医療は、そもそも、病気の治療を目的としている。病気を治すという観点からは、治すのに有効な方法を選ばなければならない。誤診率の低い診断法を選び、誤診を避け、治療においては有効な治療を選択する必要がある。診断間違いと無効治療が最も無駄な出費であり、患者の病気も治らない。


 しかし、現行の医療制度は、目先の費用が安いとか圧力団体がいるという理由で、誤診率が高い診断法を奨励したり、効果の低い治療法を優先させたり、また、効果のある治療法を否定していたりと、問題点が多い。この問題点、専門外の人にはなかなかわからないので、一層、厄介なのである。


 病気には「治せるタイミングと方法」がある。たとえば、癌である。小さな芽のうちに治すのは、内視鏡で外科的に切除すればいいので、いとも簡単に治る。それが、大きくなり全身に散らばると、治すのに極めて苦労する。ところが、昨年、患者主導で制定された、癌対策基本法は、癌対策における予防の重要性を無視してしまった。転移した進行癌がなかなか完治しない現状を考えると、がん予防が極めて重要なのは明らかだ。


 しかし、がん予防に対する現在の政府の取り組みは、私の目から見ると、ピロリ菌、HCV、HBV、パピローマウィルス、大腸ポリープの取扱い方、喫煙の問題、HIVなどなど、理にかなっていない。現在、日本では、年間50万人ががんに罹患し、33万人が死んでいる。理にかなった方法を推し進めれば、癌は、少なくともその3分の2が予防できるはずだ。

 

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田淵正文院長の業績消化器疾患について超音波による前立腺がん治療:HIFU | E-mail |

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