たぶち まさふみ オフィシャルブログ

日本消化器内視鏡学会指導医 元東大医学部講師による、医療・政治ブログ

たばこ

私が実現したい医療関連政策 その2 タバコ政策の国際標準化

1)タバコ政策の国際標準化 


タバコ税は、国の一般財源になるのではなく、財務省の特別会計に 入るのをご存じだったでしょうか。
財務官僚は、タバコ関係の企業に天下りしています。
このような「しがらみ政治」のために、タバコ政策は、国際基準と は大きくかけ離れて遅れているのが日本の現状です。  これを、国民ファーストの制度に改めます。
まず、受動喫煙防止法案を国会で可決成立して、受動喫煙を日本から追放 します。
タバコによる健康被害は、医療費の約15%(日本では約6兆円) です。
今は、これを国民がみんなで負担していますが、これをタバコを吸った人が負担する制度に改革します。
たとえば、タバコ税を上げて1箱1200円にして、増えた増収分 (年間約5兆円の試算)を、赤字を抱える地方自治体の国保会計に配る制度を作って、地方自治体の国保財政の改善をはかります。

10月4日都議会では、都民ファースト 公明党などの賛成により、受動喫煙防止条例が可決されました。
都民ファーストの会荒木代表とたぶち

ニューヨーク 行政府の強力 禁煙広告

 タバコの健康被害は 強烈だ。私も長年 内科医として タバコにやられた多くの患者を見て来た。つい先日もタバコと酒で、50才で進行食道がんになった患者さんが、やって来た。物が詰まって、食べられない。内視鏡で拡げて ステント入れてなんとか 食べられるようになった。タバコを吸わなければ、こんなことにはならなかった。

 今回のアメリカ旅行で、一番びっくりしたのは、地下鉄にあったこの広告
行政府のこの姿勢を日本も見習いたい

ニューヨークの禁煙ポスター2



Smoking is an addiction that is eating away at your brain
タバコは、あなたの脳に侵食する中毒です

Medicaid and your health care provider can help you quit
地方自治体や保険組合は、あなたの禁煙を助けます

New York State Department of Health
ニューヨーク州厚生局

  タバコはさきの食道癌だけでなく、肺がん、喉頭がん、咽頭癌、口腔癌、胃癌、膵臓がんなどなどの各種癌の原因となる。また、肺気腫、慢性気管支炎など呼吸器系にも深刻な障害を引き起こす。さらに、心臓にも悪影響があり、心筋梗塞や動脈硬化の増悪因子でもある。タバコなくなれば、医療費が15%下がるという推計もある。
  今、日本は2020年問題を抱えている。団塊の世代の後期高齢世代突入で、2020年から、健康を維持するお金が足らなくなる。

  タバコに今よりも多く課税して、価格を3倍にして、年間約6兆円の財源を生んで、赤字で苦しんでいる保険組合や自治体に分け与えるべきだ。アメリカや中国、それに多くのヨーロッパ諸国はすでにこのような政策をとっている。日本も、この政策を実行してこそ、先進国というものでしょう。

 日本の政治家の中にはタバコを吸っている人が多い。特に、ストレスを抱える出来る政治家はタバコを吸う傾向がある。今、厚労省は塩崎大臣のもと、オリンピックを控えて、分煙活動に一生懸命になっている。素晴らしいことだが、一部の愛煙政治家は反対して、厚労省は苦戦しているようだ。残念なことである。

 日本の行政府もタバコの害とタバコのやめ方をしっかりと国民に伝えるために、地下鉄やバス、鉄道など公共機関に広告を出すべきではないでしょうか?!






たばこ増税について 

 民主党政権が、たばこ増税策を打ち出した。大賛成だ。

 

 タバコの肺がん発生のオッズ比は、アメリカで20ぐらい、大気汚染の激しかったころの日本で4から5である。日本の大気汚染はかなり良くなってきているので、今の日本では、たばこの肺がん発生のオッズ比は、その間の10ぐらいと予想される。つまり、たばこを吸っていると10倍も肺がんになりやすいのである。そして、肺がんの死亡者数は日本全体で、年間約8万人。1日に直すと約230人ぐらいが肺がんで死んでいる。

 

 オッズ比が10ぐらいだから、もし、たばこが販売禁止にできれば、年間の肺がんの死亡者数は約11分の1に減ることになる。肺がんの医療費は、数兆円レベル。そのほどんどが高額医療で、国庫負担となるのだから、多少税収が減ろうとも、政府の財政的にも、増税策は理にかなった政策である。ところが、これまで、その政策が本邦で施行されなかったことこそが、我が国の官僚政治の後進性を如実に示している。肺がんは本人だけでなく、家族の悲しみも大きい。

 

 ちなみに、アメリカでは、10年くらい前に、「たばこ産業は健康保険の基金に、年7兆円支払え。」という判決がでた。その後、今はどうなっているかはよく知らないのだが、私が診た肺がん患者は、みな、愛煙家であった。そして、他人はともあれ、自分だけは肺がんにならないと考えていた。

 

 人の命を救うためにも、政府の財政を良くするためにも、やっぱり、大増税しかない!

 

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田淵正文院長の業績消化器疾患について超音波による前立腺がん治療:HIFU | E-mail |

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禁煙のすすめ、たばこ販売の禁止 

 多発性大腸ポリープでフォローアップ中の患者さんのうち、3人が、この一年で肺癌になった。3人とも、喫煙者であった。大腸ポリープが多数見つかって、「あなたは腫瘍体質で癌ができやすいから、喫煙をやめてください。」と勧めたが、たばこをやめなかった人たちである。大腸にポリープが多発してくるのは、決して偶然ではない。体質的に腫瘍ができやすいということなのである。


 タバコの癖が抜けないのは、気の弱い人の性だ。やはり、たばこの販売禁止で喫煙をやめさせるのが、肺がん抑制の決め手であろう。日本では一年に約8万人が肺がんで死んでいる。1日約230人。合掌。

 

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たばこ税の増税見送りは、日本の恥!。 見送りを決めた政党人は、肺癌や心筋梗塞で死に向かう人々の苦しみを知るべきだ。 

 医療崩壊の日本のなかで、タバコ税を増やして、社会医療費に充てるという政策が示された。やっと、「日本の健康政策も国際水準に追いつくのかな」と、光明を見る思いで、期待した。ところが、「増税すると売り上げが減って、増税しても、税金の総額が増えない。」という理由で、結局、この政策は見送りとなった。テレビでは、とある自民党のお偉方<M>がしたり顔に、税のからくりを解説していた。


 タバコは、もともと、肺癌・食道癌・心筋梗塞・肺気腫の原因になるなど、健康によくない。止めるだけでも、将来、病気に苦しむ人々が減って助かる。この間も、ヘビースモーカーのおばさんに、肺癌が見つかって手術をした。患者や家族の苦しみ・悩みは、大変なものである。

 せっかく、一石二鳥の理屈に合った政策が出てきたのに、やる前から止めるのは、残念でならない。タバコ好きの患者を数多く診てきたが、タバコ好きは、値段が少々高くなっても、将来死ぬといわれても、まずタバコを止めない。

 

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繁栄するアラブ、香港  

  休み期間に、アラブ首長国連邦のドバイとアブダビと中国の特別行政区の香港とマカオを訪問した。ドバイとマカオは建築ラッシュで、特にドバイはワッと驚くようなすごい建築が立ち並んでいた。1990年には小さなビルが2-3個あっただけの通りに、摩天楼が文字通り林立していた。いずれの都市も地震がないので、日本に比べて超高層建築物の背が高い。ドバイの超高層ビル群や香港のフィナンシャルビルにも、びっくりしたが、一番凄いと思ったのは、アブダビに建設中のシェイクザイードモスクであった。一点の隈もない白い大理石に、きれいな石がアラビア風に象嵌されていた。内部の飾りもすばらしいものであった。

 ちなみに、このモスクは地球の歩き方07-08版には載っていない。ドバイからアブダビに向かう道すがら、たまたま遠くに見えて、気がついた。そして、7つ星ホテル、エミレーツパレスを観光して、アブダビからドバイに帰る道すがら、偶然、ドンピシャの道を選んでいて、砂漠の神に誘われるように迷い込んだものである。現地のガイドもこれが何かを知らなかった。門番にきき名前がわかった。


 

 

 

 

 

 ドバイもアブダビも香港もマカオも町は禁煙で、町にはタバコが落ちていなかった。中目黒の駅前も、目黒区の条例で禁煙となっているのであるが、若者も中年も、平気でタバコをすって、道にポイっと捨てている。最も汚い町は、残念ながら東京の中目黒であった。香港の裏町のほうが、まだきれいであった。日本の人心は荒廃しているのだろう。

 「恒産なければ恒心なし」とは論語も一節だが、日本政府が、国際社会の中で生き残る、確固たる戦略を持たなければ、資産も人材も叡智も日本から逃げ出して、日本は大切な命もゴミくずのように扱う悲惨な国になってしまうだろう。いや、もうなってしまっているか・・・・・。

 

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癌撲滅政策の提案

 ここ1-2年、中国人と付き合うようになった。彼らを見ていて感じることは、中国人は、目的を理解すると、決断と行動が素早く、日本人は決断と行動が遅いということだ。ちなみに、中国人というのは、総称で、40-50の民族からなり、中国の戸籍には、どの民族か明記されている。有名な一人っ子政策は、モンゴル族とかウィグル族とか満族とかいった少数民族には適応されていない。中国とは多民族集合体なのである。他民族からの侵入がいつあるとも限らない、生命の危険な環境が、理に基づいた、すばやい決断、そういう性格を選び出したのだろう。

 

 先日、日本の癌診療について、NHKが番組を制作していた。アメリカの癌診療が進んでいて、日本の癌診療が遅れているとかのイメージを持たせるような、番組構成であったが、現場から言わせてもらうと、お互いに相手に優る点と劣る点をもっていて、癌診療についてアメリカの体制が一方的にいいというわけではない。乳がん検診体制は、アメリカが日本に優るのかもしれないが、胃癌検診体制は、日本がアメリカに優る。ただし、日本の胃癌検診体制には改善点が多いが・・・。

 

 それから、とても気になったのは、アメリカで開発されているさまざまな癌に対する薬に対する評価である。グリベックという薬は、慢性骨髄腫という血液の癌と消化管の肉腫の一部(GISTの多く)に特効的な効果を示した。イレッサは肺がんの一部を治せるようになった。全部ではない。保険承認をめぐってNHKの番組でも問題になっていた血管新生増殖抑制薬:アバスチンは延命効果をもつが、癌を完治することはできない。その他の新たな化学療法の薬は、延命効果、ADLの改善があり、効果のある症例の割合が増えて、たしかに良くなっているが、全体としてみると、残念ながら、いまだ癌を治せない。助からないステージではやはり95%以上は死ぬ。

 

現在、日本は「2人に1人が癌になり、3人に1人が癌で死ぬ」時代である。特効薬のない癌を予防する、すぐできる「癌撲滅政策」は、医学的に考えて何であろうか。

1)     癌死ランキング1位=肺癌に対して「たばこの販売禁止」。たばこは、肺がん、食道癌の原因になると知られている。喫煙の肺癌発生オッズは20ぐらいである。肺がんは年間約6-7万人死亡している。たばこをやめれば、20年後には肺がんの数は20分の1になる可能性もあるだろう。肺がんの死亡者数が年間3000-4000人に減るということだ。

2)    癌死ランキング2位=胃癌に対して「ピロリ菌の退治」。胃癌の大半は、ピロリ感染が元になっている。ピロリ菌を退治したグループは、退治しないグループに対して、胃癌発生がどのくらい減るのであろうか?いろいろと研究結果が発表されてきたが、ピロリ菌退治成功して3年後以降は、5分の1から3分の1に減るという。最近の研究では、除菌後お酒を飲まないグループでは10分の1以下になるようである。私のクリニックで、ピロリ菌退治した人たちの癌発生は、年0.5%ぐらいである。この政策が実施されれば、胃癌の死亡者数は約5-6万人から、1-2万人に減るであろう。

3)     癌死ランキング3位=大腸癌に対して「大腸内視鏡検診」。40-50才時の大腸内視鏡検診を開始して、ハイリスクグループの絞込みとポリープ切除をおこなうと大腸癌はほとんど予防できる。私の経験では、このプログラムにのって大腸癌で死んだ人はいない。この政策が実施されれば、年間3-4万人死んでいる大腸癌は、年間2000人以下になる。


 これが、私がすぐに思いつく、がん死のランキング1位から3位までの対策である。現在、日本人の癌死年間33万人中、約14万人が救われるだろう。医療費の削減効果も大きい。癌の特効薬のない今、疫学的な強力な健康政策が必要だろう。


 その他、肝癌はB型C型肝炎ウィルス、子宮頸がんはパピローマウィルスなど、感染症による癌は、より強力な感染予防対策により、長期的な癌発生低下が見込めるであろう。

 

昨年、アメリカDDWに行き、中国の地方政府の中には、先進的ながん予防政策を採用しているところを知って驚いた。病気を治すということは、体の中にある自然との闘いである。癌は洪水災害みたいなものである。今の日本に必要なのは、国民の健康と幸福を希求し、道理に基づいた素早い決断をして、それを実施できる政治組織であろう。

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