上は手術前、下は手術後です。
これまでの方法を挙げると、
1)内視鏡の先に特別の円筒の筒を装着して、そこに、食道壁を吸い込み、吸い込んだ食道壁に鍼を貫いて、糸を通し結ぶ方法(Bard社)EndoCinch
2)特殊な蟹バサミのような装置を、内視鏡観察下に胃に入れて、噴門部壁にワインのコルク抜きのような螺旋型の金属を突き刺して、壁を引き上げて挟んで縫い付ける方法。NDO Plicator
3)食道の粘膜下に特殊な樹脂を注入して、食道壁・噴門部を厚くする方法。Enteryx
4)4方向に広がる鈎針のついた特殊な装置で、食道筋層を焼いて傷つけ、食道壁を収縮させる方法。Stretta などがある。
1)と2)の方法は、壁を貫いて鍼が進むので、胃の壁の外の臓器を傷つける危険性がある。たとえば、太い血管を傷つけ大量出血の危険性がある。操作が煩雑で、高価な特殊な装置を必要とする。3)は、現在利用されている樹脂は、生体との適合性が悪くて、しばらくすると離脱して効果がなくなる。4)鈎針が食道壁に穴を開けたりする危険性がある。
今回開発した内視鏡的噴門部形成術は、以上の問題点を克服した方法です。1-2年後に学会で発表する予定です。