たぶち まさふみ オフィシャルブログ

日本消化器内視鏡学会指導医 元東大医学部講師による、医療・政治ブログ

2007年09月

FICEで見つけた微小胃癌 

 FICEシステムは、微小血管像をきれいに見せることができる。内視鏡実施時に毎回使っているわけではないが、病変の血管を見たいときには必ずFICEを使っている。先日、胃の中部に約2mmのやや赤い部分があり、解像度7μmレベルまで、拡大して観察すると、癌に特有な異常毛細血管があった。異常毛細血管はFICEでより明瞭に観察された。癌との内視鏡診断で、組織検査したところ、やはり癌であった。FICEによる毛細血管の観察により、微小胃癌が診断できたというわけである。

安倍総理大臣入院長引く 

 安倍晋三総理大臣の入院が長引いている。私の予想では、今後、6週間から8週間ぐらい、入院するであろう。潰瘍性大腸炎治療のために、ステロイドの大量内服投与をしているはずなので、これくらいかかるだろうと思うのである。ステロイドの大量投与で、満月様顔貌になるので、彼は病院をしばらくは一歩も出ないであろう。テレビには出てこれない。メッセージを送れなければ、「美しい日本」という彼の夢も、空中分解だ。安倍晋三さんの無念を思えば、同情の念を禁じえない。健康はすべての礎である。やっぱり、「美しい日本」の前に、健康医療政策を充実させるべきであったと思う。病気は馬鹿にできないのである。

安倍総理大臣辞意発表 潰瘍性大腸炎が悪化?

 安倍総理大臣が本日12時ごろ、突然辞意を発表した。昨日、国会が開かれて、安倍首相が姿勢方針演説をしたばかりで、本日は午後1時から、野党党首が代表質問をするという段階で、まさに、突然の辞任劇であった。


 「東南アジアに旅行されて以降、健康状態が悪くじっと耐えていた。」と与謝野官房長官が発言している。うわさによると、安倍総理大臣は潰瘍性大腸炎であるという。潰瘍性大腸炎とは、大腸粘膜がただれて、下痢と粘血便、血便を繰り返す厄介な病気だ。長期にわたると大腸癌が発生しやすく、血栓症が起こって死ぬ場合が少なからずある。急性増悪して、劇症腸炎となり、敗血症を起こして死ぬこともある。


 潰瘍性大腸炎の経過は長く、再燃緩解を繰り返す病気で、悪化する要因は、精神的なストレス、唐辛子、感冒、飲酒などがある。 潰瘍性大腸炎が悪化したときに適切な治療をせずに放置しておくと、病気が遷延し、緩解導入がかなり難しくなり、治療に難渋する。感冒からの回復期に潰瘍性大腸炎の病勢は一段と悪化しやすい。


 報道によると、安倍晋三総理大臣は、東南アジアに旅行して、唐辛子を食べ、オーストリアのAPECでは国際政治的に強いストレスをかけられていた。さらにその上、 安倍晋三総理大臣は、1週間前に感冒を患っていたというから、病気を悪くするすべての要素が揃っていたのである。医学的にみると、悪化すべくして悪化したというところだ。安倍晋三さんには、じっくりと静養して、是非、お元気になってもらいたい。

二酸化炭素削減とごみ処理の仕方

 この夏、東京では35度を超える猛暑が長く続き、100人程度の熱中症による死亡者が出た。3-4年には、フランスを猛暑が襲い、5-6万人が熱中症で死んだ。今回の、日本の死亡者数は、フランスよりはましだったようだが、この夏の異常な暑さで、地球温暖化防止は待ったなしの感がいっそう強い。


 医療とは、一見関係のないことだが、私の廻りにある紙ごみ、生ごみ、プラスチックごみは、東京共済病院の南にある目黒区のごみ処理場で、超高温で燃やされている。超高温であれば、排ガスの中に、ダイオキシンができないのだそうだ。でも、二酸化炭素は間違いなく、燃焼温度にかかわらず、発生・排出されて、その量は変わらない。


 つまり、現行の処理の仕方は、地球温暖化防止、二酸化炭素削減の観点からみると、不合格なのだ。地中奥深くから、原油をくみ上げ、石炭を掘り出し、地上の炭素量を増やしているから、地球は温暖化する。ならば、温暖化防止のために、ごみは燃やさずに、土の中に埋めるべきなのではなかろうか?「炭素ごみは燃やさずに土の中へ。」


 行政に知恵が必要なのは、なにも、医療の分野だけというわけではなさそうだ。

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