で繁殖したピロリ菌は、消化管の動きに沿って、便の中に出てくる。注意深く観察すると、ピロリ菌は酸のないところでは、栄養型の竹トンボのような形から、球形のコッコイド型に変態する。調べてみると、このコッコイド型のピロリ菌は増殖せず、じっとしていて、半永久的に感染力を持っていた。いわば、ピロリ菌の卵状態であった。


日本では人糞を長年肥料として土にばらまいてきた歴史がある。つまり、日本の土の中には、卵状態のピロリ菌がいる。この卵状態のピロリ菌が何かの拍子に間違えて口から胃に入ると、人はピロリ菌に感染するのだ。ピロリ菌の感染源は土である。


意識的に土を食べる人はいない。だが、土と接するハエやゴキブリのからだの表面には、ピロリ菌が証明されている。だから、ハエやゴキブリが触れた食材を知らず知らずに食べるとピロリ菌に感染する。土のついた野菜などの食材をそのまま口にすると、これまた、ピロリ菌に感染する。土と接する井戸水などもあやしい。ただ、ありがたいことに、このピロリ菌、熱に弱く煮沸すると感染力はなくなる。

ピロリ菌がガンを引き起こすメカニズムの解明も進んでいる。ピロリ菌の持続性の感染により、慢性胃炎がおこり、炎症の持続によって、胃の細胞に遺伝子異常が蓄積されて、ガンが発生しやすくなる。さらに、ピロリ菌には、D因子という膜に孔をあける4量体の蛋白を合成する遺伝子があり、この遺伝子のコピー数が多いピロリ菌ほど、がんを惹起させることも報告されている。

今、このピロリ菌にどのくらいの人が感染しているのか?ピロリ菌の感染率は年代によってちがう。土に接触する機会の多かったお年寄りの方ほど、感染率は高い。おおざっぱにいって、年齢マイナス10%くらいの感染率だ。たとえば、30歳なら20%ぐらい、40歳なら30%ぐらい、50歳なら40%ぐらいだ。

では、ピロリ菌に感染しているのかいないのか、どうやって調べるのか?血液テスト、便テスト、呼気テスト、内視鏡検査などで診断できる。2013年2月からは、内視鏡検査で陽性と認められた場合、社会保険でピロリ菌退治もできるようになったので、治療も考えれば、現時点では、内視鏡検査が妥当かもしれない。

それでは、ピロリ菌、どうやって退治するか? PPIという胃酸を強力に抑制する薬と酸の環境でも活性のある抗生剤2種類を1週間飲むことで、ピロリ菌は約90%除菌できる。それで、退治できない人でも、別の抗生剤の組み合わせで、ほとんどが退治できる。しかし、先に述べたように、ピロリ菌のいる食材を食べていると、すぐに再感染するので、見掛け上なかなか退治できないので、要注意だ。

現段階では、よく勉強して最新知識をもっている、内視鏡検査の上手な消化器内科の先生に相談してみるのが、ピロリ菌退治の最短コースだ。


さて、一方、現行の胃癌検診といえばバリウム検査だ。実は、このバリウム検診、1994年にWHOが全世界に向けて「禁止勧告」を出していて、現況では、胃癌のバリウム検診は、日本以外では1カ国も実施されていない。それは、放射線被曝により受診者の約2%に遅発性のがんが発生するからである。現に、この検査をずっと続けているわが国では、近年、悪性リンパ腫などの血液系のがん発生数は、ウナギ登りで、40年前は年間7500人程度であったものが、今や年間約4万人と激増しているのである。

1994年、WHOは「人口の約8%前後が胃癌に罹患する日本では、かりに2%ぐらいの人が遅発性に発癌したとしても、他に方法がない現状では、日本に限り、バリウム検診は容認される。」としていた。

しかし、「ピロリ菌退治をすると、胃癌の発生率が約8割減少」し、「ピロリ菌に一度も感染したことがない人には胃癌が発生しない」という研究結果が医学界の常識となった現在、WHOの勧告は一層重いものとなっている。もはや、従来のごとく、バリウム検診が続くとは考えられない。現行の胃癌のバリウム検診体制は早晩廃止され、ピロリ菌除菌を中心とした検診予防体制が確立されるであろう。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

甘利明 健康・医療戦略大臣に 胃がん検診の改革とピロリ菌予防法の策定を進言

 11月初旬、相模台病院の山上松義会長のお計らいで、甘利明先生との会食の機会があり、1時間半にわたり、胃がん検診の改革とピロリ菌予防法の策定の重要性を進言した。来年度の胃がん検診は、バリウム検診からハイリスク検診へ、学問的によりまともなものに改革されるだろう。
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荒川区長、西川太一郎先生の医療費適正化の御講演を聴く

 東京のここ2-3日は寒くて12月中旬の寒さだが、暖かい部屋で食べるアイスクリームはまた格別。

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 今週は11月13日の木曜日、定例の志帥会で、医療費適正化に関しての荒川区の取り組みとその成果について、西川太一郎荒川区長のご講演があった。

#1 ジェネリックの医薬の促進(区から患者へ電話や手紙で勧誘)
#2 糖尿病患者への栄養士・保健士による直接の生活食事指導(糖尿病から透析となり、医療費が増える)
#3 複数の同系統・医療機関の掛け持ち受診者へ、保健士の派遣して、受信先をひとつにするように勧める。

 レセプトが電子化されて、患者データが簡単に手に入り集計できるようになったことで、個別に
これらの取りくみがどれくらい効果があるかすぐにわかるそうだ。誰がどういう治療を受けているか、
簡単にわかるからである。

#2、#3については、病気を減らして医療費適正化ということで、異論のないところである。

さて #1についてであるが、
荒川区の実績から、#1を全国に広めると、年間1600億円の医療費が浮くという。「国会議員の皆さんも、それぞれの選挙区での財政再建のためには、これらの策を参考にしてください」とおっしゃった。

#1について、ご講演の中でも述べておられたが、医薬品業界を中心に若干の異論もある。講演は15分と時間の制約があったので、そのあたりの事情を詳しく述べておられなかった。その辺を少し補足したいと思う。

 近年の薬の開発は国際競争が大変熾烈で、いまや日本勢は劣勢である。ここ10数年、抗体医薬品の開発に遅れて、今年の抗体医薬品の輸入額は約1.8兆円前後になっている。節約した1600億円が研究開発費の元手だったとしたら・・・・・。見掛け上の成功が、長期的には自分たちの経済を弱めている可能性がある。「収縮均衡」つまりは「デフレ」。この10数年日本経済が直面してきた問題だ。

 区の予算だけ見ていると「医療費適正化」は議論の余地のない「錦の御旗」だが、国全体からみると景気、経済の点でなかなか微妙な問題がある。区の赤字は、東京都からの支援もある。(東京都は黒字団体)
ジェネリック化の徹底をあまり激しくやらないことにも、次世代への投資としての「理あり」というわけである。

 TPP交渉では、フローマン(アメリカ交渉代表)は特許期間25年を主張して譲らない。日本の医薬品特許は15年。つまりジェネリック薬は日本では15年目から作れる。しかも、医薬品の値段は厚労省が決めている。すべては政治問題・・・・。病気が治るように、経済が冷え込まないようにしたいものだ。

 高齢化社会の日本で、医療はGDPの15%程度。今後ますます増加すると予想される。医療は単に医療というだけでなく、成長戦略の一環としての4本目の矢なのですから・・・・。

西川荒川区長志帥会講演資料20141113
 




食道がん術後、難治性食道狭窄患者 治療費の強烈な査定で、クリニックは医療崩壊寸前

 以前のこのブログで、食道がん手術の後、吻合部が離開して、線維性狭窄をきたした症例を2例 紹介した。
http://tabuchimasafumi.doorblog.jp/tag/%E9%9B%A3%E6%B2%BB%E6%80%A7%E9%A3%9F%E9%81%93%E7%99%8C 後輩が勤務する大病院で手術したあと、胃と頚部食道の吻合部がかい離、線維性狭窄をきたした2例である。
  
 バルーン治療でも一切治らず、食事がまったくできなくなってIVH管理。再手術など癒着が厳しくてとてもできない。すっかり困り果て、後輩は、私なら何とかしてくれるのではないかということで2人の患者を送り込んできた。1人は6cm、1人は2cmの完全線維化狭窄。私の得意の内視鏡で何とかならないかというわけだ。

 ともに、周囲の大動脈などの重要血管に当たらないように注意深く、APCで食道トンネルをほった。そして、カバーステントを留置して、なんとか治療に成功。ふたりとも、飲めもするし食べることもできるようになった。2人とも多いに感謝してくれた。(ここらあたりまでは、以前のブログに書いた。)


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2回目に駆け込んできたときの深夜の緊急内視鏡像。狭窄部は直径約1mm-1.5mmで水もほとんど飲めない状態。



 しかし、吻合部狭窄を起こすのは血流が十分回復して来ないことが主因と言われている。バルーンで十分拡張しても、留置ステントが脱落すればい10日で狭窄となった。しかし、他によい方法が報告されていなかったので、ステント脱落と留置を繰り返しながらも、上皮の張るのを根気強く待った。結果、6cmの方はかなり良くなった。一年弱、ステントなしでも食事が満足に通過するようになったのである。
 
 一方、2cmのほうは、ステントが簡単に落ちてしまうので、上皮がなかなか張ってこず治療が長引いていた。食道狭窄拡張とステント留置を何度も繰り返した。狭窄症状は食べ物が詰まったりすると急激に出現してしてくる。よって、緊急内視鏡検査を実施して、適応ありと判断して深夜の緊急の手術となることが多い。飲めない食べられないとなると、深夜でも、スタッフ集めて緊急内視鏡だ。

 2cmの狭窄だった人は本年4月に、2週間開けて、2度の狭窄発作をおこした。よって深夜に二連のバルーン拡張とステント留置術を行って規定通り約75万円を請求したのであるが、半年経って、昨日レセプト査定内容がかえってきた。深夜加算と2連目の拡張術はすべて認められず、約75万円の請求が50万円の減額処分をうけて約25万円しか認められなかった。がっくり。

 バルーン拡張は一連のものは1回しか請求できないというルールがあるので、それを適応したらしいが、査定には詳しい理由の記載はない。4月の場合は、一度改善して退院。その後再び悪くなっているので、この二つの手術は一連ではない。その辺の事情は請求書に書いたのに・・・・・・。バルーンは、一本12万円前後ステントは10万円ぐらいで、原則使い捨て。スタッフのことを考えると、はっきり赤字だ。

 うちの30年来のスタッフは、「こんなに苦労して、寝る間も削って治しているのに、こんな査定を受けるなんて、とんでもないわ、もうやってられない」と怒り心頭に達している。

「「詰まった。飲めない・食べれない。」と患者が駆け込んできても、もう、うちでは治せないと治療拒否しましょう。」

 彼女がいなくなると私も1人では内視鏡ができないので、「まあまあ」となだめているが、経済的にも精神的にも医療崩壊だ。国保の査定の先生の責任は重大だ。

 国保の審査委員に皆さん、担当者が目黒区医師会の方か、東京都本部の方かどなたかは存じ上げませんが、現場で必死で頑張っている医療スタッフの足を引っ張らないでください。

 ところで、ちなみに、今年の5月アメリカのDDWで、食道がん術後の難治性の食道狭窄の治療のセッションに参加。全世界でこの問題に直面している医師が集まっての会合た。ディスカッションの中で、ステント留置の秘法を聞いてきた。6月にその方法を行って以来、2cmの方のステントは簡単に落ちなくなった

 食道がん術後の難治性の食道狭窄にお困りの方は、保険の適否は別として、治せるかもしれませんので、ご相談ください。

 (学会参加の旅行がまるで紀行文みたいという影の声がありましたが、学会にもちゃんと出ていますよ、タケシさん)


 
 

 



ビッグデータと医療

本日、NHKでビッグデータと医療という番組をしていた。
「患者を救う大革命」と銘打って以下の題材を紹介していた。

#1 新生児の感染兆候を酸素飽和度と脈拍で知るーアメリカ 
#2 インフルエンザの流行をyahooの検索ワードで知るー日本
#3 前立腺手術と在院日数は「痛み」の解決がポイントー日本
#4 病棟の転倒予防対策:病棟ごとに危険時間帯のちがいがあり、職員の配置の工夫を ー日本
#5 喘息と発作の場所と原因チェック:吸引器を使用した場所と時間ーアメリカ
#6 P53制御たんぱくnek2の発見(プログラムによる論文検索による)-アメリカ

正確なデータがたくさん集まるという点で、評価できる。
#1、#5は特によい成果と言える。
#6も よい。
#3も 悪くない。
しかし、#4はいまいち。転倒しない対策が、ベッドを離れたのを、手すりに設置した感知器で察知して
ナースステーションのベルが鳴って、看護士が部屋に走り、倒れるのを防ぐというシステムだ。
それが、消化器病棟と脳卒中病棟で違いがあるから・・・・・人の配置をかえればよい。
ちょっと、いまいち。
工夫と知恵、たくさんあるからわかるんだということだけではない。



第22回JDDW2014神戸に参加・・・・胃がん検診はバリウムか内視鏡か?

 ヨーロッパの学会から、とんぼ返りして、木曜日からjddw2014神戸に参加。
胃がん検診に興味を持っているメディアが、私の本「私は<ガンで亡くなる方の2人に1人は救える!>と考えています」を読んで、共鳴して、学会場に私を取材に来た。
jddw2014-10-24interview

胃がん検診について、厚労省は「胃2重造影レントゲン検査」が標準検査と言っているが、
それに疑問に思っている専門家の医師は多い。私だけではない。

 いくつかの理由がある。
第一は、内視鏡検査は「胃2重造影レントゲンバリウム検査」の5倍くらい胃癌が発見できる。
第二は、レントゲン被曝により、20年ぐらいすると、被験者の2%ぐらいが癌になる。
第三は、胃癌の原因はピロリ菌と判明しているので、早期発見に努めるよりも、原因の除去をした方がよい。
第四は、バリウム検査で飲んだバリウムが腸でかたまって、腸閉塞となり、毎年約20名くらいの人が緊急手術を受けている。さらに毎年約2名は固まったバリウムで腸が破れて死んでいる。

 これに対して、行政側(国立がん研究センターの検診担当者)は、
第一に、内視鏡による胃がん検診には、胃がんを減らすという研究結果がない。研究結果がないのに内視鏡検査を胃癌検診の方法として採用できない。
第二に、内視鏡検診の行うには、それを行う医師が必要で、医師を確保するのは大変だ。
第三に、今の検診の主役の放射線技師の仕事がなくなる!
などなど・・・・・・

 しかし、いくつもの研究で、早期胃がんの発見率は、胃2重造影レントゲンバリウム検査に比べて、内視鏡検査のほうが数倍高い。(ちなみに、この学会の発表でPL検診センターからは両者は同等であるという発表が唯一あった。PL検診センターの内視鏡担当のアルバイトの先生方は東京で一番安い時給で働かされていて、モチベーションが低いという内情があるらしい。保険組合から検診を取るために検診単価ダンピングをしている・・・・)

 だから、今更、バリウムか内視鏡かどちらが人助けになるか?RCTしましょうというのは、倫理委員会を通るような内容ではないのである。

 バリウム検診で2%の人が癌になっているということは、WHOが1994年にすでに指摘されている。被曝の害は決して軽いものではない。日本人の大衆には知らされていないが、日本以外で胃がん検診を行っている国はないのである。
 お城のような立派なお部屋に座って、「死亡診断書を書いたことがない」人には、現場のことが分からないのだ。早期発見に失敗すれば、文字通り、胃がなくなり、ときには命がなくなる。そして本人も家族もほんとに悩み悲しむ。それを、日々目の当たりにしている我々は、「内視鏡検査をしているとき戦争しているのだ」という実感がある。しかし、お城の中にいる方には、それがないらしい。あるいは、よくわかっているのだが、新しいことをするのは面倒というお役人根性・・・・・?

 この30年の学問の成果から、わたしが考える胃癌対策は、「国民総ピロリ菌除菌」。そして、既往や家族歴そしてペプシノーゲンによってハイリスク集団の絞り込みをしたうえで、内視鏡検診をするという策である。

uegwに参加、ヨーロッパの大腸がん検診ーチェコの大腸がん死亡者率が減少した

ヨーロッパ諸国でも大腸がん検診が行政レベルで行われている。
お国柄によって、少しずつ異なるところがおもしろい。

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ところで、チェコのデータをみていると、検診行ったことで12.4%の大腸がん患者が救われたと報告していた。これにより大腸がん死亡率の点でチェコはヨーロッパ第3位から第9位まで改善していた。
実は2003年に、チェコのオストラバという行政区から、平坦陥凹型大腸がんと大腸内視鏡検査の講演に招かれたことがあり、それ以降、チョコの大腸内視鏡レベルはかなり改善して今回の数字に結びついたと、チェコの内視鏡学会長のオンドレイさんに感謝された。

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UEGW2014に参加

1998年以来毎年、UEGWに参加している。今回は17回目の参加。ウィーンは3回か4回目。
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日本発のESDはヨーロッパの国々でも定着しつつあるようで、日本以外からのESDのポスター展示も多い。
日本も、うかうかしてはいられない。ただ拡大観察・超拡大観察は日本人しかやっていなかった。アメリカやドイツではコンフォーカルレーザー内視鏡による拡大観察が主流。
富士フィルムがCMOSを搭載した600シリーズをヨーロッパで発売したとか、武田製薬がIBDに対する新しい分子標的薬剤をヨーロッパ先行で発売したとか。海外に出なければ聞こえてこない情報も多い。
ところで、スペインの先生が進行膵臓がんの治療で、3年生存率が50%ぐらいという治療法を紹介していた?!
夕方の富士フィルムのサテライトシンポで、オランダとフランスの先生からBLIによる早期バレット癌のいい写真を多数見せてもらった。さすが、バレット癌の本場、ヨーロッパ。

アブダビ訪問(2)

 エミレーツパレスホテルに宿泊。総大理石張りの宮殿作りである。6年半前にきたときは日本設計の方に案内されてきたのであるが、その時見た様子となにかちがっていた。部屋に入って、ホテル紹介のビデオを見ていて気がついた。照明が落とされているのである。だから、天井の模様が暗くくすんでしか見えないのだ。6年半前はホテル名に「ケンピンスキー」などとはいっていなかったのに、今は「ケンピンスキー」とはいっている。どうも、経営方針が変わったらしい。
 昔は7つ星といっていたが、今は5つ星 

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 プライベートの砂浜は広大約3-4kmある。ラクダに乗れたり、クルーザーで海遊びもできる。ただ、ヨーロッパとアラブの人以外はあまりお呼びではないらしく、ホテルのプロモーションバングの最後に「ヨーロッパとアラブの方々のために・・」とのコメントが数秒流れる。その経営方針に沿ってかどうかわからないが、139個あるテレビ番組には日本語の番組はなかった。(ちなみに中国語番組と韓国語はあった。)。

 また、テレビ(サムスン)のコントローラー(サードパーティ製?)が粗悪品で、すぐに、バグる。ハウスキーピングを呼ぶとふたを開けて、電池を抜いて初めから、指令2-3回でまたバグる・・・・。また電池を入れなおす。ハウスキーパーによると新しいものに順次変換している最中とのこと・・・・。やっぱり日本人は悪い部屋へか・・・・。

 ただ、この日はアブダビの王族とヨルダンの王族の結婚式のため、イーストウイングがすべて貸切であったとか。運の悪い日にきたものだ。エミレーツパレスホテルはヨーロッパの人が海遊びにくるための海辺の豪華なホテルといったところか、

 プライベートビーチと広い庭だけは、他のホテルには真似のできない素晴らしさがあった。

アブダビ訪問(1)

 レンタカーでアブダビからドバイまで約130km砂漠の道を走った。6年半前に比べて、砂漠の中にぽつぽつと建物が多くなっていた。39度の炎天下で、シェイクザイードビンスルタンモスク(別名シェイクザイードグランドモスク)に立ち寄る。

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 旅行ガイドにはシェイクザイードグランドモスクと書いてあるが、現地のカーナビには前者の名前ではいっているので要注意です。おかげでカーナビのセットに丸1時間もかかってしまいました。セットできた時はモスクまであと10km。シェイクザイードビンスルタンモスクは、大変大きく、世界一の広さを誇るモスクです。6年半前は周りの造りが一部工事中でしたが、今回はもう完全に出来上がっていました。真っ白の大きなモスクが雲ひとつない青い空に突き立っています。
 39度の炎天下に駐車して、黒いアバヤをかぶりモスクの中へ、中央広場を突っ切って靴を履き替え、冷房の利いたモスクへはいる、同行した家族は内装のすばらしさに感動して、「世界でこんなきれいで美しいなところ見たことがない」と何度もコメント。世界一大きな絨毯ペルシャ絨毯、真っ白な天然大理石に施した螺鈿細工、直径10m、高さ15mぐらいのシャンデリア・・・・。

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 6年半を経て、モスクの外は少し埃の付いているところもありました。柱の金が少し彩度を落としている点や螺鈿細工の朱色がやや暗い色になっていました。しかし、モスクの中は、もう何十万回も踏まれているはずの絨毯を始め、すべてが6年半の前と同じでした。

6月15日の講演会「ガンで死なないために」をyou-tubeにアップしました

6月15日の講演会「ガンで死なないために」のビデオを
you-tubeにアップしました。ご興味のある方は、
お時間があるときに、ご覧ください。

はじめの52分
https://www.youtube.com/watch?v=MbA854sf-kw
次の52分

https://www.youtube.com/watch?v=-Ew4FMCARTI
最後の16分
https://www.youtube.com/watch?v=s3LtDgHzAwc

福島原発事故の原因


 昨日、銀座の細川さんの演説を聞いていて、ちょっと疑問に思ったことがある。
「福島原発事故の原因がわからないまま、再稼働するなんて言語道断・・・・」
福島原発事故の原因はほんとうに分かっていないのであろうか?

 
 福島原発と同じく、地震と津波に襲われながらも、大事故を起こさなかった原発がある。
女川原発である。なにが女川原発と福島原発の運命を分けたのか?

 東北の電気設備の会社の社長がたまたま、私の患者として、長年、私のクリニックに
通院している。彼に、この疑問を投げかけたところ、答えはすらすらと出てきた。

 原発は電源を喪失すると今回のようなメルトダウンという大事故にまでも結び付く。
電源を喪失しないことが大切なのだが、電源装置というのは重くて地下に置かざるを得ない。
昔、原発を造るにあたって、東北の科学者が、津波の恐れを、東北電力と東京電力に告げた。

 彼曰く、「このくらいの高さ(13m)まで津波が襲ってくる危険性がある。
電源装置が水につかれば大事故を引き起こす。(まさに、今回福島原発で起こったこと)
盛り土をして非常用電源装置を造ってほしい。」と

 さて、東北電力は、その意見をいれて、盛り土をして女川原発を造った。
しかし、東京電力はその意見を無視して、むしろ地盤を切り崩して、福島原発を造った。
それが今回の結果の違いに現れたという。今回の大地震で、女川原発では、地盤沈下を
起こしたため、津波にあとわずか50cmの高さまで迫られたが、あらかじめ、
盛り土をしていたおかげで、浸水せず、わずかに、電源喪失を免れた。
かたや、福島原発は科学者の意見を無視していたため、電源装置が水につかって機能しなくなり、
大事故となった。

 電設会社の社長は一息に説明した。

 科学を無視したこと、これが福島原発事故の本当の原因である。
権力者は、人の世を支配できるため、ときに、自然の法則すら変えられるのだと錯覚する。
昔の東京電力の経営者の方々の不遜な精神構造が、原発事故の本当の原因である。
文系の方々には、自然の法則を尊重してほしいものだ。

 ちなみに、津波の高さを指摘した科学者のお墓には、いまや、感謝の献花、お花が
絶えないそうである。

 

早期胃がん研究会の新年会

 今日は、早期胃がん研究会の勉強会と新年会であった。場所は、東京商工会議所4階ホール。
 初めに、早期胃がん協会の吉田操先生のあいさつがあった。「今年は白壁彦夫先生がお亡くなりになって、はや20年になりました。(壇上の右スライドには白壁先生の50才頃のお顔)。今日は雪が降るとの予想で、大変に心配していたのですが、我々の行いがよいのか、雪は振らずに済みました。・・・・」
 私は晩年の10年しか知らないが、白壁先生の思い出といえば、「食道の早期がんをバリウム二重造影で、どうとらえるか」というテーマを持っていらっしゃったことだ。食道にチューブを入れてバリウム量を調整して、ねかせて、ぐるぐるまわしして、やっとみえるという話をしておられた。
 逆に言うと、それだけのことをしないと、食道早期癌はみつからないということだ。バリウムは食道早期がん発見に無力ということだ。
 ところで、今日は、症例検討は3例だった。
 一例は、大腸がんのtub1とtub2のちがいを拡大観察でわかるという秋田日赤の発表であった。そこまでわかるのかと驚いた。今後の展開が気になるところだ。
 あとは、7階に登って宴会となった。
 先輩の三木先生や昭和の工藤先生、片山先生、広島の田中先生、佐久の小山先生、女子医の中村先生などと会話をした。三木先生はわたしのがん対策の本を読んでくださっていた。小山先生はオリンパスの新型の290・・はいまいちの出来らしく、酷評していた。昔に比べると、オリンパスはよく見えるようになったなーと思っていただけに、自分の思いのレベルを反省した。
 いまや、拡大観察は、勉強会でも、診断の中心であり、もっとよく見たいという気持ちが、小山先生には負けていたようだ。

 

第20回 UEGW(アムステルダム)に参加 

 今回のUEGWは、消化管の内視鏡の分野では、日本勢の大活躍であった。ESDをはじめとした内視鏡治療技術と、拡大観察とIEE(NBI)を中心とした診断技術の教育の場といっても過言ではなかった。ヨーロッパが日本を上回っていたのは、confocal endoscopy の分野ぐらいであった。


 しかし、2003年に開発されて、かつて一世を風靡したダブルバルーンの話はすでになく、医療は日進月歩であることを再認識させられた。中国や韓国の先生方からも未来のありそうな発表があった。ヨーロッパの人々も優秀な人々なので、今回の教育内容に、4-5年で追い付いてくるであろう。日本勢も一層の研鑽して真に患者を救う技術を開発して、知識と知恵を積み重ねていかねばならない。



 アムステルダムの町は、ドバイと比べると、たばこ臭く、麻薬臭く、薄汚くいやな感じであるが、人は多く、栄光と衰退を繰り返したポテンシャルのある町だった。しかし、水路の水位は高く、北海とは大きな堤防で隔離されているとはいえ、今や海抜ー7mなのだそうだ。


クリニックの案内・地図
(ポリープ切除付)無痛内視鏡消化管ドック田渕正文院長の履歴

田淵正文院長の業績消化器疾患について超音波による前立腺がん治療:HIFU | E-mail |

中目黒消化器クリニックの第2ホームページ| 職員募集

日本癌学会学術総会 札幌で開催される 

 学会に参加するときは、クリニックを休んでしまうので、前後は忙しくなる。20日からの参加予定であったので、少しでも緩和しようと、19日は水曜日であったが、振り替えでクリニックを開いたところ、なぜか、新患も急患も多く、加えて、スタッフの急病で、結局、朝までかかって徹夜となった。こんなときは、学会に行っても間違いなく、寝てしまうので、参加しても無駄なのであるが、時々起きて、話が聞けることもある。しかし、やはり情けない。飛行機もホテルも予約していたので、朝6:10の朝一の飛行機に乗って、札幌に出かけた。飛行機は座ってから降りる直前まで、寝ていたようで、離陸も着陸も覚えていない。


 今回の学会は参加登録4500名、演題約3000台。20日の昼には、James P. Allison先生の抗CTLA-4抗体(ipilibmab)による悪性黒色腫の治療の話を聞いた。2-3年前から注目されている治療法で、今回は、抗CTLA-4抗体(ipilibmab)に、IVAXを加えて治療すると、悪性黒色腫の治療成績が飛躍的に改善するという話であった。ものの見事に消えた肺転移巣画像を見せてもらった。この薬を使えば、これまで効果がほとんどなかった癌免疫治療も新たなる時代に入りそうだ。


 20日の昼からは、シンポジウム「癌研究と社会」を聞く。分子標的薬剤関係の研究費は他国に比べてアメリカは莫大で、開発された新薬はたいていアメリカ系資本で、高価で日本の貿易赤字の原因となり始めている。先の抗CTLA-4抗体(ipilibmab)はFDAで承認されたが、1クール12万ドル、今の為替で、約950万円とか。目もくらむ金額である。この高価な薬、日本にはまだ入ってきていない。


 このような事態を背景に、中村祐輔先生が、日本発の抗ガン剤、日本の利益という観点をかなり強く訴えていた。たしかに、日本の学者にもいい種が多くあるので、なんとか、国内で薬が開発できないものかと思う。結局は日本国民が新規 の実験台になることを嫌がれば、日本国内開発は難しいであろう。時代は動き、今日の新しいものは、明日の古いものとなる。効きにくい薬はより効く薬に負ける。実験台という言葉は刺激的であるが、次の時代を切り開くためには、国民の意識改革も大切だと思う。


 ただ、癌克服は人類の夢なので、日本だろうとアメリカであろうと、また、別の第3国であろうと誰が開発してもいいのではないだろうか。貿易収支の問題は、別の分野でアメリカや他国に売れるものがあれば、それでいいのだから。


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米国DDW サンディエゴで開催される 

 5/19午後0:00に学会場に到着。ポスター、主に工藤進英教授の教室の一連のポスター発表を見て、4:00から
New Technology for the Therapeutic Endoscopy
に参加したところで、珍事は起きた。これまで何回も、いろんな国で学会には出ていたが、こんなことは初めての出来事であった。最後から2人目のプレゼンター(Endoscopic Visualization of the Entire Small Intestine in 27 Consecutive Patient Using Novel Motorized Spiral Endoscope | 285 |  Paul A. Akerman)が螺旋型小腸内視鏡を発表を初めて5分ぐらいのとき、がっしりとした感じのアフリカ系アメリカ人(真黒な黒人)が、演台につかつかと歩み寄って発表者に何やらぶつぶつと迫った。ちょうど、新しくバージョンアップした螺旋型の内視鏡を人体に初めて適用した結果を述べているときだったので、その実験台にされてトラブルが起きたのかととも思った。そして、Akermanがアフリカ系アメリカ人(真黒な黒人)に対して「yes」と言ったかと思うと 、黒い人はよくわからない英語で演説を始めた。すぐに若い白人の女性のスタッフが駆け付けたが、演説は3-4分続いた。若い白人の女性のスタッフはアフリカ系アメリカ人を興奮させないように注意しながら、「出て行きましょう」と促していた。しかし、アフリカ系黒人はその場にとどまり、ついに、「もう時間がありません。私は90ドル払わなければ、牢屋に入れられる。」この言葉を何回も繰り返しはじめた。


 物乞いだったのだ。


 次の発表者(Gastrointestinal Tissue Sampling With Endoscopically Deployed and Retrieved Sub-Millimeter Wireless Microtools 5:00 | 286 | )  Florin M. Selaru1が、いくらか渡した。かえると思いきや、さらに数分粘った。結局それ以上暴れなかったので、警察も呼ばれず、終わったが、セッションの時間が短くなって、2人の演題の質問と討論の時間が省略された。日本でもアメリカでもヨーロッパでも、中国でもタイでも韓国でも台湾でもチェコでもロシアでも、こんなことはなかった。ちなみに、サンディエゴの町には物乞いがあふれていた。アメリカはプロテスタントの国(労働で生きる国)とおもっていたが、カトリック的な国(施しで生きる国)に変貌しているようだ。


 ちなみに、螺旋形内視鏡は、バージョンアップして、ドライブ部分をモーターにして分離していた。約半分の症例で、平均20-30分でほぼすべての小腸が観察できたと報告していた。発表に誇大がなければ、現在のバルーン小腸内視鏡は半分見るにも90分ぐらいかかるので、ひょっとすると螺旋形小腸内視鏡は今のバルーン型小腸内視鏡を凌駕するかもしれない。

 

 5/20 今日から企業の展示ブースが開いた。アメリカでも Fujinon の名前が消えて、今年は、Fuji Film となっていた。1998年に私が撮ったEC485ZWによる色素拡大内視鏡の写真が今年もブースに使われていた。当時の担当者は誰も残っていないけれど、この2枚の写真、よっぽど気に入られているようだ。クリスタルバイオレットとメチレンブルーの二重染色であるのだが、この画像当時は何を意味するのかよくわからなかった。しかし、今の目で見ると、腺管の形や核層の厚さが明瞭に観察され、間質に浸潤している白血球と思われる細胞の核も明瞭に見えている。また、焦点深度が今のEC590zwシリーズより深いので、全体的な拡大観察にも成功している。たしかに素晴らしい画像だ。


 ちなみに、画素数は85万画素(画像解析で130万画素表示)で史上最大の画素数を搭載した内視鏡であった。14年前は記録媒体も乏しく、この画像と動画を残すのに、画像を4台のコンピューターに分けて記録し、さらに再合成をするという手間がかかった。プロセッサーの処理能力は当時は低かったので、画像は15秒に一こま。したがって、ちらついて、臨床的には辛かった。この内視鏡があまり売れなくて、当時のM社長が突然解任されて、このスコープの次もなくなったのであるが、最近のプロセッサーで見るとちらつきもとれていて、すばらしい絵が出る。

 

 5/21 10:00からのAGA Presidential Plenary に参加。冒頭のPresident's Announcement (by Prof C. Richard Boland) を聞いていると、アメリカで行われている医療改革に、現場の医師は反対のようである。会場の大画面に氷山に向かうタイタニック号のスライドを表示しながら、Prof C. Richard Boland会長は「医療は危機に向かっている。この改革は涙なしでは語れない。危機に向かっている中で、われわれは一致団結しなければならない。団結してわれわれの意見をワシントンに届けよう。」と訴えていた。


 また、同じPresidential Plenaryセッション How will we prevent colorectal cancer in the future  において、Prof Dennis J. Ahnen はここ20年ぐらい、アメリカでは大腸癌の死亡者数は減ったが、これは、われわれが大腸内視鏡を行いポリープをとってきたからだと述べた。


いいニュースです。(つべこべいわないで)私たちがすること(大腸内視鏡検査)はよくみえるでしょう。


 確かに、このスライドは説得力がある。1975年にくらべて2010年では大腸癌の訂正死亡率は約半分となっている。また、大腸内視鏡によるスクリーニングの実施割合が、対象年齢のなんと65%もあるのだ。スクリーニング法として、日本ではずっと便潜血が採用されてきた。国立癌研究センターの疫学部門のお偉いさんは、免疫学的便潜血反応の開発者で、この間も日本の学会で大腸内視鏡検査は大腸癌死亡者数を減らすには無効で、大腸癌死亡者数を減らすには便潜血しかないようなことを言っていたが、彼はこういうデータをまったく勉強していないのであろうか。


 私は、便潜血陰性なのに進行大腸癌で死んだ人や便潜血反応が陽性となって大腸癌が見つかったが病状が進み過ぎていて、死んだ人々を何人も見てきた。私は1996年の厚生省の班会議のメンバーの一人であったが、その時、既に便潜血反応の限界は指摘されていたはずだ。大腸内視鏡検査にもっと重きを置いていれば、日本の大腸がんの死亡者数も今の半分になっていただろうと思われる。二万人/年×20年÷2=二十万人。これが、政策間違いによる大腸癌死亡者数のおおよその数字である。

「ポリープ(平坦陥凹型腫瘍も含む)を取れば大腸癌は発生しない。」「大腸ポリープ(平坦陥凹型腫瘍も含む)をすべて取るべきだ。」


 この理念を捨てて、私に社会的圧力を加え始めたときに、厚生労働省の役人は二十万人を密かに殺しはじめていたのだ。このことが、このアメリカのデータをみれば、明らかにわかる。世界に冠たる医療体制と、野田首相は胸を張る。しかし、「癌の罹患者が65万人で死亡者が34~35万人」という日本の現実は、とても世界に冠たるなどという言葉は使えず、知識と知恵に基づいた、不断の改善努力を迫っているのである。

 

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日本消化器病学会 東京 に参加 

 シカゴから中一日の移動日を置いて、13日から新宿の京王ホテルで、日本の消化器病学会が開かれた。3月11日の大震災の影響で、日本医学会、日本内科学会、日本外科学会、日本消化器内視鏡学会が、それぞれ、中止、中止、紙上開催、延期となる中で、日本消化器病学会は、会長の慶応大学教授日比先生の「こんな時こそ科学的に勉強することは大切」という強い意向で開催された。他の学会が開始されなかった影響もあるのか、約8000人にも及ぶ参加者で、近年では一番の参加人数であったという。私は炎症性腸疾患のセッションを中心に参加したが、抗TNFα抗体が話題の中心であった。2005-6年ごろのアメリカDDWと同じような内容であった。アメリカに遅れること約6年、日本でも、クローン病のトップダウン治療が市民権を得たようだ。


 日比先生の意気に応じたなかなか良い学会であった。


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病気腎移植について

 病気の腎臓を移植して、腎不全透析患者を救った万波先生が、非難されている。患者を救うのが医師の使命であるから、私は、患者を救った万波先生を非難するのは間違いだと思う。

  病気の腎臓が、レシピー(移植された側の患者)にとって、どれほど有害なのか、関連学会は、今後しっかり検討してみる必要があろう。移植しなければ死んでしまう腎不全患者と、ゴミ箱に捨てられる腎臓を目の前にして、移植の達人が、社会的にも生物学的にも崩れていく患者を救おうとして、成功した医療行為を、手続違反という理由だけで、非難すべきではない。非難すれば、医師自らの使命と倫理の放棄になろう。病気腎でも人が助かることがあるという事実を重く受け止め、その適応と限界を研究することこそ、関連学会に、今、求められている課題ではないだろうか。

あるある大辞典 ねつ造 発覚

2007年1月7日放映のあるある大辞典「納豆ダイエット」がねつ造であったことが発覚した。本日の毎日新聞の朝刊を見ると、

「関西テレビ(大阪市北区)は20日、今月7日にフジテレビ系で全国放送したテレビ番組「発掘!あるある大事典2」で、事実とは異なる内容が含まれていたと発表した。「納豆を食べるとダイエットができる」との内容だったが、研究者のコメントや被験者の検査データをねつ造していた。同テレビは社内に調査委員会を設け、原因の究明を行うとともに過去の放送分についても検証を行い、番組を継続するかどうかを含めて検討する。また、21日に放送予定だった同番組は、テーマは納豆ではないが、別の番組に差し替え、冒頭で一連の経緯を説明する。」

とある。

 昨年2月、あるある大辞典の番組制作に協力を依頼されたときに、発表するにしては、症例数が少なすぎることを指摘していた。いい加減な取り組みの姿勢に、不快感を覚えたものである。クロロフィル投与で毒素が追い出されるという番組のテーマであった。私へのミッションは小腸組織の採取であった。小腸の内視鏡を行ってみると、クロロフィル投与した人の小腸のほうが、投与していない人の小腸よりも荒れていたのである。症例数がどちらも1例ずつで、実験の名に値しないものであったが、番組では、さも命題が証明されたかのように述べられていた。誇張し過ぎである。

 いま、マスコミに放映されている、健康補助食品の効果も、その多くは眉唾である。きっちりと科学的に実証されていないにもかかわらず、商品を売ろうとして、お題目を垂れ流す姿勢は、社会に大きな害悪をもたらす。黒酢やLG21の広告も怪しい。

木場のレインボーFMのラジオ番組に出演、トラサイ宣言を行った

 日本では、がんに対して適切な予防対策が取られていません。ここ25年間の医学の進歩が、日本においては、がんの予防・がん撲滅政策に反映されていません。ために、無駄に死んでいる人が年間十数万人もいます。これは、死んでいく人たちや家族の 苦しみや悲しみも勿論ですが、その経済的・社会的被害が日本を弱くしていることも見過ごせません。新たな医学の進歩を日本政府のがん予防・がん撲滅政策に反映させるため、政治の世界に参加して、「日本を取り戻す」決意をしました。科学の正しい知識を広め、議論して、政策に生かし、がん予防・がん撲滅を正しく行い、日本を明るく楽しい凛とした国にしようと思います。




ラジオ番組を撮影した動画は下記をクリックしてご覧いただけます




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中目黒消化器クリニックの第2ホームページ| 職員募集| 20130529日本がん撲滅トラサイ宣言

娘の指摘 強力ステロイド剤の使い方

 私の長女は去年から、医師をしていて、今は研修の2年目である。昨夜、久しぶりに一緒に食事をしたとき、ステロイド軟膏の話になり、唇にでているアトピーに対して、私がまずは初めに強力な「デルモベート」を塗るのがいいのではないかといったところ、娘曰く「唇や脇の下、粘膜はステロイドの吸収が普通の皮膚の場所よりも10倍おおいので、最強のステロイド剤はよくない!」と反論された。それもそーかなとその場ではそれ以上言わなかったが、一般に炎症が起こっているときは、粘膜でも皮膚でも、腸管でも、薬剤の吸収は悪くなる。やはり、短期間の強力ステロイド軟膏からでいいように思いますが、いかかでしょうか。

 

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2例続いたランブル鞭毛虫症(ジアルジア症) 

 本年に入って、2例のランブル鞭毛虫症を経験した。いずれも、主訴は慢性の下痢。下痢の顕微鏡観察にて診断した。両者とも海外渡航歴はなく、30歳代の男性である。これまで30年間の臨床経験でも、一例も経験しなかったのに、なぜか、今年になり2例も経験した。どうしてだろうか?


 ものの本によると、ランブル鞭毛虫症は、水系感染するという。最近、群馬のある地域で水系感染があったらしい。保健所に電話で問い合わせたら、都庁まで話が広がり、都庁の水道局から電話がきた。上水では、虫なしとのこと。途中で混入しているのであろうか?2011年3月の大地震でインフラが弱っているのかもしれない。


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安倍首相 成長戦略 Medical Excellence Japan メディカル・エクセレンス・ジャパンに中目黒消化器クリニックが載った!  

 昨年の12月に安倍内閣が発足した。安倍首相は安定感のある政治手法と思いきった経済運営で、高い支持率が続いている。4月12日から4月14日までの内閣支持率は読売新聞74%、NNN 65%、時事 63% 朝日新聞 60%で、安倍内閣は高い支持率が続いている。その安倍首相は4月19日に3本の矢の最後、成長戦略の第1段について、日本記者クラブで講演した。


首相、成長戦略「経済外交スタートさせる」
2013/4/19 15:43


 安倍晋三首相は19日午後の日本記者クラブでの講演で、成長戦略に関して海外展開の重要性を挙げ「アジア・太平洋、欧州などとの経済連携交渉を積極的に進めていく」と強調した。「インフラや制度に関わるビジネスは首脳外交がものをいう世界だ。いよいよ経済外交をスタートさせる」との考えを示した。そのうえで「近くロシアと中東を訪問し、食文化、エネルギー、医療システムなど幅広い分野で、トップセールスで海外展開の動きを本格化させる」と述べた。

 特に医療分野については「新興諸国では生活水準が上がるにつれて感染症からガンや脳卒中などの生活習慣病へと疾病傾向が変化している。日本の高い技術の出番だ」と説明。医療機器メーカーや医療機関と連携し、新たな体制「メディカル・エクセレンス・ジャパン」を立ち上げると明らかにした。〔日経QUICKニュース(NQN)〕


 このメディカル・エクセレンス・ジャパンは、海外に「日本のお勧め医療」を紹介して行くことを目的としている。そこに私の無痛拡大内視鏡・核診断が載っている。我がクリニックの食道がん・胃がん・大腸がんの検診システムが、「日本のお勧め医療の一つ」として、評価されたのである。海外の方たちだけでなく、日本の方々も、どうか、この内視鏡診療(検診システム)のサービスをお受けになって、消化管のがんを予防してください。


メディカル・エクセレンス・ジャパンのホームページはこちら


中目黒消化器クリニックの紹介ページは 英語版 中国語版 ロシア語版 日本語訳

 

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女優 坂口良子さん(57歳)大腸癌で逝く

 女優、坂口良子さんが27日午前3時40分に横行結腸がん(大腸がん)による肺炎のため、死去した。57歳だった。美人で明るい女優さんであったが、大腸癌で死ぬとは、何ともかわいそうである。症状のないうちに、内視鏡検査さえ受けていれば、こんなことにはならなかった。大腸がんの予防には、大腸内視鏡によるポリープ切除が効果抜群である。国をあげての検診体制の拡充が求められている。


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第99回日本消化器病学会総会(鹿児島)に参加  

 第99回日本消化器病学会総会は、2013年3月21日から3日間、鹿児島の城山観光ホテルと鹿児島県民交流センターで開催されている。今回の会長は、鹿児島大学の坪内博仁先生、HGF(肝細胞増殖因子)の発見者で有名な先生である。午前6:10分羽田発鹿児島行きの飛行機に乗って、会場には9:20に到着した。快晴で、暖かく、桜も3分咲きであった。城山観光ホテルからは、桜島もきれいに見えた。



 初日と2日目は、だいたい、第一会場にいた。

 特別企画「未来につなぐ消化器病学」・・・・・・・・渡辺守先生の大腸腺管底の幹細胞の培養の成功は今後につながりそうだ。、


 理事長講演「日本消化器病学会の使命、新たな法人制度の発足にあたって」演者(菅野健太郎)・・・政府の法人制度の見直しの一環として、今回、本学会は一般財団法人となった経緯と理由を説明。・・・・しかし、夕方の評議員会で紹介された執行評議員の中には、外部の人がいなかったような・・・・



夕方、評議員会の様子。演台には理事の面々が並んだ。


 招請講演「今後の難病対策の方向性(学会との連携を目指してー」演者(金光一瑛)・・・・・卒後10年程度の若い演者、内容は難病援助制度の維持、管理、とくに審査の点で、学会に協力してほしい」といったもの。東大卒、三井記念病院で心臓外科医6年した後に厚生労働省入局と座長の千葉先生に紹介されていたので、もしかすると、私の講義を聞いたことがある先生かも・・・ 、


 予算削減の目的で認定を厳しくしようというのは、理解できるが、果して国レベルで行うことなのであろうか?ちなみに、東京都では、この2-3年、難病認定の更新時や新規申請時には、診断のキーとなる所見の写真の提出を求められている。

特別講演「新しい手技の開発、確立、普及に必要な考え方」演者(山本博徳)・・・・・ダブルバルーン小腸内視鏡の開発の経緯をもとに、いろいろと話していた。よく知っている先生で、同時代を生きてきたので、「あの時はそうかそういうことだったか」と結構おもしろかった。


 特別講演「福島原発事故と県民健康管理調査事業」演者(山下俊一)・・・・・2011.3.11の東日本大震災とその後の福島原発事故による福島県民の被爆量を自然放射線の被爆量と対比すると、放射線障害はないだろうとコメント。甲状腺チェックは不要だと述べていた。講演をきくと確かに先生のいうとおりのような気がする。震災と原発事故対策も進めながら見直していく点が多々ありそうだ。


 特別講演「iPS細胞技術が可能にする新しい医療」演者(中光啓光)・・・・・・いっぱいの聴衆でした。

特別講演「C型慢性肝炎治療の変遷ー全症例の治癒を目指してー」演者(熊田博光)・・・・・・いままでのお話のおさらいであったが、夜のすし屋で、同級生の持田教授のひとこと「C型肝炎ウィルスはもうすぐ飲み薬で治るようになる、今後、肝臓の医者は脂肪肝がメインとなっていくであろう」 ・・・・・・・・


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大腸病変の発見能力は 医師による差が存在する 

★症例1 79才男性


 昨年の終わりころに、約10年前に退職して田舎へ帰った患者さんが連絡をとってきた。退職前には、彼曰く「先生に大腸癌を1987年に内視鏡で切除してもらって以来、私は毎年一回、先生の大腸内視鏡検査を受けて、ポリープを取ってもらっていた。しかし、田舎に帰って、10年間くらい、地元の先生に腸の検査を毎年ずっと受けていたのだが、ずっとポリープがないと言われている。私はそれが不思議でならない。今年は、先生に是非見てもらいたい。」


 そこで、12月中旬、大腸内視鏡検査を行ったところ、大きな病変はなかったが、5つの病変が見つかった。病変はいずれも4mm以下の小病変であった。それらをすべて、治療を兼ねて、全切除して病理組織をしらべたところ、腺腫は2つあった。腺管が鋸歯状変化した化生性ポリープは2つあった。


左は右の拡大内視鏡像、核所見はタイプ2、一部タイプ3も認められる。病理結果は中等度異型管状腺腫



★症例2 71才男性

 
 これも昨年の暮れ、ある男性がお尻の穴がはれたといって来院。前処置なしで、そのまま内視鏡を実施したところ、血栓性の痔核と直腸・S状結腸に多数の小ポリープが認められた。そして、それ以外に、出血性の粘膜を直腸S状結腸移行部に認めた。これは、前処置を行ってきちんと見る必要がある。検査を終えてすぐに、「前処置をして内視鏡検査をうけたほうがよい。」と私が説明したところ、患者さんは「某大学で毎年、大腸内視鏡検査を受けていて、つい先月も受けたばかりなので、したくない。」と反論した。しかし、診察室で、内視鏡写真を見せながら、何回か理路整然と説明したところ、「受けたい。」と意見が変わった。


 前処置をして、大腸内視鏡検査を行ったところ、一目で癌とわかる病変を直腸S状結腸移行部に認めた。超音波内視鏡検査の所見は、sm層は全層、腫瘍と置換していて、mp層も腫大している。深達度mpと判断。内視鏡治療を断念して、開腹手術にまわった。


 これらの見落としの実害はどの程度なのか?簡単に言うと、症例1は軽く、命にかかわるのは3年で5%くらい。症例2は重く、命にかかわるのは現時点で100%である。


 ポリープの癌化率はいろいろと議論がある。1996年、私は大腸腺腫の癌化率は毎年約1.3%ぐらいと計算した。(詳細は私の1996年の胃と腸の論文を見てください) また、化生性ポリープ(腺管の鋸歯状変化のある過形成状態)の癌化についてであるが、かつてはないと考えられていたが、β-RAFの活性化が近年確認されて以降、化生性ポリープを前がん病変と認識する研究者もふえている。しかし、その癌化率について、計算された論文はないが、私なりに、腺腫と同程度もしくは半分くらいと予想している。以上より、症例1で見つかった毎年の癌化率は約4%で、癌が浸潤し始めるまでを癌が出来てから平均2年と考えると、実害の可能性は、上のような計算になる。すると、今回の切除は無駄だったかというと、そうではない。同じような人が20人いたら、そのうち1人は、 1-2年後には、症例2のようになったということなのだから。


 各医療機関では、毎日、何例も大腸内視鏡検査をしている。もし、5mm以下のポリープ取らなくてよいとしていると、このくらいのリスクが生じているのである。


 症例2は、この病変がなぜ見落とされたかだが、長年の経験をもとに原因を類推すると、以下のようなことが考えられる。

まずは、


1.直腸からS状結腸に移る内側のひだ裏は、見逃しやすい。内視鏡をした医師がこのことを知らないか、あまり気にしていなかった。


2.空気を入れすぎて観察していた。空気が多すぎると死角ができやすい。


3.また、小さなポリープはみなくていいとする考えが荒っぽい内視鏡検査につながった。


4.さらに、5時までに終えなければならないとする大学病院の体制が、医師を焦らせてしまった。


5.検査医がビギナーで経験・技量が不十分であった。


時間を十分取らない検査は、なにか、見落とすものなのである。大腸内視鏡検査は簡単ではないので、初学の人には、良き指導者が必要であろう。


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今年の新規癌罹患数の推計値85万人! 

 厚生労働省管轄の独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センターのデータを見ると、近年、癌の新規罹患人数はうなぎ上りに増えている。


 罹患数は、2000年は53万2233人、2001年は56万0694人、2002年は57万0598人、2003年は62万0011人、2004年は62万3275人、2005年は64万6802人、2006年は66万4398人、2007年は、70万4090人と発表されている。ちなみに1975年は20万6702人、1980年は25万1041人、1985年は33万1485人、1990年は40万1941人、1995年は47万3770年、2000年は53万2233人となっている。


 2000年代の年平均増加数は、年に2万4551人。2007年以降2012年まで、同様の勢いで増えていると仮定すると、2013年の新規癌罹患数は、なんと85万1396人と推定される。


 一方、癌による死亡者数は、2000年29万5484人、2005年32万5941人、2010年35万3499人、2011年は35万7305人と発表されている。


 罹患数の増加の割に死亡者数はあまり増えていない。しかし、2013年の癌の罹患数は、既に85万人という驚くべき推定値を示した。


 新年早々、いやな推計値が出てきたものだ。癌戦争の戦費を節約し、国の経済を助けるためにも、癌の予防の重要性がますます重要になってきた。


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謹賀新年。今年は皆様に幸多き年になりますよう、お祈り申し上げます。


2012年12月29日の午前中に高度約10km・北北東から見た富士山の図です。


年末に発足した、安倍政権は経済再生・経済復活を掲げている。私も全面的に賛成だ。世界第二位の経済大国の復活を目指すべきだ。そこで、世界第二位にちなんで、去年、たまたまドバイから帰る道すがら飛行機から撮れていたエベレストに次ぐ世界第二の山、K2峰の写真を掲載します。



2012年10月、パミール高原上空高度約12kmからに見たK2峰と形と位置から推定される峰 。左奥に見えるのはもしかすると約1200km離れたエベレスト??


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将棋の米長邦雄さん 前立腺癌で逝く。69才。新規癌患者数毎年70万人の日本。 

 将棋の米長邦雄元名人が、前立腺癌で、12月18日お亡くなりになりました。心から、ご冥福をお祈りします。


 私の趣味は将棋で、中学高校ころは、大会で何回か優勝して、賞品を自転車の荷台にどっさり積んで家に凱旋して、将棋の棋士を夢見たこともあった。 大学時代は東大将棋部で2度全国優勝し,大将を務めたこともある。21歳と30歳の時、東大将棋部OB戦で2度優勝している。


 1970年(もしかしたら1969年)、私が小学6年生(1969年なら小学5年生)の時、米長さんは七段でNHKの将棋講座の担当をしていた。番組で、米長七段は四間飛車やぶりの講義をしていた。その内容の一部が、大山名人 著の「将棋は四間飛車」と異なっていた。問題点は山田定跡で5四歩とついた形での、3五歩の仕掛けの成否である。大山名人の著書では仕掛け無理と書いてあったのに、米長七段はテレビで仕掛けありと言ったのである。小学生の私は疑問に思い、NHKに投書した。 1週後にその手紙がアナウンサーの手で取り上げられた。アナウンサーは「この間の仕掛けのことで、こんな投書が小学生から来ています。」といって米長七段に手紙を見せた。米長七段は、手紙を一瞥し「ほう、よく勉強していますね。ははははー」とけむに巻いて話は終わった。米長七段が間違っていたのである。


 米長七段はその後、昇段し大活躍した。私は大学生時代、氏の著書「米長の将棋」を愛読した。大学生の時の大山名人との王将戦における勝負、五〇歳名人になった中原名人との闘 いは、特に印象に残っている。


 今、米長さんの関連のサイトを読んでいると、性豪であった米長さんはそれが出来なくなるのを嫌がって前立腺の切除手術を拒否したと書いてあった。それなら、 「HIFU」という手があったのに・・・・。HIFUでは7-8割はそれが維持される。米長先生はご存じであったのであろうか?


 先の歌舞伎の中村勘三郎さんといい、この米長邦雄さんといい、癌で死ぬ有名人が多いが、実は、今の日本では、毎年約70万人(2007年)が癌になり、35万人が癌で死んでいるのである。 今や、日本は「癌戦争」の時代に突入しているのである。


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歌舞伎俳優の中村勘三郎さん死去 57歳



2012.12.5 06:51   中村勘三郎さん=平成22年10月2日、大阪市中央区の大阪城公園(沢野貴信撮影) 
 

 江戸時代の芝居小屋を再現した「平成中村座」など歌舞伎界に新風を吹き込み、テレビや映画、現代演劇などでも活躍した人気歌舞伎俳優、中村勘三郎(本名・波野哲明=なみの・のりあき)さんが5日午前2時33分、急性呼吸窮迫症候群のため東京都文京区の病院で死去した。57歳だった。葬儀・告別式は未定。

 勘三郎さんは平成24年6月、食道がんを公表。7月に摘出手術をし、回復が伝えられたが、抗がん剤治療などにより免疫力が低下、肺炎を患い、重篤な状態が続いていた。
 

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第20回 UEGW(アムステルダム)に参加前にドバイに立ち寄る 

 今月は学会が続く。アムステルダムへは、かつてJALやANAの直行便があったが、今はない。KLMの直行便があるだけだ。ANAのパイロットさんから聞いた話であるが、北極圏は地球の磁気のせいで、放射線被爆が強いらしい。ということで、ちょっと遠いが、別の目的もあり、南回りのドバイ経由でアムステルダムに行くことにした。


 ドバイで2日ストップオーバーして、ドバイの医療事情の視察を行った。4年半前に、大学連合で、日本の病院をドバイに作ろうという話が持ち上がり、ドバイを視察していたからだ。その後どうなっているか、見に行ったわけである。ハーバード大学資本の病院はちゃんと出来ていて、それなりに患者もいたが、個別の医療モールは、空きが目立った。患者もちらほらであった。医療モールは苦戦中と見受けられた。やはり、病院が必要とされているのだ。ちなみに、日本の大学連合の病院は、2008年のリーマンショックで完全に立ち消えになっている。来れば、それなりに、うまくいっていたような印象を受けた。

 

 ドバイは、パームジュメイラも、メトロも、世界一の高さ828mのブルジュハリファ(ブルジュとはアラビア語で「塔」の意味)も、出来上がっていた。周囲はさらにビル開発が続いていた。しかし、塔に上り遠くを見ると町のすぐ先は、広大な砂漠であった。

 

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第20回 日本消化器病週間(神戸)に参加 

 10月10日初日から学会に参加。


 2日目の山中先生の講演は、ノーべル賞受賞の発表を受けて、マスコミとか政府とかいろいろの事柄の対応に忙しく、代講となった。


 代講といえども大ホールは満員。山中教授はビデオでお詫び出演。顔には笑顔がなく、声も硬いものであった。


 さて、代講は、彼の教室の教授の一人、青井貴之教授。京都大学消化器内科の千葉勉教授の紹介で、4-5年前に、私が山中教授の研究室を見学に行ったときに対応してくれたさわやかな好青年、京大の消化器内科出身の若い先生で、まだ、39歳か38歳である。9日に山中教授から代講の話があったそうである。わずか2日前!しかし、講演は素晴らしくわかりやすかった。



 開発当初のiPS細胞には、腫瘍源性が強かったが、c-mycをL-mycにしたところ、腫瘍源性は消失した。また、レトロウィルスを使わなくても、DNAに因子を組み込まなくても、iPS細胞は誘導されたこと、また、サルに細胞を入れていることなど、その後の進展について、よくわかる講演であった。


 これを使って、病気をどう治すのか?臓器は作れるのか?個体としての若返りはできるのか?延命は?老人からiPS細胞をつくって、身体に戻したら、老化により喪失した機能はとりもどせるのか?


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