たぶち まさふみ オフィシャルブログ

日本消化器内視鏡学会指導医 元東大医学部講師による、医療・政治ブログ

2008年09月

安いコストで高い効果! 1)がん予防策の充実を <医療制度改善策 2>   

 医療は、そもそも、病気の治療を目的としている。病気を治すという観点からは、治すのに有効な方法を選ばなければならない。誤診率の低い診断法を選び、誤診を避け、治療においては有効な治療を選択する必要がある。診断間違いと無効治療が最も無駄な出費であり、患者の病気も治らない。


 しかし、現行の医療制度は、目先の費用が安いとか圧力団体がいるという理由で、誤診率が高い診断法を奨励したり、効果の低い治療法を優先させたり、また、効果のある治療法を否定していたりと、問題点が多い。この問題点、専門外の人にはなかなかわからないので、一層、厄介なのである。


 病気には「治せるタイミングと方法」がある。たとえば、癌である。小さな芽のうちに治すのは、内視鏡で外科的に切除すればいいので、いとも簡単に治る。それが、大きくなり全身に散らばると、治すのに極めて苦労する。ところが、昨年、患者主導で制定された、癌対策基本法は、癌対策における予防の重要性を無視してしまった。転移した進行癌がなかなか完治しない現状を考えると、がん予防が極めて重要なのは明らかだ。


 しかし、がん予防に対する現在の政府の取り組みは、私の目から見ると、ピロリ菌、HCV、HBV、パピローマウィルス、大腸ポリープの取扱い方、喫煙の問題、HIVなどなど、理にかなっていない。現在、日本では、年間50万人ががんに罹患し、33万人が死んでいる。理にかなった方法を推し進めれば、癌は、少なくともその3分の2が予防できるはずだ。

 

クリニックの案内・地図(ポリープ切除付)無痛内視鏡消化管ドック田渕正文院長の履歴

田淵正文院長の業績消化器疾患について超音波による前立腺がん治療:HIFU | E-mail |

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安いコストで高い効果! 2)ウィルス病対策の拡充を <医療制度改善策 3> 

 蔓延するウィルス病の対策は大切である。最近の検査ラボ関係者の話では、現在、東京では、HIV感染者がかなり増えてきているとのこと。先進国の中で、HIV感染者が増えているのは唯一、日本だけ。すると、日本は後進国というわけ? HIVもAIDSが発症してからでは、薬の効果が低くくなり、コストもかかる。HCVと同様である。現行のHIV対策では、感染者が見つかりにくく、見つかっても、感染者本人が逃げ回れば治療できない。だから、ますます、広がる。AIDSが発症するまで、HIV感染者は、一見正常者と同じなのだ。ウィルス感染者は、社会的観点からも、そして、本人の健康のためにも、強制的に治療すべきだ。


 恐ろしい話だが、現行の輸血体制では、輸血血液の中に、HIVの混入のリスクがある。抗体だけで調べている場合、抗体が産生される初感染後3ヶ月前は、HIVがいても、引っかかってこない。正確に行うには、やはり、費用がかかっても、PCRで遺伝子を増幅して、一検体ごと調べるしかあるまい(この辺の事情はHCVもHBVも同じ)。そして、見つかったら、供血者にフィードバックして、一人ずつ治療していくことが大切だろう。目先は赤字になっても、HIV、HCV、HBVの蔓延が抑えられれば、結局は、国民の健康も守られた上に、将来の出費も少なくて済む。

 

 そして、厚生労働省血液課長の責任も問われない。

 

 しかし、そのためには、予算を付けてくれる政治家・政党が必要。こんどの選挙で、これを理解してくれ政党や理性ある政治家が選ばれればよいが、そうでなければ、あなたも「ほうかむり」を決め込むしかないでしょうね。

 

 HBVではワクチン接種の奨励も重要です。

 

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この保険証は本物か? 事務手続の不正防止を <医療制度改善策 その1>  

 社会保険医療制度の問題のひとつとして、窓口で提示された保険証が本物かどうかということがある。


 まず一点は、顔写真が入っていないので、友達や兄弟のものを流用して用いても、偽名を語る限り、医療機関はチェックの仕様がない。昨今、ニートの間で、しばしば行われている不正受診の方法である。

 次に、有効期間切れの問題。有効期間が切れていても、確認するためには、わざわざ、保険者に電話連絡するしかない。手間取るので、すべての患者に行うことは、現実的に不可能である。保険証が無効のときには、医療機関は、食い逃げされた状態となる。当院も、有効期限切れなどで返却されていたレセプトは、かつて3%にも及んでいた。大変な損失であった。


 最近は、カードの回収を怠った場合、保険者に支払い義務があるという判例が出ているので、保険者への請求権が強固なものとして認められたようであるが、それでも、裁判に持ち込まないと解決できないとは、面倒なことだ。保険者も、回収に努力しても100%は回収できないのが実態だ。 


 これらの最も有効な解決策は、

1)窓口での全額払いと、レセプトの患者への交付であろう。しかし、それでは、保険者の窓口が大変になるかもしれない。それなら、

2)保険証への顔写真の挿入と、

3)インターネットによる、保険医療機関からの保険証の有効性確認システムの構築

が必要である。事務コスト軽減と社会正義実現のため、不正を生まないスムースな方向に、社会保険医療制度の改善を望む。


 
(1)から(3)のいずれにしても、保険者の手間がかかることであり、嫌がることであろう。しかし、保険制度の不正を正すためには必要な事務コストである。(3)は今の
IT技術からすれば、簡単なことだ。検索も、医療機関コードを入力の上、保険者番号、番号、記号、から行えば、プライバシーも保たれるのではあるまいか・・・・。それでも不安であれば、とりあえず、策(1)しかあるまい。

 

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