たぶち まさふみ オフィシャルブログ

日本消化器内視鏡学会指導医 元東大医学部講師による、医療・政治ブログ

2014年01月

大発見 STAP幹細胞

 万能幹細胞を作る方法として、単純にソウジツ胚の卵細胞から採取する方法(ES細胞)が開発され、次に有名なノーベル賞をもらった山中先生の4種の遺伝子を使うiPS細胞の方法が、発見された。その後、化学物質や3種の遺伝子、2種の遺伝子、その組み合わせなど、いろいろな方法が発表されていたが、臨床で応用できそうな方法が、神戸の理研、弱冠、30歳の若い科学者「小保方晴子先生」「おぼかたはるこ先生」から発表された。
 細胞(ねずみのリンパ球)をPH5.7の溶液で刺激したのち、数日間ACTH培地で培養すると、ES細胞並みの増殖能をもった万能幹細胞(STAP幹細胞)が出来るという。方法としては、簡単で、しかも、Myc遺伝子などのがん遺伝子を入れないので、がん化のリスクも極めて低そうだ。
 各種報道を見ていると、この方法はiPS技術にとって代わることは間違いないと予想される。画期的な大発見である。詳細は、本日、「ネイチャー」電子版で発表されるそうだ。
 ちなみにstapとは、Stimulus Triggered Aquisition of Pluripotency (stem cell)の略である。


stap_stem

早期胃がん研究会の新年会

 今日は、早期胃がん研究会の勉強会と新年会であった。場所は、東京商工会議所4階ホール。
 初めに、早期胃がん協会の吉田操先生のあいさつがあった。「今年は白壁彦夫先生がお亡くなりになって、はや20年になりました。(壇上の右スライドには白壁先生の50才頃のお顔)。今日は雪が降るとの予想で、大変に心配していたのですが、我々の行いがよいのか、雪は振らずに済みました。・・・・」
 私は晩年の10年しか知らないが、白壁先生の思い出といえば、「食道の早期がんをバリウム二重造影で、どうとらえるか」というテーマを持っていらっしゃったことだ。食道にチューブを入れてバリウム量を調整して、ねかせて、ぐるぐるまわしして、やっとみえるという話をしておられた。
 逆に言うと、それだけのことをしないと、食道早期癌はみつからないということだ。バリウムは食道早期がん発見に無力ということだ。
 ところで、今日は、症例検討は3例だった。
 一例は、大腸がんのtub1とtub2のちがいを拡大観察でわかるという秋田日赤の発表であった。そこまでわかるのかと驚いた。今後の展開が気になるところだ。
 あとは、7階に登って宴会となった。
 先輩の三木先生や昭和の工藤先生、片山先生、広島の田中先生、佐久の小山先生、女子医の中村先生などと会話をした。三木先生はわたしのがん対策の本を読んでくださっていた。小山先生はオリンパスの新型の290・・はいまいちの出来らしく、酷評していた。昔に比べると、オリンパスはよく見えるようになったなーと思っていただけに、自分の思いのレベルを反省した。
 いまや、拡大観察は、勉強会でも、診断の中心であり、もっとよく見たいという気持ちが、小山先生には負けていたようだ。

 

木曜会の新年会

 今日は木曜会の新年の講演会と新年会があった。毎年恒例の池袋のメトロポリタンホテルに70人位が集まった。
 講演は、神戸低侵襲がん治療センターの藤井正彦先生。お話は、内視鏡のことかと思いきや、放射線治療のアップデイト。最新の放射線治療機械、IMRTによる治療の話であった。12月4日のがん撲滅の会での駒込の二瓶先生の話と同じであった。
 講演は1時間10分で終了して、午後8時20分から意見交換会。ここ数年御無沙汰していたので、よく知らなかったが、最近は皆勤賞なるものがあって、女子医の中村教授、病理の加藤洋先生をはじめ、合計4人が皆勤賞をもらっていた。なんだか、スポーツ少年団みたいだが、私も今年は皆勤賞を目指そう。
 乾杯の音頭は、名誉会長の竹本忠良先生であった。お話は10分ほどあり、大変長かったが、示唆に富む話であった。また、現会長の寺野先生と坂本先生が、互いに表彰し合っていた。寺野先生は「なんだか、出来レースみたいで、ははははは・・・」と照れていらっしゃったが、あんまり、おかしかったので、賞の名前がなにか忘れてしまった。寺野先生、坂本先生ごめんなさい。
 長廻先生も大井先生も星原先生もお元気そうで、何よりであった。
 ところで、この会のスポンサーはゼリヤ製薬。ご苦労様です。

岡山大学附属中学校 第26期同窓会に参加

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 昨日の芳泉高校の同窓会に引き続いて、今日は附属中学校の同窓会があった。230人のうち50人ほどが集まった。朝の有楽町の火事で新幹線が遅れた影響で、東京から11時間かかったMKさんや、名古屋で乗り込めなかったYM君など、大幅遅刻した人が2人いた。新年からunluckyであったが、その分、luckyなこともあるだろう。厄落としだ。
 恩師の方々のお話は、近況についてが中心で、農業を営んでいる方々が多く、その他、地域社会に参加貢献している、趣味を活かして第2の人生を楽しんでいる、とかなどなど・・・。猪を如何に防ぐか、金網は無効で、電気ショックを試しているとか、日舞の先生をしているとか・・・・。
 さて、職業柄いろいろと親友の健康相談を受けたが、深刻な病気が多かった。腎不全、前立腺がん、心筋梗塞、子宮ガン、肝臓がん・・・。若いころから、アルコールやタバコに浸っていた友に問題を抱えている場合が多かった。一般に、男性が女性よりも寿命が短かいのは、タバコと無理なアルコール摂取のため。電通など、タバコとアルコール漬の業界に勤める人たちの平均寿命はなんと退職年齢よりも低い。
 3次会はカラオケへ。この年になると、みな、十八番を持っていて、歌も踊りも大変上手。1974年ごろのヒット曲を中心に大変盛り上がった。ただ、換気が悪く、一人のタバコで、PM2.5超え。PM2.5超えは北京だけではなかった。
   

子宮頸がんワクチンの問題

 昨日の同期会で婦人科を岡山で開業しているKY女史から次のような意見があった。「子宮頸がんのワクチン接種を、厚生労働省が推奨しないのはおかしい。子宮頸がんのワクチン接種によって、各国では子宮頸がんは激減している。推奨しないことで多くの病気が発生して、多くの命が奪われてしまう。タブっちゃんなんとかしなさい!」
 「また、ワクチン接種後痛みが長引く人はPであるせいではないか。症例を個々に詳しく検討する必要がある。Pと一部マスコミが過度に騒ぎ立てているにすぎないように思える。まったく、一部マスコミは、ワクチンの効果の結果報告を「特定秘密」にして世間に知らせず、けしからん」
 婦人科学会もKYさんと同じ意見であり、問題の図式はかつてのピロリ菌問題と同じである。担当官の「洞察力と勇気のなさが多くの国民の命を奪ってしまう」ということだ。
 厚生労働省のホームページをみると、確かに推奨しないと書いている。しかし、厚生労働省の推奨しないという根拠になった「ワクチン接種後の長期に続く痛みの症例」について具体的な記載がなかった。すべての副反応の症例報告を一例一例、「その後どうなったか」も含めて公開すべきである。
 ところで、現場のKY女医殿によく話を聞いていると、日本では中学生と高校生が接種対象であるという。イギリスでは確か小学5年生が対象であったはず・・・・・。イギリスと同じワクチンを使っているのなら、まずは接種対象も同じ年齢にするというのが常道ではなかったかと思う。年齢で、ワクチン接種に対する反応は違ってくる可能性があるというのが科学的常識というものだから。


パピローマワクチンH2506リーフレット

岡山芳泉高校 第1期生の同窓会に参加

DSCF6529 pm2:00頃、羽田から飛行機に乗って、岡山へ。JALの飛行ルートが昨年から変わった。ここ1-2年は富士山の真上をとおるようになったので、富士山がまるで見えない。お正月の富士山を飛行機の上から拝むのも、楽しみの一つだったので、以前のルートに戻ってもらいたいものだ。
 飛行機の出発は10分遅れで、岡山の同窓会場到着は開催のpm5:00に10分遅れた。同期生350人のうち、50名が集合、居酒屋で、座卓で、アットホームな会であった。2次会は田町のスナックへ。みんなで飲んで語って歌って、最後は校歌を歌って楽しいひと時でした。

DSCF6531 5年ぶりの同期会でしたので、見た目の劣化・老化はそれなりにありましたが、やはり、たばことお酒を飲み過ぎの人たちは、そうでない人たちにくらべて、早かったようです。







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 ところで、その席で、婦人科医師のKY女医殿から、子宮頸がんのワクチンの問題が提起された。
詳しくは、次のページで。


謹賀新年

618r新年を迎え、皆様のご健康とご繁栄をお祈り申し上げます。
 さて 本年 日本で癌になる人は85万人 癌で亡くなる人は36万人と推計され 日本はまさに「癌戦争」の状況です。
 しかし 食道がん 胃がん 大腸がんは適正な内視鏡検査で ほとんど予防できます。
 さらに ピロリ菌 喫煙 アルコール(アセトアルデヒド) 大気汚染 放射線被曝 各種ウィルスなどの癌の原因を減らすことで がんの発生自体を抑制できます。
  合理性のある「がん予防」策が日本で広く行われるように 本年も全力で活動する所存です。ご支援のほど 何卒よろしくお願い申し上げます。         
 平成26年、2014年元旦 田淵正文


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