たぶち まさふみ オフィシャルブログ

日本消化器内視鏡学会指導医 元東大医学部講師による、医療・政治ブログ

2010年01月

情報操作とグーグル問題と 癌罹患率57%癌死37%の日本 

  今日の日本では、一生における癌の罹患率が57%、また、死因の37%が癌であるそうだ。 こんなに高い数値は、どうして生じたのであろうか?単に、老人が増えたというばかりでなく、がん予防対策が正しく行われていないためだと、私は考えている。

 

最近、大手検索サイト会社、グーグルは、中国政府と対立している。グーグルは、「すべての情報に、アクセスできることは民主主義・自由主義の前提である。」との理念のもとに、世界各国で事業を展開してきた。この理念が中国政府と相いれないらしい。もめ始めてからずっと、日本での一連の報道を聞いていた。今日もNHK9時のニュースでグーグル問題を報じていた。天安門事件に蓋をしたい中国政府が、グーグルに圧力をかけているといった視点の報道ばかりである。

しかし、日本では、今回のもめるきっかけとなった事件が報道されていない。グーグルは、最近、中国現地で、地元の作家集団から著作権を侵害されたとして訴えられて、敗訴しているのである。この事件、中国では、はっきりと報道されている。では、なぜ、この事件について、日本のマスコミは報道しないのか?そうです。日本のマスコミにも、情報操作があるのです。すべての情報にアクセスできることが民主主義・自由主義の前提であるという理念を支持している日本のマスコミが、この事件を報道しないという皮肉。この辺の皮肉な構図のなかに、世界のパワーゲームと日本の見えざる権力システムが垣間見える。

篤姫は、「一方聞いて、沙汰するな。」とNHK大河ドラマの中で言っていたが、まさにその通りで、今回のクーグル問題を正しく理解するためには、日本のマスコミの情報だけでは不十分 で、中国の報道も聞く必要がある。日本でもグーグルに、著作権や肖像権を侵害されたり、行き過ぎた報道で名誉を傷つけられて、辛い思いをしている人は、少なくない。今回のグーグル問題は、日本政府とアメリカ政府、アメリカ政府と中国政府の権力ゲームの黙示録だ。

 

がん予防の問題でも、実は、政府に都合のよいように情報操作がなされている。だから、その結果、癌死37%癌罹患率57%という不幸な現実 が日本に訪れたのである。マスコミが政府の言いなりになり、お抱え報道を繰り返した結果が、第二次世界大戦の敗北であった。癌との闘いも、いま、 一見平穏な中での、敗戦が続いている。

 

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新年予想 2010 今年もよろしくお願い申し上げます 

 新年を迎えるにあたり、皆様の健康と繁栄をお祈り申し上げます。

2009年秋の富士山

 

 2008年の後半からの経済の落ち込みは日本経済を激しく揺さぶっている。「従来の経済モデルが壊れて 仕事にすることが無くなった。これから具体的に何をしたらいいのか?よくわからない。」 日本社会は大きな曲がり角に来た。

 経済が医療に与える影響は大きい。今後の医療の成り行きを考えるために、日経ジャーナルの2010年予想を読んでみた。いろいろな分野のことが書かれていたが、エコカーが次々と開発されて、景気は少しは良くなるらしい。そして、「従来の常識にとらわれない本質追及が次の時代を切り開く。」と書いてあった。

 

 さて、その本質追及からみた、従来の社会常識にとらわれない癌予防対策とは、何だろうか?

もちろん、それぞれの癌に対する特効治療(三次予防)ができれば、それが一番であるが、治療方法が必ずしも有効でない時は、一次予防(原因除去)と二次予防(早期発見)に努力するしかない。

1)肺がん・・・・・・・・・喫煙の禁止。たばこの販売中止。タバコに代わる健康に良い嗜好品の開発。

2)胃がん・・・・・・・・・ピロリ菌駆除および慢性胃炎の治療。造影レントゲン検診の限定化もしくは廃止。

3)大腸がん・・・・・・・過度なアルコール摂取や過度な脂肪摂取の禁止。遺伝的体質の検討。前がん性病変である大腸ポリープの切除。

4)食道がん・・・・・・・禁酒禁煙。アルデヒド脱水素酵素の活性の測定による高危険群の絞り込み。

5)原発性肝がん・・・B型、C型肝炎ウィルスの除去。慢性肝炎の治療。

6)膵臓癌・・・・・・・・・慢性膵炎の治療。RAS遺伝子異常の抑制。

7)子宮頚癌・・・・・・・パピローマウィルスの全員チェックとこまめな検診。

以上のうち、胃がん、大腸がん、食道がんは、技術の進歩により、拡大内視鏡を用いると、わずか1-2mmでも発見可能な時代となった。つまり、その気になって、しかるべき技術のあるところで、内視鏡検査を受ければ、大腸癌、胃がん、食道癌はほぼ100%予防できる。

 

 鳩山首相が「命を大切にする」というのなら、今年はまさに、科学的知性のもと、勇気を持って、前進して行くべき年であろう。

 

 

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