5月19日から5月24日までワシントンで米国消化器病週間(DDW)が開催された。5月のワシントンは、気持ちのよい青空であった。リンカーン記念館から見る独立記念塔は、北国特有の5月の北西から強い夕日を浴びて輝き、天を突き刺し立っていた。今回のワシントンは、33年ぶりの訪問であった。以前は、ホワイトハウスの執務室まで見学できたのだが、今回は、ホワイトハウスをはるか遠く500mぐらいのところからしか見ることができず、残念であった。2001年の9/11世界貿易センター事件以来の、タリバンやイラクをはじめとするイスラムとの戦いが、ホワイトハウスを開放できない最大の理由であろう。昨年秋、モスクワのクレムリンには、数十メートルまで近づけたのだが・・・・・。ただし、その代わりに、スミソニアン航空博物館が面白かった。アポロ計画による月探査や、各種のロケットの展示に迫力があった。


 ところで、観光して驚いたことがあった。独立記念塔の脇に、現在大統領をしている、ジョージWブッシュが第二次世界大戦記念のモニュメントを建立していた。その中に、第二次世界大戦で米国と日本の勝敗の分岐点となったミッドウェイ海戦の一文があった。米国は、開戦前、負ける可能性が高いと考えていたようなのだ。その危機感の高揚と迅速性が、レーダーをはじめとする技術の優位と、空母をたたくという優秀な作戦をもたらしたらしいのだ。逆に言うと、日本軍の慢心と技術開発の遅れ、発想の貧困がこの海戦の敗因だったらしいのである。なんだか、今の日本の官僚や政治家たちと同じだなと感じた。残念で恐い話である。危機に瀕しての対応は米国に学ぶべきだ。医療でもそうだが、戦いは 技術と信念とタイミングを逃さない勇敢さが大事なのだ。真実や真理、科学技術の進歩に背を向けて、自らの利益を追求し続ければ、黒船に叩かれて、崩壊するしかあるまい。

BATTLE OF MIDWAY  JUNE 4-7, 1942

They had no right to win, yet they did, and in doing so they changed the course of a war.

Even against the greatest of odds, there is something in the human spirit - a magic blend of skill, faith and valor - that can lift men from certain defeat to incredible victory