5月は学会が続く。学会の間は大変忙しいものだが、今日は予想通りの忙しさであった。しかし、驚いたのは、何と、大腸癌の新患が4人もいたことだ。うち3人は進行がんの可能性が高い。一日でこんなに癌患者が来たのは、ここ数年 来初めてのこと。4人中3人は、大腸を予め内視鏡などでチェックしていなかった。一人の患者さんは「健康を過信していた」と言った。
やはり、以前から何度も言っているように、大腸癌の予防のためには、何の症状もないうちに内視鏡検診を受けるべきである。インフルエンザや乳がんも怖いが、今や日本女性の死因のトップは大腸癌。 日本全土で一日約120人の方が、大腸癌で死亡している。
マスコミや政府に対して一言注告。「新型インフルエンザをこれだけ騒ぐなら、大腸癌についてももっと騒ぐべき。大腸癌は完全に予防できる病気なのだから。」
ちなみに日本全土で、肺がんは一日約200人、胃がんは一日約160人、肝臓癌は一日約120人の方が死んでいる。肺がん、胃がん、肝臓癌については大腸がんほど完全ではないが、現状を改善できる、それなりの新たな予防策はある。それぞれの学会は、予防策をずっと提示し続けてきている。しかし、その予防策を、日本政府はことごとく採用していない。まったく、情けないことだ。
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