たぶち まさふみ オフィシャルブログ

日本消化器内視鏡学会指導医 元東大医学部講師による、医療・政治ブログ

2012年10月

第20回 UEGW(アムステルダム)に参加前にドバイに立ち寄る 

 今月は学会が続く。アムステルダムへは、かつてJALやANAの直行便があったが、今はない。KLMの直行便があるだけだ。ANAのパイロットさんから聞いた話であるが、北極圏は地球の磁気のせいで、放射線被爆が強いらしい。ということで、ちょっと遠いが、別の目的もあり、南回りのドバイ経由でアムステルダムに行くことにした。


 ドバイで2日ストップオーバーして、ドバイの医療事情の視察を行った。4年半前に、大学連合で、日本の病院をドバイに作ろうという話が持ち上がり、ドバイを視察していたからだ。その後どうなっているか、見に行ったわけである。ハーバード大学資本の病院はちゃんと出来ていて、それなりに患者もいたが、個別の医療モールは、空きが目立った。患者もちらほらであった。医療モールは苦戦中と見受けられた。やはり、病院が必要とされているのだ。ちなみに、日本の大学連合の病院は、2008年のリーマンショックで完全に立ち消えになっている。来れば、それなりに、うまくいっていたような印象を受けた。

 

 ドバイは、パームジュメイラも、メトロも、世界一の高さ828mのブルジュハリファ(ブルジュとはアラビア語で「塔」の意味)も、出来上がっていた。周囲はさらにビル開発が続いていた。しかし、塔に上り遠くを見ると町のすぐ先は、広大な砂漠であった。

 

クリニックの案内・地図(ポリープ切除付)無痛内視鏡消化管ドック田渕正文院長の履歴

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第20回 日本消化器病週間(神戸)に参加 

 10月10日初日から学会に参加。


 2日目の山中先生の講演は、ノーべル賞受賞の発表を受けて、マスコミとか政府とかいろいろの事柄の対応に忙しく、代講となった。


 代講といえども大ホールは満員。山中教授はビデオでお詫び出演。顔には笑顔がなく、声も硬いものであった。


 さて、代講は、彼の教室の教授の一人、青井貴之教授。京都大学消化器内科の千葉勉教授の紹介で、4-5年前に、私が山中教授の研究室を見学に行ったときに対応してくれたさわやかな好青年、京大の消化器内科出身の若い先生で、まだ、39歳か38歳である。9日に山中教授から代講の話があったそうである。わずか2日前!しかし、講演は素晴らしくわかりやすかった。



 開発当初のiPS細胞には、腫瘍源性が強かったが、c-mycをL-mycにしたところ、腫瘍源性は消失した。また、レトロウィルスを使わなくても、DNAに因子を組み込まなくても、iPS細胞は誘導されたこと、また、サルに細胞を入れていることなど、その後の進展について、よくわかる講演であった。


 これを使って、病気をどう治すのか?臓器は作れるのか?個体としての若返りはできるのか?延命は?老人からiPS細胞をつくって、身体に戻したら、老化により喪失した機能はとりもどせるのか?


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山中伸弥先生 iPS細胞の開発でノーベル賞に 

 自然界では、細胞は細胞から生まれている。人に限らず脊椎動物は、個体としてその命は有限である。しかし、細胞レベルで考えると、細胞は、はるかな太古、過去から連綿と現在まで続いている。細胞は時とともに少しずつ老化して行くから、どこかで若返りしていないと、過去から連綿とは続いて来ることは出来ない。つまり、細胞には若返りのメカニズムが間違いなく存在しているのだ。


 では、そのメカニズムはどうなっているのか?人を若返りさせることは出来るのか?若返りの時は卵子や受精直後のころ起こるらしいから、卵子や受精食後の卵に現れる因子にカギがある。


 山中伸弥先生は、可能性の高い因子を24個に絞り込んで、いろんな組み合わせで、レトロウィルスで遺伝子内に入れたところ、とある4種類の組み合わせ(c-myc,KLF4,Sox2,Oct3/4)で、細胞が若がえった。このお仕事をねずみの線維芽細胞でおこない、2006年に発表した。この発見発表が今回の受賞の理由である。


 山中先生は、「今回の受賞は、自分ひとりものでなく、日本全体が評価されたものです。」と述べている。しかし、それは謙遜のしすぎで、正しい知識蓄積と賢明な洞察と努力が今回の受賞をもたらしたことは、だれの目にも明らかである。

 iPS細胞でなにをするのか?若返りの詳しいメカニズムどうなっているのか?今後の課題である。

 

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