1〜3 カ条について
がん撲滅
第1カ条
たばこをやめよう
大気汚染のない環境では、たばこを吸う人は 吸わない人の25倍 肺がんになります。大気汚染をなくし たばこを止めて 肺がんを予防しましょう。
日本では、肺がんで 毎年8万人あまりの方々がお亡くなりになっています。タバコをやめて大気汚染もなくなれば、肺がん死亡者は8万人からわずか毎年3200人へ?!
第2カ条
ピロリ菌を退治しよう
胃がんになった方で、ピロリ菌の感染(既往も含む)のない方は、ほとんどいません。つまり、ピロリ菌に感染しなけばほぼ胃がんにはならないのです。
また、ピロリ菌に感染している人は、人生のうちで約12パーセントの人が胃がんになります。ピロリ菌を退治すると 退治後 3年目から 胃がんの発生率は約5分の1に減ります。国を挙げてピロリ菌を退治したら、胃癌死亡者数5万人から1万人へ?!
第三カ条
アルコールを控えよう
アルコールと大腸腫瘍の関係を15年くらい前に私の患者を対象に解析したところ、日本酒を5合毎日飲むと 大腸がんは飲まない人の2倍でした。ビール毎日1.5リットル飲んだ人は、大腸ポリープの発生が2倍になっていました。大腸がんのほかにも、咽頭がんや食道がん 胃がんや膵臓がん 肝臓がんなども、アルコールで発生しやすくなります。
ところで、意外なことに、アルコール自体には発がん性がありません。が、代謝産物のアセトアルデヒドに発がん性があります。アセトアルデヒドは吐き気を催す酔っ払いの吐物の嫌な臭いの物質です。この物質が体に残ると「がん」が出やすくなります。
ちなみに、アセトアルデヒドの代謝は、日本人では、一様ではありません。日本人の約45パーセントの方は白人や黒人と同じく、アセトアルデヒドを立ち所に分解します。この人たちにとっては、お酒はジュースと同じです。また、10パーセントの人はアセトアルデヒドが代謝できません。この人たちは、お酒を飲むとアセトアルデヒドの毒で倒れてしまいます。そして、残りの45パーセントの人たちは、アセトアルデヒドをゆっくりとしか代謝できません。倒れて全く飲めないというわけでないが、二日酔いするというわけです。
この最後に述べた方々がアセトアルデヒドが身体に溜まり、アルコールによる「がん発生」リスクが一番増加します。お酒を無理に惰性で飲んでいる方は特に要注意です。