昨日まで、真夏日の連続であったが、秋分の日を迎えて、涼しくなった。季節の変わり目の雷がなり、しっかりと雨が降った。暑さ寒さも彼岸まで。異常な暑さであった今年の夏も、最後は格言に従いそうである。
今日は、大阪国際会議場で開かれた、第69回日本癌学会学術総会に出席してきた。
午前中はmiRNAの話を聞いた。
午後は、「今 癌研究に求められること」 ―癌研究に対する提言―に参加。事業仕分けと同じような、形のイスの配置であった。こんな形の会は初めてであった。
司会は、門田守人さんと中村祐輔さん。この会では、みんな平ということで、先生という敬称は禁止であった。野田哲生さん(癌研)、江角浩安さん(癌センター東病院)、関原健夫さん(日本対がん協会)の3名が基調講演を行い、その後、参加者が意見を述べていくというスタイルで行われた。参加者は、国会議員、鈴木寛副大臣をはじめ3人、厚生労働省、通産省、文部省から、官僚が1人ずつ計3人、患者団体から6人、製薬会社から3人、メディア関係が2人、学会関係が9人、大学の教授が2人、日本医師会から1人という構成であった。
いま、癌研究に求められていることは、画期的な新薬の開発である。では、どうすればよいか。研究予算のこと、研究の人材のこと、薬の開発のこと、制度的な仕組みのこと、患者団体の組織の仕方などなどが、議論のテーマとなった。次々と有効な分子標的薬を作り出して世界の新薬市場を席巻しているアメリカと、まだ一つも有効な分子標的新薬が開発できていない日本とが、対比される形で議論が進んでいた。結構、有意義な議論が行われていて、聞いていて大変面白く、毎年開催して、次回からは具体的な政策を掲げて議論をすればいいなと思った。
ちなみに、常陸宮殿下も2列目で静かに議論を聞いておられた。
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