シカゴで行われたDDWに引き続いて
先々週後半、内視鏡学会が大阪で行われました。続けて8日間も学会に参加したので さすがに、結構疲れました。
富士フィルム後援のサテライトシンポジウム「胃癌内視鏡検診時代における経鼻内視鏡の位置づけのセッション」で気になる演者の発言がありました。疲れていますが聞き過ごせませんでした。
「内視鏡検診では撮影枚数が60枚まで、そして生検するのは対象者の7%まで」と言う決まりを作っていて、それを実施している医療機関に課しているらしい。「決まりを破れば、検診代を払わない」そうだ。ピロリ菌はチェックしないらしい。そして、検査時間は経ったの5分だそうだ。
演者はしきりにコストと画一化に言及した。そして、生検は、内視鏡診断の放棄だとまで言い切った 。だから7%以上の患者さんに生検をするのを、許さんということらしい。
しかし、経験から言って、この内容と心構えでは小さな癌を見落とすだろう。検診を行なっている先生の技量向上も難しいだろう。見落としで訴えられる危険性も高い。
時間とコストが足らないなら ピロリ菌の感染の既往がなくて、かつ、慢性胃炎のない ベリーローリスクの方々の内視鏡胃癌検診をやめればいいのではないか?。残ったハイリスク群でしっかりと時間と手間をかけて見落としがないようにすべきだ。
ピロリ菌と慢性胃炎の進行程度をチェックせずに 全例を内視鏡検診の対象者にしているのは効率が悪い。
内視鏡検診の実態がコストの関係でお粗末にならざるを得ないのであれば 全例内視鏡胃癌検診ではなく、ABC検診の方がいいでしょう。