たぶち まさふみ オフィシャルブログ

日本消化器内視鏡学会指導医 元東大医学部講師による、医療・政治ブログ

2010年02月

藤田まことさん死去 食道がんから慢性閉塞性肺疾患、大動脈からの出血・・・で  

  2月19日11時31分配信 [eiga.com 映画ニュース] 俳優の藤田まことさん(本名・原田真)が2月17日、大動脈からの出血のため大阪・吹田の病院で死去した。76歳だった。葬儀は近親者のみで営む。藤田さんは1973年、「必殺仕置人」に中村主水役で出演。09年までのシリーズ31作品のうち16作品に名を連ねた。08年5月に食道ガンの手術を受け、「必殺仕事人2009」の撮影で復帰。昨年7~9月を休養に当てて精力的にリハビリを続けていたが、TBS系連続ドラマ「JIN 仁」のクランクイン直前に「慢性閉塞性肺疾患」と診断され、降板していた。

 

 進行性の食道癌の治療で、化学療法と放射線療法を行い、その副作用で、肺にダメージが加わり、今回の大動脈出血につながったのは想像に難くない。食道癌は、内視鏡で完全に予防できる癌であるだけに、残念に思う。


 ちなみに、食道癌(扁平上皮癌)の高危険因子は、酒、たばこ、50歳以上、男性。これが私が学生の頃の解答であったが、最近の解答は、酒、たばこ、高齢、アセトアルデヒド脱水素酵素欠損。女性であっても、アルコールをたくさん飲む方は女性でも食道がんが多い。アセトアルデヒド脱水素酵素欠損は遺伝子で規定されている。2つの遺伝子がともに、欠損している人はお酒は全く飲めないが、一つの遺伝子だけが欠損しているときは、それなりに酒 を飲めるが、二日酔いをする。

 

クリニックの案内・地図(ポリープ切除付)無痛内視鏡消化管ドック田渕正文院長の履歴

田淵正文院長の業績消化器疾患について超音波による前立腺がん治療:HIFU | E-mail |

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微小癌と拡大内視鏡 NBIだけでなくFICEにも保険点数を認めるべきだ。 

  小さな癌を見つけるには、拡大内視鏡が欠かせない。下の図は最近見つけた微小胃癌である。1.5mmの発赤を拡大してみて、異常血管が見えるので癌だとわかる。私が卒業したころは、内視鏡ではせいぜい6mmぐらいまでしか、確実に胃癌を見つけることは出来なかったが、現在は、この毛細血管を観察することで、1mmでも、胃癌とわかるようになった。


 この4月の診療報酬改定で、オリンパスのNBI(狭帯域画像)に保険点数200点が付けるべきという中医協の答申は、早期癌の発見を日常の仕事としているものにとっては、大変うれしいことだ。ただ、同等の観察技術のFICE(富士フィルム)は、どうなのであろうか?ちなみに、下の図はFICEによる画像である。NBIだけでなくFICEにも 、癌の発見能を向上させたとする論文がすでにいくつも発表されており、実地の画像でも遜色はない。NBIだけでなくFICEにも保険点数をつけるという公平な取り扱いが 、国民の早期がん発見に寄与することは間違いないと思う。NBIだけでなくFICEにも保険点数を認めるべきだ。

 



画面中央の異常毛細血管と腺管構造の乱れで胃癌の範囲が正確にわかる。病理結果は高分化型腺癌。深達度m 大きさは1mm未満。

 

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