たぶち まさふみ オフィシャルブログ

日本消化器内視鏡学会指導医 元東大医学部講師による、医療・政治ブログ

がん

2016年を振り返って 政治編

 今年一年、薬を飲みながらも、健康に恵まれて、活動できたことを感謝しています。
 今年の一番出来事は、今春、京都3区の衆議院議員補欠選挙に立候補したことでした。負けて残念でしたが、いろいろと不利な条件のなかでの戦いでしたので、それなりに善戦したと思っています。たとえば、無所属の立候補者はテレビでの演説の機会が与えられません。私の「がん撲滅」「健康を国家戦略に」のスローガンは、良くよく説明しないと、社会にとってどのくらい大事かわかりにくいものです。
 オプジーボをはじめとした高額な分子標的薬剤が、各種疾患治療の柱として数多くつかわれるようになって、今年、医療費は年間四十兆円をこえて、四十四兆円に跳ね上がっています。今年の後半、オプジーボの高価格が社会問題としてマスコミに取り上げられました。そのときでしたら、私の主張ももっと浸透していたかもしれません。
 「がん」や「健康」はお年寄りだけでなく、若い人たちにも本当は切実な問題なのです。政治が間違えば、助かる「命」も助からず、失わなくていい「健康」も失ってしまします。しかし、そればかりではありません。払わなくてもいい「お金」も支払うはめになるのです。地方自治体は、国民健康保険の運営をしてますが、今年は、医療費の増加で相当苦しんでいます。
  国民の健康と経済、生活を考えれば、いまこそ、効果のある健康政策が求められている・・・・・来年も頑張ります。
 
がん撲滅ロゴマーク

大腸癌のルール <鳥越俊太郎さん  直腸がん、肝臓へ転移、手術へ?>

日刊スポーツの芸能ニュース

「鳥越俊太郎氏、がんが肝臓に転移し手術へ」
 ジャーナリストの鳥越俊太郎氏(68)が9日、コメンテーターを務めるテレビ朝日系「スーパーモーニング」で「がんが肝臓に転移していることが分かったので、明日から休みます」と報告し、手術を受けるとした。鳥越氏は、05年10月に直腸がんで、開腹手術ではなく、腹腔(ふっくう)鏡下手術を受けた。その時に医師から、肺と肝臓に転移する可能性があると言われていたという。07年には右肺を切除し、左肺も一部切除した。 今回の転移について鳥越氏は「『肝臓がん』ではない。いよいよあいつはダメかと思われちゃうけど、そうじゃない。(転移、手術は)できれば避けたかったが」と話した。2009年2月9日11時54分

 

 大腸癌の手術に見かけ上(肉眼的に)、成功しても、癌が再発してくるというのは、珍しいことではない。鳥越さんのような直腸進行がんでは、再発部は、直腸の局所、肺、肝臓である。血液の流れから、直腸は肛門部の静脈を通じて下大静脈に入り、肺にがん細胞が流れていく場合と、下腸間膜静脈から門脈本管に入り、肝臓に転移する場合がある。2007年の肺の切除が、肺転移の切除であったとすれば、今回転移したがん細胞の転移活性は強く、今後の治療は結構厳しいと予想されて、心配である。

 

 肝臓転移も単発性なら手術で治る見込みがあるが、多発性散発性の場合は、手術では姑息的な治療しか得られない。根治を目指すなら化学療法が治療の中心となる。すでに、標準的な化学療法を行っていて、再発したのであれば、なにか新たな化学療法治療薬を考えるべきタイミングであろう.。また、化学療法を行っていて、それが好く効いて、転移癌が小さくなり、癌が取りきれるほど小さい形になってきたのであれば、手術も明るい見込みがある。なんとか助かってもらいたいものだ。

鳥越俊太郎さんの健康は窮地に追い込まれたが、どうすれば、このような窮地に陥らずに済んでいたのであろうか?

 鳥越俊太郎氏、がん手術を電話報告
<2005年10月3日付日刊スポーツ>より抜粋
 ジャーナリストの鳥越俊太郎さん(65)が直腸がんのため今週中に手術することが2日、分かった。この日、コメンテーターを務めるテレビ朝日の情報番組「スーパーモーニング」(月~金曜午前8時半)に電話出演し、明らかにした。鳥越さんは「思い浮かべたのは、14年前に直腸がんで手術した渡哲也さん。元気に仕事している姿に勇気付けられ、私もがんとけんかしてきます」と話した。この日から都内の病院に入院し、約2週間で退院予定。
 番組の冒頭で電話出演した鳥越さんは「実は直腸がんが見つかりました」と淡々と告白した。さらに「自分なりに闘う姿勢を示し、同じ境遇にいる人に『ああすれば治るんだ』と思ってもらえれば、私の心の支えにもなる」と話した。スタジオで心配そうな表情の作家吉永みち子さんに「あまり緊張しないでよ」と声を掛けるなど、終始落ち着いた様子だった。
 鳥越さんはこの日、都内の病院に入院。直後に日刊スポーツの電話取材に応じた。9月下旬、3年ぶりに人間ドックの検査を受けたところ、検便の潜血検査で異常が見つかった。9月30日、直腸の内視鏡検査でがんと判明した。鳥越さんは「何も見ずに医者からがんと宣告されたら落ち込んだかもしれないけれど、内視鏡で自分の目でがんを見ていたからね。こいつとけんかするのか、闘っていくのかって、落ち込まずに淡々と受け止めることができた。不安や心配とかの気持ちはない」と打ち明けた。

 今回転移した直腸がんも、そのはじめは小さなポリープであった。小さなうちに「ジュー」と焼き取れば、簡単に治る。粘膜内に癌が留まれば、ほぼ100%転移なしである。4年前の2005年の報道によれば、鳥越さんは3年ぶりのドックの便潜血反応をきっかけに、大腸内視鏡を行って、進行癌が見つかった。その三年前の検診、つまり、2002年(61歳)には、大腸がんはあったのか?

 2005年に転移のリスクな高いレベルまで発育していたと考えると、2002年、直腸がんはおそらくポリープのレベルであっただろう。しかし、そのときの便潜血反応は陰性。癌があるのなら、ひっかかって欲しかったのだが、残念ながら、便潜血反応では、早期がんはあまり引っかからない。とくに、直腸癌は結腸癌に比べて、陽性になりにくい。残念ながら、これが自然が定めた大腸がんのルールである。

 

 50歳を超えたら、大腸内視鏡でしっかりと検査をする。そして、癌関連病変をすべて切除する。日本では社会的にいろいろと抑制されるが、やっぱり、これが予防の切り札である。自然の定めたルールは、権力者といえども変えられない。「便潜血さえしていれば大丈夫」というのは、財布の事情や医療レベルの低さが語らせる「うそ」なのである。自然のルールを無視した日本システムの犠牲者が、また1人・・・・・しかも、社会を正してきたジャーナリストであったとは・・・・・。

 

 ちなみに、両陛下は毎年、内視鏡による消化管ドックをきちんと受けて、消化管癌を予防なさっています。みなさんも、内視鏡消化管ドックを受けましょう。両陛下が受けていらっしゃるのと同じレベルの内視鏡ドックを、当院では提供することができます。

 

クリニックの案内・地図(ポリープ切除付)無痛内視鏡消化管ドック田渕正文院長の履歴

田淵正文院長の業績消化器疾患について超音波による前立腺がん治療:HIFU | E-mail |

中目黒消化器クリニックの第2ホームページ| 職員募集

アメリカの大腸がん 若い人の大腸がん 

 この一ヶ月、大腸がんの死亡記事が3つほど続いた。下記参照。トニー・スノー前アメリカ大統領補佐官、石田文樹野球選手、それに先の戸塚洋二教授。合掌。ご冥福をお祈りいたします。

 

 大腸がんによる死亡者数は、日本では年約4万人、1日約110人が死亡している。アメリカでは年5万6千人、1日約150人が死んでいる。


 アメリカの人口は日本の約3倍であるのに、死亡数があまり変わらず、死亡率が違うのは、アメリカでは内視鏡によるスクリーニングが常識化しているため。内視鏡によるスクリーニングで、前がん病変である大腸ポリープを見つけて、切除するので、大腸がん死亡が減ってきている。
リンク なのに、大統領補佐官のようなセレブな立場の人が、大腸がん発見が手遅れになるとは、ちょっと意外である。まあ、どこの国にも、医者嫌いや、健康過信者、仕事が忙しすぎる人がいるものなのだろう。付け加えると、藪医者も・・・・?!。

 

 今回の3連続、大腸がん死亡記事の死亡年齢は、41歳、53歳、66歳。私が経験したうちデータベースにある2000例前後の大腸がんの年齢構成は、平均年齢が59歳で標準偏差は約10歳。一番若い人が19歳、最もお年の人は91歳であった。早期がんと進行がんでは約5歳の開きがある。41歳未満のがん患者は全体の約3%であり、石田文樹選手は、やはり、若すぎた。若くて大腸がんになる人の特徴は、家族歴とアルコール摂取、潰瘍性大腸炎などである。データベースを見ながら、一人一人患者さんの顔を思い起こしていると、これらの危険因子のある人は25歳ぐらいから、内視鏡でしっかりスクリーニング検査を受けたほうがいいという思いが沸いてくる。

 

大腸癌トニー・スノー氏死去 前米大統領報道官
2008年7月12日 22:10 トニー・スノー氏(前米大統領報道官)AP通信によると12日、結腸がんのため死去、53歳。ケンタッキー州生まれ。地方紙記者やUSAトゥデー紙のコラムニストを経てFOXテレビコメンテーター。保守派の論客として知られ、06年5月から07年9月までブッシュ米大統領の報道官を務めた。任期中にがんの転移が発覚、化学療法を受けながらホワイトハウスの顔として記者会見をこなした。(共同)
 

石田文樹さん直腸がんで死亡 

 石田文樹氏(いしだ・ふみき=84年全国高校野球選手権大会優勝投手、プロ野球横浜ベイスターズ打撃投手)15日午前1時40分、直腸がんのため横浜市保土ケ谷区の病院で死去、41歳。茨城県出身。葬儀・告別式は18日午前10時から横浜市港北区菊名7の10の8、新横浜奉斎殿で。喪主は妻寿美江(すみえ)さん。84年の全国高校野球選手権大会に茨城・取手二のエースとして出場し、決勝で清原和博選手(オリックス)らを擁する大阪・PL学園を下し優勝した。日本石油を経て89年ドラフト5位で大洋(現横浜)に入団。プロ通算は25試合に登板、1勝0敗で94年に引退した。(共同通信社)
 

クリニックの案内・地図(ポリープ切除付)無痛内視鏡消化管ドック田渕正文院長の履歴

田淵正文院長の業績消化器疾患について超音波による前立腺がん治療:HIFU | E-mail |

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戦争に負けるということ 日本消化器病週間・学会報告  その2

    2005年の日本の年間死亡者数は約100万人で、内32万人、約3分の1が癌で死んでいる。癌を予防する方法は、医科学の進展により、ずいぶんと進歩してきた。しかし、リーダーの能力不足により、その進歩が、日本人のがん予防に十分に役立っていない。


  昨日、学会の帰りに、赤レンガ造りの北海道庁に立ち寄ってきた。二階に樺太資料室があった。昭和20年8月9日、ソ連が日ソ不可侵条約を破棄して、ポツダム宣言に基づき、北緯50度の国境を越えて、南樺太に進軍。当時、南樺太の日本人住民と兵士は延べ41万人。昭和20年9月5日の同島の日本軍の武装解除までに、大半が死亡。


  写真は、旧ソ連兵から寄贈された、日本兵の遺品である。ヘルメットが無残にも打ち抜かれている。合掌。ビルマ、フィリピン、沖縄、満州(中国東北地域)、サイパン、広島、長崎、東京、大阪- - - -でも、同様の悲劇があった。当時の日本政府の間違った政策とリーダーの無能で、国民は塗炭の苦しみと悲しみと地獄を体験した。


 今の政府の取り組み方で、がんとの戦争に勝てるのであろうか?

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「がんの罹患率と死亡率の激減を達成するには」第1話 がんにならないためには その3 多重がん

  大腸癌に罹った人は、胃癌を併発しやすく、胃癌に罹った人は、大腸癌をよく併発する。だから、大腸癌の手術前には、上部内視鏡検査を行い、逆に、胃癌の手術前には大腸内視鏡検査を行って、大腸癌の併発がないか調べるのである。大腸に腺腫(前癌病変)がある人は、大腸腺腫がない人に比べて、大腸に限らず、全身どこの癌も発生しやすい。一回癌になった人は、しばらくすると 、その他の場所にも癌が出やすい。したがって、癌に罹った人は、別の場所に、癌が重ねて出てこないように、十分注意しなければならないのである。


  私が診た患者で、一番の多重がんは、カルチノイド腫瘍(大腸癌の一種)が、直腸に46個以上、異時性異所性に、多発した人である。第2位の多重がんは転移を繰り返しながらもすべて、早い段階での発見により外科的切除が行われて、いまだに生きている、大腸癌2個ー肝臓癌ー肺癌ー食道癌という人 である。そのほかに、大腸癌ー胃癌ー前立腺癌。乳癌ー胃癌ー肺癌。大腸癌ー食道癌ー肝臓癌。食道癌ー大腸カルチノイドー十二指腸癌。異所性異時性に、食道癌ー食道癌ー食道癌ー食道癌。また、大腸癌を6個同時に異所性に発見といった症例もある。奇妙な言い回しであるが、何回も癌になる人は、幸運である。なぜなら、癌に何回もなれるということは、前の癌で死ななかったからこそ、次のがんに罹患 できた?のである。3回以上の癌に罹った患者さんたちは、実は、ほとんどが生き延びている。


 私の経験のうち、死んだのは、乳癌ー胃癌ー肺癌の一人だけかもしれない。この人は、 大腸腺腫が合計30個程度あった。家族歴にも癌が多数あり、明らかに癌体質であった。2発目の胃癌は、内視鏡で発見され、内視鏡で切除できた。この方はヘビースモーカーであった。私は、癌体質だから、たばこをやめないと肺癌になると、説得し続け た。普通、癌になっていると、忠告するまでもなくたばこを止めてくれるものであるが、この人は、しかし、「社会的ストレス回避」といって、たばこを止めなかった。そして、9年目に ついに肺癌が発生して、 骨転移・脳転移と壮絶な2年間の闘病の末、お亡くなりになった。自分は癌になるはずないと無防備な人に、症状が出て癌が発見されるような場合、7割ぐらい死ぬ。仮に、運良く3割に入っても、2発目がその5年後くらいに来て、さらに、無防備のままだと、ほとんど が2発目の癌で死ぬ。「がん患者」という語句の響きのとおり、不幸を味わうことになる。ちなみに、膵臓癌の致死率は高く、この癌は、異時性の多重癌を許さない。


  癌が見つかった後、きちんと消化管ドックを定期的に受けている方々は、大腸癌・胃癌・食道癌が見つかっても、ほとんど が内視鏡的に完治している。私は、大腸に腺腫や癌が多発したり、胃癌・食道癌を内視鏡で取った患者に対しては、必ず禁煙を勧めている。しかし、先の症例のように、癌体質なのに、「たばこやめるくらいなら死んだほうがまし」とか「たばこがないと社会のストレスは乗り切れない」とか、私の前では「わかりました」と応えて、たばこのにおいが消えない人は、せっかく、内視鏡で助けても、5年後10年後には肺癌で死んでいる。消化管の癌をできるだけ早期に見つけて助けようと必死になっても、禁煙してもらわなければ、「ざる」なのだ。たばこ が止められなくて、肺癌で死んでいった方々の顔が次々と思い浮かぶ。死に際しての、家族の涙の表情が思い浮かぶ。


  たばこは販売禁止だ!。

「がんの罹患率と死亡率の激減を達成するには」第1話 がんにならないためには その2 感染症

  感染症を契機として、発癌の危険が高まることが報告されている主なものは以下のとおり。感染していなければ、該当する癌の発生リスクは極めて低い。不幸にして、すでに感染している場合は、治療できるものは、発がん予防として、治療しておくべきである。
 感染経路予防ワクチン感染の治療法特徴
1.ピロリ菌(胃癌)。詳細のページ土、土に接した飲食物、患者の胃液×

現在、治療技術が確立されているのに、公的医療で受けれない。

2.B型肝炎ウィルス(肝臓癌)血液、産道感染、針事故、輸血○▲特効薬ができて、治療技術は進歩してきた
3.C型肝炎ウィルス(肝臓癌)血液、針事故、輸血、血液製剤×○▲近年では7~8割治せるようになった。
4.乳頭腫ウィルス(子宮頸癌)接触、性交× 
5.EBウィルス(胃癌)接触、キス、性交×× 
6.HTLV-1(成人T細胞性白血病)性交、母乳、輸血××九州を中心として西日本に多い。
7.HIV(カポジ肉腫、悪性リンパ腫)性交、輸血×,▲近年の薬の進歩で、致死の病気ではなくなた。

隣国、中国ではHIV/AIDSに対する、ワクチン投与が試験的に始まっているそうだ。(2007.2月,第3回日本消化管学会情報)

「がんの罹患率と死亡率の激減を達成するには」第1話 がんにならないためには その1 生活習慣

 「がんの罹患率と死亡率の激減を達成するには」は、第3次対がん10か年総合戦略の標語である。9月27日から横浜のパシフィコ横浜で開かれる、日本癌学会学術総会で、この標語についてのパネルディスカッションが28日午後から開催される。癌の死亡者数は、毎年増加しており、男性の2人に1人、女性の3人に1人が癌に罹患し、約33万人が、癌で死ぬ時代に、癌をいかに克服して行くかは、緊急の課題なのである。パネルディスカッションには、6人の演者が登場するが、どんな話が出てくるのであろうか、今から楽しみである。


 PD1.がんにならないためにはー生活習慣、感染症、多重がんー演者 富永祐民(愛知健康づくり進行事業団)


 富永先生のところは、がんの疫学的な研究や予防に熱心な施設で、研究発表も多い。かつて、意欲満々の看護師さんがいて、郵送による便潜血反応、郵便検診からのがん予防事業で、協力させてもらっていた。この問題についての、私なりの解答を考えてみたい。


 

生活習慣 1)節酒もしくは禁酒


 節酒は、大腸癌、肝臓癌、胃癌、食道癌、咽頭癌、膵臓癌の抑制につながることが報告されている。肝臓癌、食道癌は昔から、教科書にも記載されていることである。大腸癌、胃癌、膵臓癌については、自らの経験と、学会の報告などを総合しての判断である。


 C型慢性肝炎は、アルコール摂取により、肝臓の炎症がより強くなって、肝硬変になるまでの時間が早くなる。肝硬変になると血小板数が減少してくるが、肝臓癌のハイリスク状態の目安は血小板数8万以下である。食道癌(咽頭癌)のハイリスクは、50歳以上、男性、喫煙、飲酒習慣である。最近の研究では、リスクグループがさらに絞り込まれて、アルコールが代謝されてできる毒素アセトアルデヒドを解毒代謝するアルデヒド脱水素酵素の作用が弱い人に食道癌ができやすいとされている。ただし、最近は、昔と違い、女性も喫煙、飲酒する時代であるので、男性のファクターは、ほんとに食道癌が性ホルモンなどと関連しているのかは、疑問だが・・・。そういえば、不治の進行食道癌と診断されて、昨年、築地の国立がんセンターから逃れてきた、プライベートレストランの50才台前半の女性オーナーは、20年来毎日、ワインを夫と一緒に1ボトル以上開けていたという。ちなみに、夫にも咽頭癌がみつかった。夫婦内 二重癌。


 10年ほど前に行った私の研究で、大腸ポリープが癌化している確率は、日本酒の摂取量に比例して上昇し、毎日5合で、約2倍であった。また、ポリープの数自体も、ビールを大量に飲む人に多く、毎日、ビール1.5リットル飲むと大腸ポリープの発生は、約2倍になっっていた。臨床的にも、一般に接待接待で毎晩明け暮れる方々には、だいたい、大腸ポリープが見つかる。


 最近の学会報告では、ピロリ菌除菌後の3年以後の胃がん発生率は、飲酒群で33%ぐらい、非飲酒群で5%以下と報告されている。



生活習慣 2)禁煙


  肺がんのリスクは、喫煙で上昇する。喫煙者の罹患率はアメリカでは約20倍、日本では約5倍ぐらいと報告されている。今の癌年齢の日本人は、車や工場の排気ガスがもっともひどい時代に生きていたので、肺がん発生に対する、喫煙の寄与率がアメリカよりも低いのであろう。アメリカは広い国で、空気は日本よりもきれいだ。 しかし、私が大腸を見たことのある患者で、肺癌で死んだ人はほとんどが喫煙者であった。ちなみに、大気汚染のひどい中国は、近い将来に肺がん大国にもなるであろう。



生活習慣 3)低脂肪食


 大腸がんと乳がんは、脂肪の摂取量上昇により、罹患率が高まることが報告されている。

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